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高窓の家

日射をやわらかく導き入れる

 横浜市内には傾斜地が多く、この場所も傾斜地を擁壁や駐車場を築造してつくられた造成地であった。敷地の南側は近接して家が建っており傾斜面も迫っているため日当たりの悪い敷地という印象であった。そのため30年もの間手付かずの土地であった。建主は兎に角明るい家にしたいという希望であった。この敷地条件で”明るい家”は可能か?という問いから設計が始まった。
 当初、建主は周辺の日照条件から2階にリビングダイニングを計画する考えであった。しかし1階は斜面地に設けた掘り込み式の駐車場だったため(ここは地下と見なされる。)、2階と言っても道路から見ると3階に相当する。毎日3階のリビングまダイニングで上がるのは良いのか課題となっていた。1階にリビングダイニングを計画しても明るい空間にすることはできるか、それがコンセプトとなり設計を進めていった。
周辺建物の高さのボリュームを調査し日影シミュレーションを行い日照のポテンシャルを確認したところ、やはり2階高さの開口部からしか南側の日射を確保することができないことを確認した。そこで日射を取得することができる最も高い位置に開口部を設け、吹き抜けを介して日射、日照を1階のリビングダイニングに導き入れるように空間構成を計画した。日射を柔らかくリビングに取り込んだ居心地の良い空間となっている。

所在地:神奈川県横浜市
用途:戸建住宅
規模:木造/新築|地上2階
敷地面積:205㎡
延床面積:96㎡
設計:インクアーキテクツ
構造:KKSエンジニアリング
施工:株式会木心
竣工:2017年

インクアーキテクツ


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