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白狼



踊り場で
 
振り向かない
絵の中の背中を見つめている、
背後から僕を見てる
時の素顔を真似て
ふくらませた頬を滑り降りて行くと
虚空の尾根で、
なにも無かったかのように
過ぎて行った景色が白く鳴いている
 
月を撫でる蒼褪めた髪が煙る夜、
架空の声が空中で色を帯びる夜
 
雪の真珠が抱きしめている、
ひび割れた核心を
見つめる、
照らされて
流れ出す前に
 
横たわる狼の腹は
熱を持ったまま荒く上下して、
乱れて光る
毛並みを芯から
鎮めるように降って来る小さな空白に
つながれて、眼差しは






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