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断捨離と透明感とあか抜け


ひと月半後、出版プロデューサーから言われたこと

久しぶりのnote です。3月末に長年お世話になったHP【マチュアリズム】を閉鎖することにしました。
理由はいくつかあるのですが、一番はやはり湘南に引っ越したことで自分自身が大きく変化したからです。

1月末に出版しました。出版レーベルH.O.N のプロデューサーであるKawano氏には、大変お世話になりました。一つ前のブログ、コチラ にも書いた通り、昨年の春に初めてのオンラインミーティングでお目にかかり、もうすぐ1年になるんですね。ウソのようです。
今回、引っ越しを間に挟み、ひと月半ぶりにオンラインでお目にかかりました。その時、いただいた言葉がブログのタイトルになりました(笑)。

「西尾さん!何かあったんですか。透明感がすごいですよ。あか抜けましたね!」
え・え~っ。あか抜けた??びっくりしました。東京にいた時よりはるかにナチュラルメイクになり、毎日ジーンズとブーツかスニーカーで自転車で移動する日々になり、何となく都落ちしたような気持ちもなきにしもあらず・・・だったのですが・・・
「なかなか自分のこと、客観的に見ることって難しいですよね。でも、ホントにびっくりするくらい変わってますよ。女っぽくもなってます」

その言葉には非常にびっくりしました。
思い当たるとしたら、断捨離したことくらいです。
「断捨離して、憑き物が落ちたのでしょうか・・・」
「それは間違いないですね!」と、Kawano氏。

今後、私の発信は「湘南・辻堂ライフスタイル」が背景になります。今日はその第一弾として、こちらに引っ越して3週間たった今の心境と感じていることをお話してみたいと思います。

Find the things and places that bring you peace.
あなたにとって平和をもたらしてくれるものと場所を見つけて下さい


人生で一番大きく痛みを伴った断捨離

人生で何度も引っ越しをしている友人がいます。また、ご主人の転勤で引っ越しを余儀なくされている友人もいます。
私は、と言えば___人生で引っ越しは3回だけ。最初は実家を出た時で、鎌倉に一人暮らしをしました。次は都心のマンションを購入した時で、そこに19年間住みました。今回が3度目の引っ越しです。
実家を出る時には、必要なものしか持って出なかったので、断捨離の経験は2回ということになります。

鎌倉から都心に引っ越した時も断捨離は大変でしたが、今回の断捨離は比べものにならないほど大変でした。もともと整理整頓ができないタイプです。19年間という長きにわたり、不要になったまましまい込まれた書類や本などは膨大でしたが、物理的な大変さは何とか折り合いをつけることができます。痛みを伴うのは、感情と紐づけされているものを捨てるという行為です。最もつらかったのはマンションを手放すことでした。
40代と50代の大半を過ごした19年間は、そのまま結婚の歴史とも重なっており、人生が大きく開花した時期でもありました。
夫と出会ったのは、アルゼンチンタンゴのミロンガでした。アルゼンチンタンゴが似合うのは都会の夜です。少し薄暗くて紫煙が立ち上るような不健康な空間。男と女の憎愛が渦巻く世界。
アルゼンチンタンゴに似合うのは、圧倒的に都会の夜です。


アルゼンチンタンゴ(パートナー)との関わり
仕事との関わり
自己イメージとブランディング

それらが私のライフスタイルのほぼすべてでした。
今回の引っ越しは、そうしたライフスタイルからの決別といった側面が大きく、それが本質的なこころの痛みの正体だったのでした。

港区の高層マンションに住むスタイリッシュなキャリアウーマン

というのが、私の外側から見られるイメージでした。

それを目指していたわけではありません。
仕事を頑張りたい____そのために、住みたい場所に住むことを優先したら、結果としてその場所は、モダンでクールで生活感がないスタイリッシュな雰囲気を持つ場所だったのです。
家事全般(特に料理)が苦手な私は、もともと生活感のないタイプであり、この場所はそんな私にぴったりの場所でした。

仕事を頑張った軌跡
アルゼンチンタンゴで出会ったパートナー
いつも一緒に過ごした結婚生活
数多くお客様とお会いしたラウンジ
運河添いの大好きなカフェ

こうして書いている今も、思い出すと涙が出るくらい好きな場所でした。

それなのに、なぜ引っ越すことを決めたのか____。

港区最後の日の夜___
天王洲アイルの運河添い
天王洲アイルブリッジ

地球の生における最後の課題___土星

もし、コロナ禍がなければ___
もし、占星術を学んでいなければ___
つい、そのように思ってしまうことがありますが、まったく意味がありません。実際にそれは起きていて、過去の出来事は変えられませんから。

私がマドモアゼル愛さんの「月の欠損」理論を知ったのは、2021年後半で、12月に初めてそのことをアメブロに書きました。ご興味のある方はコチラものぞいてみて下さい。
まるで雷に打たれたような衝撃を受け、その後、独学で占星術を学び始めました。もともと、星座のパーソナリティについては興味があって詳しかったこと、心理学の学びがあったことで、大まかな知識はあっという間に取得しました。
自身が編み出した「パーソナルアクション®」理論と重ね合わせて、月の欠損理論をセッションにも取り入れ始めました。

私自身にも多くの気づきがありました。いつ何時、何が起こるとか、個人の運勢を読むといった占い的なことには興味はありません。惑星意識をフラクタルに現実に落とし込むことに神秘性を感じています。特に、気になったのが「土星」の存在です。55歳から70歳くらいまでの年齢域を表すこの土星は、現実を生きる上での王様であり、土星を無視してこの現実を生き抜くことはできない。それを知った時、ある種の衝撃を受けました。

それまでの私は、人生とは自分で切り開いていくものであり、運を天に任せる・・・といった心境とは無縁でした。もちろん、今この時代に日本という国に女性として生まれたこと、という宿命は受け入れざるを得ませんが、基本的に運命とは自分自身でコントロールできるのだという自信がありました。生かされている、という感覚が薄いというのでしょうか。ある意味では、非常に傲慢だったとも言えます。

宿命と切り離せない惑星「冥王星」、そして現世の王「土星」

今回、出版プロデューサーのKawano氏から、他にも非常に興味深い言葉を投げかけられました。
そのアドバイス的な言葉が、まさに私の土星の現す課題だったのです。そのことに非常に驚きました。

オフラインの交流とはお客様同士の交流です。
「老舗のバーはそれができている。マスターに会いに来ていたはずが、いつの日からお客様同士の交流ができていて、その空間をマスターがうまく回しているというイメージ」
です。

私は、極度な寂しがりやのくせに、友人がとても少ないのです。小・中・高と、普通に友達はいました。社会人になってからも、多くの人と知り合いましたし、独りぼっちで寂しい、という思いをしたことはありません。
ただ、友人を作ろうと努力したり意識したりしたことがなく、義理としてのお付き合い、といったものを一切しない人生でした。
ようするに、昔から一番重要だったのは恋人の存在であり、仕事以外の時間は常に恋人と一緒にいるのが精いっぱいで、時々一人でほっとする・・・そうしたライフスタイルだったわけです。
それは個性であり、そんなものだと思っていたのです。

現世の王である、土星の課題、そして、日蝕の現す宇宙と約束したテーマ、その双方が「水瓶座」である私は、これまでのコミュニケーションスタイルを見直すという課題と、今後取り組んでいかねばならないのです。

端的に言えば、私のこれまでの人間関係は「水瓶座」とは程遠いのです。
太陽星座(双子座)もアセンダント(天秤座)も風の宮の星座なので、「風」の存在感はよくわかるものの____「水瓶座」の現す社会に開かれた友愛・仲間意識といったエッセンスは、私にとってはまさに課題と言えるものです。

恋人とのコミュニケーションは、閉じられた空間の中で生かされるものです。同時に、これまで長きにわたり行ってきたセッションも、パーソナル(一対一)であり、これも閉じられた空間の中で起こります。
個人に向かって深堀りしていくコミュニケーションから、人と人をつなぎ居心地の良い空間を創っていくバーのマスター的な存在へ____。
土星・水瓶座とは、否が応でもリーダーの位置であり、様々な人の個性を公平に認めて引き上げていく役割なのです。
それを放棄すると、友愛の感情を得られず孤独に陥る運命にあるのです。
私が時折陥る憂鬱さと孤独感も、この土星の年齢域による課題からくるものかもしれません。

すべての執着から離れて身軽になって生を終える

日蝕とは、宇宙と約束した人生のテーマを表しています。運命はコントロールできる、という考えは現世を生きる上で必要なものかもしれません。
学びながら試行錯誤する時期、太陽を生かす時期、さらに挑戦する時期、拡大し定着させていく時期、一線から退く時期、静かに枯れていく時期___
発達心理学と惑星意識は同じことを物語っています。
その時期に終えていない課題は、捻じれた形で現世の最後の課題に上乗せされていくのだと思います。
静かに枯れていくことができない病、というのが現代にはまん延していて、これは「承認欲求」と深く結び付いています。

生きている限り、物質的な欲望はゼロにはなりません。しかし、過度な欲望は苦しみの元です。苦しみの元をただせば、「承認欲求」に繋がります。「水瓶座」のテーマというのは、自分がヒーローとなり輝くという個人のテーマではなく、常に社会に向かって問いかけています。主役としての人生、地位と名誉に恵まれた人生を超えた先にしか、このテーマを表現することはできません。
私自身が、「宇宙と約束したテーマ」とは、土星の課題を生きていく晩年の人生と重なっているのです。
この世を去る時にはすべての執着を断ち切らねばならないことを、身を持って周囲に見せること____これが「宇宙と約束した日蝕のテーマ」です。

辻堂西海岸のビーチは少しもの寂しい
茅ヶ崎サザンビーチと鵠沼海岸に挟まれた静かな海岸

Kawano氏からは
「最近の西尾さんの魅力は『決断力』です。決断できない人の方が多い中で、東京の大都会システムから抜けだすことができる、さすがです!決断してよかった。自分らしく生きることができている。自分らしく生きるって、決断することなんだ。そう気づけた・・・それをどんどん発信していってください!」
と、アドバイスされました。
また、
「着飾ることは誰もができて、さらけ出すことはほとんどの人ができないのです」
とも、言われました。

先述したように、これまで生きてきた人生の集大成が19年間住んだ部屋の隅々に詰まっていました。
ものだけを断捨離して、環境を変えないまま、次のステージへ行くことはできなかったのか・・・ということも再三、考え続けました。正直なところ、今も完璧な答えが出ているわけではありません。

いえ、もう答えは出ています。今の現実が私が選んだ結果であり、私の人生にとってこれが必要なことであり、最善のことだったのです。こころの痛みが大きすぎたために、100%納得するためにはもう少し時間が必要かもしれません。

執着を捨てること____環境を変えずに、それまで得たものを断捨離することはとうてい私にはできなかったのです。
「透明感が出て、あか抜けた」と言われたことは、断捨離がもたらした最大の成果だったのだろうと思います。

引っ越しをしてから、ずっと片づけなどが大変で、確かにストレスが大きかったですが、仕事は何もしておらず、毎日、のんびりと義務のない生活をしています。
それにもかかわらず、非常によく眠れるのです。
8時間は寝ています。布団の暖かさが心地よくて、もっと眠っていたい、まだ眠れる・・・そんな感じで朝を迎えています。

当面は、自分のこころが何を欲しているのか、何を感じているのかだけに神経を集中させようと思っています。
なるべく考えない。自然の中に身を置くこと、日常の暮らしを意識的に行うこと。これまで、不思議なほどに生活することを楽しむという習慣がなかったことにも気づかされました。
いつもいつも、何かを求め、考え、何かを得るために行動していた自分が、すでに過去のものになっていくことを感じています。
これこそが非常に不思議な感覚です。
人生で、人は何度か生まれ変わる経験をする、と言われますが、私も今、そうした心境です。

新しい自分自身が何を感じ、何を発信できるのか・・・それを楽しみたいと思っております。

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