月面
掲げるような
両手で描いた影が
受け止めようとする
迫る星から護る背を隠して、詩のふりを
やめた静寂から降る雨も
影をかすめて
余白に散った、ひとしずくは
海に落ちた星の温度で遺跡に触れる
近づけば走り出す
心音を
静めるようにして
辿り着いた
世界を孤独と呼ぶのは誰
葉の表面を滑り降りて、
棘の先端で膨らんでゆく景色を
閉じ込めた
雫が、
あしたもここに堕ちて来る、夜の一点を
見上げた先で僕を哀れむ、
月で
最初に咲いた薔薇
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