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恋に恋する狂った乙女!      「センセイ君主」 感想

はじめに

いや、なんでお前みたいなもんがこんな青春映画みてんねん。
と思うかもしれません。

竹内涼真くんが好きだからとか、浜辺美波ちゃんがかわいいとか、
昔たまたまPVみて覚えてたとか色々ありました。

最近、色んな映画を見ている私ですが、ここらで恋愛映画に手を出してみるのも悪くないのでは?と軽い気持ちで恋愛映画に手を出してしまいました。

結果として、かなりきつかった!
マジで貞子DXとか大怪獣のあとしまつの方が面白いと思えるくらいにはきつかったです!

filmarksでレビューを見てみると、評価が結構高めのコメントが多かったので
やっぱり私のようなものを対象にした映画ではないと改めて痛感させられました。
ここから、私がこの映画にハマらなかった理由を語りたいと思います。



主人公について

主人公の、さまるんですよ。
マジでね。この主人公がマジできつい。
浜辺美波の顔面をもってしてもきつい。
この映画の苦しみはすべてこの主人公に詰まってる。

彼女の言動はすべて彼女の感情に正直すぎてて、周りにどう見られているか、その結果どう思われるかを考慮していない部分がマジで不快でした。

例を出すと

・失恋して牛丼屋で親友と大声で通話
 →周りの迷惑考えろ。

・金がないのに牛丼を食べまくる。他のお客さんや店に迷惑をかける。
 →いくら失恋でショック受けてても、そこは把握して食べろ。

・男子に告白されて絶叫
 →引くだろ

・彼氏との妄想を大声で垂れ流しながら赤信号に突っ込む。
 →死ぬぞ。

・先生が体育後に上着を脱ぐ。それを見て廊下で「エッロ!」と絶叫。
 →下品にもほどがある。

・先生に喜んでもらおうと、勝手に車を洗車して泡だらけにする。
 →そんなことするな。クソ迷惑。

こんな感じで終始、自分の世界でしか生きていないので周りの迷惑を全く考えていません。
大好きな弘光先生に対するアプローチも、「先生に幸せになってもらう」という理由付けがあるのですが、だからといって日中常に付きまとっているのはマジでやばい。授業もサポートしているようで邪魔してるだけだし、洗車の件とかマジであり得ない。
こういう不器用で、若さゆえの周りの見えていない直情的な存在を主人公に据えたいのは分かるけれど、いくら何でもやりすぎというか、あまりにも非常識が過ぎる。

原作でどうかは分からないけれど、漫画だと許せる描写も実写で映像化するとここまでひどいと思えるのかと圧倒されました。

細かいことかもしれませんが、彼女の話し方もかなり気になりました。
演出の都合か、原作の話し方なのか、浜辺美波さんの演技なのかは分かりませんが、なんか話し方がダバダバしてる。
具体的にいうと母音を伸ばして話している気がする。
バカなのを表現しているのかもしれませんが、あまりにも不愉快というか、聞いてて違和感がすごい。
「何をすればいいんですか?」→「なぁにをぉすれぇばぁいんでぇすかぁ?」みたいに間延びして聞こえる。
これが彼女へのイライラを更に加速させます。
なんかあらゆる言動がねちょねちょしてるんだよな。


さまるんのヤバさが際立つのが、新川優愛さん演じる弘光先生の幼馴染が登場してから。まぁ恋敵ですよね。
まず、この幼馴染は有名なピアニストであり、勉強も料理もできる。何でもできるパーフェクトヒューマン。
この完璧な存在に対して嫉妬しまくります。
私がドン引いたシーンは2つ。

・友人の「敵は駆逐する」というアドバイスに従い、信号待ちの新川優愛さんを後ろから襲おうとする
→ただの殺人未遂。コメディ表現でごまかせない邪悪さ。

・弘光先生と幼馴染の絆の強さを見せつけられ、イライラが募り、当人がいる前で「先生が大好きなんだもん!」
→マジであり得ない。彼女がいかに自己中心的か分かる。

もうほんとに終始自分のことしか考えていないので、マジでイライラする。
自分が弘光先生と結ばれたいのは分かるが、そのうえで周りも弘光先生のことでさえ置いて、自分がやりたいことを貫く。
彼女に悪意がないのがマジでだめ。幼いともいえる。
マジで無理。
彼女は設定上7回告白に失敗しているとのことだが、そりゃそうだと感じた。
ある意味、設定に忠実な言動である。
なんでこれに惹かれてるのよ。
コタケと弘光先生は。

主人公の良いところ

あまりにも扱き下ろしすぎたので、彼女の良いところを話します。
というか、最後のシーンですね。

新川優愛さんから、弘光先生にとっての幸せは「数学を学ぶためにフランスに帰ること」であると告げられ、悩むさまるん。
さまるんの幸せのために、弘光先生の幸せを奪ってもいいの?とかなり陰湿な責め方をしてくる新川優愛さんです。
まぁ彼女の視点でさまるんは、幸せな未来がほぼ確約されている幼馴染の未来をつぶそうとしている女子高生なので、こういうのも仕方ない。

其のあとで、自分に会いに来た弘光先生を突き放すさまるん。
「先生の幸せはフランスで数学をすることだから!」
センセイに教えてもらった三段論法を交えて、大好きなセンセイに別れを告げるさまるん。
ここは、弘光先生の幸せを考えて、自分の気持ちを押し殺したんですよね。
ここは良かった!
劇中の出来事を通して、本当に人を好きになったからこそ、相手のことを思いやることが出来たんだという、さまるんの人間としての成長が描かれた素晴らしいシーンだと思う。


弘光先生について

最初は結構性格きついし、生徒とも結構壁を作ったり、必要以上に関わらなかったりしてたけど、後半になるにつれどんどん天然な部分が出てきて、割と親しみやすさが出てくる。

何でも完璧な男かと思えば、3歳から習っているピアノがへたくそだったり、さまるんの物まねで笑ったり、コタケの気持ちを汲んで背中を押したりと思ったより面白い先生。
後半になると、生徒たちからかなり慕われてるし、なんなら冗談を言い合ってる。
まぁ、最初は大好きな数学から逃げて日本に来たわけだから色々荒れてたのかな。
そこから、自分の心に図々しくも土足で踏み荒らしてくる「さまるん」というヒロインに出会って、彼の本来の天然さや優しさが表に出てきたのかも。
そう考えると、さまるんに惹かれる理由もわからなくはないのかな。

最後のシーンもいいよね。
自分の大好きだった数学に向き合って、しっかり結果を残す。
そこからさまるんの卒業を待って、彼女の気持ちと自分の気持ちに向き合う。
で最後が安易なキスで終わるのではなく、「よくできました」の判子を押して終わるという。
前半の伏線を綺麗に回収して終わる。
この最後のシーンはマジですっきりした。
これがあるから、きつかったけど嫌いには慣れない映画だったんだよな。

というかね。
竹内涼真で、丁寧語スパダリ教師とかヤバすぎだろ。
エンドロール前の笑顔がまぶしすぎる。


秋香さんについて

かわいそうな人1人目。
夢破れて日本に戻った想い人を追いかけたら、意味わからん女子高生に惹かれて夢を捨てようとしている状況。
一緒にフランスに戻ったはいいが、あまりにも報われない。

弘光先生にとって、憧れでもあり、ある意味でヒーローでもある。
先に成功したというのも含めて、秋香さんは弘光先生にとって、
手の届かない眩しすぎる存在だったのかもしれない。
だからこそ、弘光先生は彼女に惹かれつつも、憧れでその思いは止まってしまっていたのかも。

逆に彼女からすれば、普通に好きな幼馴染を、ぽっと出の女子高生にNTRされてる。マジでバッドエンドよ。
弘光先生が大好きな数学と向き合ってくれたのはうれしいかもだけど、本当に欲しかったものは手に入らなかったのかもと考えるとあまりに報われない。

コタケくん

かわいそうな人、2人目。
彼に関しては終始、さまるんを想って行動しているので、マジでつらい。
てか、序盤で告ってたらワンチャンあったとも思える。

さまるんからすれば、良き理解者や仲のいい幼馴染、友達の域を出ない。
さまるんは「イイ男」と言ったり、距離が近いし、ノリもあってるので、恋人にピッタリに見えるけども、
恋に恋するさまるんにとっては、コタケ君は憧れの存在には絶対になれないんだろうな。
ある意味、もう家族くらいの距離間なので、近すぎて恋人にはなれない。

そのせいでずっと苦しんでいるコタケくんだけど、彼はさまるんの本当の幸せを理解している。さまるんよりも理解しているので、自分の幸せを犠牲にしてもさまるんと弘光先生の背中を押すことが出来たんだよな。
弘光先生にさまるんのノート渡したり、失恋しつつ最後一緒にさまるんとふざけたり。
こいつが一番イケメンだろ。
というか、さまるんと関わるせいでピックアップされないけど、クラスでひそかにこいつのこと好きな女子絶対いるだろ。

最後振りきってるので、秋香さんよりはマシです。

というか恋愛ものにありがちな、報われない幼馴染だけど、こういう子が報われる作品はないのかね。
誰か知っていたら教えてください。
コタケを救ってくれ。


さいごに

さんざん主人公を批判しまくったけども、なんだかんだ面白かった。
最後の判子ですべて許せるくらいには、楽しめたよ。
気になる方はぜひ~。

しばらく恋愛映画はいいかな笑

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