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うちの子たちなら心配ないさー
5人目の子が産まれ、家族7人マンションで暮らすには少し手狭になってきたこと、テレワークによりおうち時間が増えたこともあり、引っ越しを決意しました。
この4月でちょうど長女、長男、三女が揃って進学と、ハレー彗星並みに訪れた絶好のタイミングでした。次は2061年、生きてりゃいいな。
長年、住み慣れた東京から新しい土地に子どもたちが馴染めるか?これが一番の心配ごとでした。
家族にとって、チャレンジの新年度がスタートしました。
高校生
引っ越し後、食って寝るだけの場所を何とか整え、てんやわんやで迎えた入学式。
1日で小・中・高、3度の入学式。なんとクレイジーなスケジュールでしょうか。奥さんと役割分担し、長女と高校の入学式へ。
車で一緒に行ってから、入学式が終わるまで別行動で、娘がどうやって過ごしているのかずっと気になっていました。
「生徒は視聴覚室で待っていますので、お迎えにいってお帰りください」
きっと一人寂しく待ってるだろうな。急いで迎えに行くと下駄箱の前でJKに包囲されている!
えっ!?事態が飲み込めず、近くへ行くと…
スマホを片手に元気よく手を振り
「また明日!じゃぁねぇー!」
マジ!?
みんなと連絡先を交換していたようです。
そんなすぐ友達できるか?
「受験のときからカワイイなと思っていた子にインスタ教えてもらったら、その仲間がたくさんやってきたの。みんな違うクラスだけどねぇ」
ほー、最初がインスタなのですね……。
長女はコミュ力高いし、大丈夫だと思っていたけど、あまりにいつもと変わらない空気感がステキすぎて尊敬レベル。
「繋がってさえいれば、なんとでもなるからねー」
小学生
兄弟の中で最も引っ越しを楽しみにしていた三女。
本人も「大丈夫だよ!」と言いますが、初めての集団登校など心配は尽きません。仕事がなければ「はじめてのおつかい」ばりに尾行してるぜ。
登校初日はさすがに緊張した面持ちで登校しましたが、帰宅した娘を見てビックリした奥さんから連絡がありました。
「なんと…、友達と手を繋いで帰ってきた!」
さすがだね…。奥さんと喜んでいたのも束の間。その日の晩、布団に入った瞬間、娘が突然シクシクと泣きだしました。
「ママと一緒に小学校に行きたい……」
そりゃ今までずっとママかパパがそばにいたのだから寂しいよね(でもパパちゃうんかい……)長時間枕を濡らし、泣き疲れて眠ったようです。翌日、娘の目は大きく腫れあがっていました。
朝ごはんを食べながら奥さんが
「学校まで一緒に行くからね」声をかけると
「やっぱりいい!」
きっぱりそう言って、大好きなお茶漬けを美味しそうに音を鳴らしながら食べています。娘のあまりにあっけらかんとした態度に奥さんも私も拍子抜け。
切り替え早すぎん?
別れた翌日から違う彼と付きあえるタイプだな。
昨日は、友達を家に連れて水風船でびしょ濡れになるまで遊んでいました。
「今日は楽しかった?どっちから話かけて友達になったの?」
「まあまあね。自分からだよ。席、隣だしね!」
中学生
中学生長男、最初の登校日。
引っ越し当日。漫画か!というぐらいたくさんの友達に見送りをうけ涙、涙のお別れをしたばかり。
気持ちの整理もまだ出来ていない状況で、学校の準備にも力が入りません。しかも初めての自転車通学。初日は奥さんも自転車で送っていくことになりました。
「なにしてるの!?」
玄関先で奥さんの声が聞こえます。
ふと見ると、長男が通学用ヘルメットを脇に抱え、車の前でこんな感じで立っていました。
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「車?乗らないわよ!何のために一緒に行くのよ。しっかりして!」
初日から遅刻です。1番心配していたのは、気持ちが追いついてこない長男でした。学校も帰りも心配。はぁ、大丈夫だろうか……。
悪い予感は的中しました。
帰宅時間になっても、いっこうに息子が帰ってきません。
事故に巻き込まれていたらどうしよう?
学校嫌になって帰ってこなかったらどうしよう?
奥さんは色んなことを考えたそうです。
1時間後、無事に帰ってきました。
友達と一緒に。
一緒に迷子になってウロウロしていたら、友達のお母さんが見つけてくれて道を教えてくれたそうです。しかもすぐご近所。
「友達?すごい!友達できたじゃん!!」
「なんか、もうクラスの全員と友達になったよ」
華奢な彼の身体にはまだ大き過ぎるカバンを抱え、階段を登る背中を見て奥さんは涙したそうです。
夕飯を食べながら、今日あったことを息子が嬉しそうに話してくれました。
「まー、ボクは人気者だからね!」
それぞれの覚悟
茨城から東京の中学へ1時間以上かけて通う次女。
早起きが苦手で、いつもギリギリに起きていましたが、今は家族で一番早起きして、通勤ラッシュに揉まれながら頑張って通学をしています。
「できる!絶対通う!」
強い覚悟をもって決断した意思を尊重したい。でも、いつでも逃げ道は作っておいてあげたいと思います。できるところまでガンバロウ。
このようにあらためて子どもたちを見ていると、新しい環境での生活に対し、私たちよりはるかに順応していました。
引っ越しの準備をぜんぜん手伝ってくれなくて前日までみんな毎日遊びに出ていました。
キーキー喚き散らしてしまったけれど、今となっては必要な時間だったのだと考えることができます。
覚悟を決めるため、そして強くなるために必要な時間だったのだと。
友人や先生からのエールもきっと心の支えになっているのでしょうね。抱えていた不安を期待に変えてくれた逞しい子どもたち。
私たちも負けないように、子どもたちが安心して過ごせるコミュニティーをこれから作っていきたいと思います。
そしてもし大変なことがあったならば
「きみたちならきっと大丈夫。心配ないさー」
と胸を張って伝えてあげたい。
そして、まだ一人で眠れない三女のかわいいベッドで、なぜか私一人で寝ている現状から一日も早く抜け出すために、彼女にも毎日エールを送り続けたい。
「心配ないさー」
最後までお読みいただきありがとうございました。 いただいたサポートは他のクリエイターさんのサポートと奥さん子どもにあずきバーを買ってあげたいです。