金谷聡史|建築家
主宰する設計事務所、インクアーキテクツでのプロジェクトを紹介しています。
"自然に開かれた建築"の記事をまとめています。
沿線空間クリエーションに関する記事の紹介。 沿線空間とは空間領域の概念で、例えば鉄道であれば列車からの見える風景と鉄道を眺める風景の沿線に連続する空間を意味します。 沿線空間クリエーションではこの沿線空間の潜在的な空間資源を発掘し創造することで沿線や地域の更なる魅力化に繋げることを目指しています。 「沿線空間をクリエイトする。」
明快なプラン 新宿区大久保のマンション住戸のリノベーションです。 玄関入って左側は水回りや個室など囲われた空間に、右側はオープンな空間に明快に区分けたプランとなっています。 ケーススタディワークショップ 設計の要望をいただいた段階では、部分的なリフォームの予定でした。 具体的なリフォーム提案をする前に、この住戸の持つ潜在性を把握しませんか?ということで”ケーススタディワークショップ”を行いました。 ケーススタディワークショップでは要望には全くないプランのパターンも用意
ローカル鉄道の駅と連続する空間 都電荒川線の西ヶ原四丁目駅に直結した敷地に計画したパン教室とパン販売を営む兼用住宅。東京の路面電車は最盛期には41系統あったが、1960年代の地下鉄+自動車交通を優先する都市政策により自動車渋滞の原因となることを理由に次々と廃線となった。都電荒川線は主要な道路との併走軌道がほとんどない専用軌道が多かったことと沿線住民の存続希望が多かったことから唯一廃止を免れた。他の都市のトラムが都市の主要な商業集積地を通っていることに比べ、都電荒川線は沿
愛犬と暮らす親子の住まいです。 愛犬の名前はモモ。ライフスタイルの異なる親子と犬が、いかに住まいの空間を共有しながらお互いが居心地良く過ごすことができるかがテーマとなりました。 計画のなかで大切にした考えは「居場所の選択性」。 リビング、ダイニング、キッチン、ワークルーム、ロフト、洗面室、寝室、アウトドアリビングのそれぞれの場所がおおらかに接続しながらも適度に空間の分節がなされており、集合住宅の1住戸のなかでも多様な居方と場所が用意されています。
ゆるやかに分節されたひとつながりの空間 東京都渋谷区の代々木上原の住宅街に位置するRC造地下1階地上3階建てのコーポラティブハウス。代々木上原という人気の高いエリアの第一種低層住居専用地域で共同住宅を計画するにあたっては最大の床面積をいかに確保するかがコーポラティブハウスに求められるセオリーであり、当然のように地下を含めた住戸が計画される。A住戸は地階B1F(約49㎡+ドライエリア7㎡)と1F(約28㎡)のメゾネット住戸であり、玄関ドア以外は地階と1階に設けられた窓はいず
入れ子状の空間ユニット 東京都渋谷区の代々木上原の住宅街に位置するRC造地下1階地上3階建てのコーポラティブハウス。住戸Gはその最上階に位置している。 浴室や寝室などの個室群をまとめ、リビングダイニングキッチンを開放的な空間となるよう明快な空間構成となっている。ベッドルームはオープンなリビングダイニングキッチンの空間に対して入れ子状の空間となるような"空間ユニット"として計画されており、リビングダイニングの空間の広がりと連続性を体感しつうも落ち着くスケール感の寝室となるよう
空間の居場所化 東京都荒川区の木造住宅密集地に位置し、敷地面積の最小限度とされている約60m²の狭小敷地である。建主さんの祖父母から引き継がれた土地で、隣には両親、向かいには親戚も住まわれており、近隣の方々との付き合いも古い。そのような敷地に対し、プライバシーを守りつつも周辺環境に対して閉じない適度な距離感をどのように空間化するかを探りながら計画を進めていった。 隣は建主さんの実家でもあり、既存の建屋は実家の"はなれ"だったこともあり、母屋とはなれの隙間の空間は自然発
千葉県鴨川市の海辺の別荘の計画です。 別荘地として海岸沿いに宅地開発された敷地で、強風時に砂が飛んでこないよう防砂林によって宅地と海とが隔てられています。 1階レベルの視線からは海を眺めることができず、一般的な2階からでも防砂林で視界が阻まれます。このような敷地の特徴と、この場所でどう過ごすのかのイメージを重ねていきながら計画を進めました。 この土地に別荘を持ち、海を眺めながら余暇を過ごしたいという希望は当然ながらあり、そのために防砂林よりも視線を高くできるよう高さが必要でし
関係性のグラデーションを空間化 夫婦2人+お子様3人のとても明るい家族の住まい。敷地は角地で一方は人通りの多い通り、もう一方は行き止まりの道路になっている。最初にご家族と敷地を訪ねたとき、この行き止まりの道路で子どもたちが走り回ったり自転車の練習をしたりしていた。この道路は日々の生活空間に密接に結びつくのだろうと感じた。 それを手がかりに「街路/お庭/オープンな屋内/プライベートな屋内」が平行に配置され、 家族の中のパブリック⇔プライベートの関係性がグラデーション状に空間
「野村ファーム」プロジェクトは熊本県宇城市の両仲間という地域の田園地帯の真ん中で、この地域での暮らしがより楽しく活気づくような場所を創出しようと始まったプロジェクトです。 活気を失いつつあったこの地域が先の熊本地震によってさらに元気を失いました。 震災では建主さんの共同の農業用倉庫(小屋)と住宅(母屋)が全壊しました。生活の復旧のために農業用倉庫と母屋の再建が急務ですが、この震災を「きっかけ」と捉え直し、機能回復をただ単に行うのではなく、これを機会にこの地域が活気づく
日射をやわらかく導き入れる 横浜市内には傾斜地が多く、この場所も傾斜地を擁壁や駐車場を築造してつくられた造成地であった。敷地の南側は近接して家が建っており傾斜面も迫っているため日当たりの悪い敷地という印象であった。そのため30年もの間手付かずの土地であった。建主は兎に角明るい家にしたいという希望であった。この敷地条件で”明るい家”は可能か?という問いから設計が始まった。 当初、建主は周辺の日照条件から2階にリビングダイニングを計画する考えであった。しかし1階は斜面地に設
Bono.incが運営するコワーキングスペース「我楽田長屋」の空間デザインを担当しました。人と人とをつなぐ場や仕組みづくりを行っているBono.incさん。「場づくり」を通して「ことづくり」を企画しています。インクアーキテクツのオフィスもこちらを使わせていただくことになりました。 オーナーの横山さんが語ってくれた「人がふらっと気軽に入れて、できるだけ長く滞留したくなるような空間」を手掛かりに空間づくりをしました。 その答えが空間の端から端までを横断する棚。 既存の平面図を眺
熊本県宇城市の戸馳島の「花のがっこう」内の施設の一角に計画したレストラン「食卓mano」。 お二人が厨房に立つ姿が絵になるように計画しました。 ご主人はシェフとして、奥様はパティシエールとしてご夫婦で厨房に立たれます。 ※2017年 現在は戸馳島から移転され熊本県宇土市下網田町で営業されているとのことです。
編集しながら暮らす住まい 「編集しながら暮らす住まい」をコンセプトとした賃貸マンション「 Apratment RIKYU 」の一室をコンセプトを具現化したモデルルーム。コンクリートの躯体に、木のパネルや天井のルーバーで空間を整え、住み手はこれら木部に手を加えながら住まいをカスタマイズしていくことができる仕組みを空間化した。モデルルームでは住み手がカスタマイズをしたという想定で吊り棚などの造作を加えている。玄関から部屋の奥まで土間がつながっており、キッチン、ベッド、収納一列
南の左官磨きの床 南斜面に宅地開発された敷地に建つ築46年の戸建木造住宅の改修プロジェクト。 南斜面の宅地のため南からの陽当たりの良い周辺環境となっている。この日当たりの良い南側の一面を左官磨き仕上げの土間の広縁にした。 この広縁は土の磨き仕上のため素足で過ごすことができる。土間は蓄熱性があるため、夏は日陰で昼間でも冷感があり、冬は陽が当たって夜でも暖かい床となっている。この土間の広縁は心地よい家族の居場所となっている。 改修前と後の間取り 土間磨き 広縁の土
窓に向かう暮らし 東京都文京区湯島の賃貸マンションの一室の改修プロジェクト。窓からの景色が良く、その窓に向かって過ごすことができる空間を計画した。窓に向かって端から端までカウンターを設け、ダイニングカウンターやワークデスクとしてなど柔軟な使い方ができる。また部屋の長手方向には間仕切り壁を設けないプランとなっており、部屋の奥行き方向の広がりが贅沢に感じられる。
兵庫県北部の中国山地の山あいに計画した平屋の住宅です。 傾斜面の跳ね出したところに、イベントなどを行うことができるカフェテリアを併設しています。 オーナーはインテリア関連のお仕事をされていることもあり、オーナーのイメージを徹底的にヒアリングして、それら建築的に整理するお手伝いをしました。 オーナーのコレクションでもある古材を随所に計画しています。 「古くて新しい」でも「ずっと昔からそこに在ったような」住まいとなっています。