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ゲットバック・マイ・ライフ

銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。

「間に合ってよかったです」

怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。

「あなたを迎えにきました」

「俺を?」

「えぇ。境界を越えたあなたを、私たちは歓迎します」

「俺はいつもと逆の電車に乗っただけだぞ?」

「それがトリガーなんです。ようこそこちら側へ」

そうか!俺は日常を抜け出せたのだ!ここには仕事も上司も部下も妻も娘も何もない!俺の新しい人生の始まりだ!

俺は頷き、見知らぬ駅で下車した女に続いた。俺は浮かれていた。だから女の銃に刻まれた紋章が、俺の社員証と同じだってことにも、この時は全く気付いていなかったんだ。

【続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞 #小説

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