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1トン分の愛情に感謝をこめて

もうすぐ2歳になる5人兄弟のすえっこ次男。
おっぱいが大好きで乳離れができず困っていた。

3ヶ月前、卒乳にチャレンジするも…

無理やりパイパイをやめる事はさせたくない奥さん。どうしてもパイパイを飲み続けたい息子。数日間、2人のせめぎあいが続いた。

あまりにパイを求めてくるしつこい息子に、何度も、何度も言い聞かせようと試みた。

パイパイイタイイタイナイナイバイバイ!

辺境の少数民族のおまじないのように必死に伝えるも奥さんの想いは息子に届かず。あまりに泣き散らかすので、あえなく断念。

以降も、おっぱいを与えるたびに「もう少しでパイパイ終わりだからね」と根気よく声をかけ続けた。

そして満を持してこの夏、2回目のチャレンジが始まった。今回は背水の陣。さっそうと風呂場にマジックを持っていく奥さん。

書いてきたよ。

えっ、マジック!?

ぼくら!アンパンマン!


見せてくれなかったけど、たぶんこんな感じ。

「えっ、ほんとに書いてるの?」と聞くと、7歳三女がクククっとくぐもった笑いを必死でこらえながら「ほんとに書いてるよ…」と教えてくれた。

このアンパンマン卒乳
調べてみると、結構たくさんの方がチャレンジしているようだ。

鏡見て集中しながらマジックでアンパンマンの鼻を黒々と塗りつぶし「よっしゃ!アンパンマン!」と気合をいれる奥さんを想像する。

世の中の母ちゃんたちにほんま感謝やなぁ。

大好きな奥さんのおっぱいが正義の味方、アンパンマンに変身。息子のリアクションはどうだ?

困惑しつつも、嬉しそうにして、パイに飛びついてくることがなくなったそうだ。アンパイマン、バンザイ!

そんな奥さんをサポートしようと、次男の気が紛れるよう日中は4人の兄弟が、変わるがわる面倒を見てくれた。

おかげで最大の難関である寝かしつけもパイなしの背中とんとんで、何とかなるようになってきた。

でも油性マジックで書いたアンパンマンがちょっとでもヘタってくると、隙あらばパイに吸いつこうとしてくるそうだ。

た、たすけて…ジャムおじさーん


ジャム奥さんの手によって、また復活するアンパイマン。

順調だったパイ断ちだったが、数日後、息子が突然、情緒不安定になった。とにかく抱っこしろと主張して泣きわめく。

パイ断ちの影響かと思いきや、手足を見ると見たことがある発疹。これは恐怖の手足口病。。。

口の中に口内炎がたくさんでき、食べたり、飲んだりも難しい状況になった。

「感染症で終わるなんてかわいそう…」


肩を落とす奥さん。胸のアンパイマンもきっと涙を流していたはずだ。

痛みやダルさもあり、それから数日間、息子は不機嫌の極み。

ぎゃー!やめてー!

いつも大好きなアンパンマンをウーウー言いながらこんな感じで噛みまくる。パイだと思うと怖いね。

最後は奥さんと交代で、泣きわめく息子を抱っこし続けた。そして2人の腰がボロボロになった頃、無事全快して同時に卒乳を果たすことができた。

それからの息子の成長っぷりはすごかった。

まず食欲。高2長女と同じくらいご飯を食べるようになった。そしてしばらくすると、初めて二語以上のコトバを話す。

初めて覚えたコトバはなんと…

おかわり、ちょうだいな

この子はきっと食べ物には困らない子になるだろう。

手を皿にしてアピールする様子が、家族全員のハートを鷲掴みにして、なんでもおかわりをあげちゃうもんだから、さらに食べるようになった。

あとパイを止めてビックリしたのが、寝起きの口の匂い。おじさんみたいになっていたのは、ショックだった。

奥さん、こんな感じ

もう甘いミルクの香りがしない。そりゃ当たり前か。お口くさーいは乳児から幼児へのステップ。歯磨きもしっかりやらねば。

パイパイはバイバイ。息子の成長は我が家にとっての大切な一区切り。

5人の子どもたちの成長を支えてくれた奥さんのパイパイ。計算してみると、一日600㎖平均で、365日あげ続けたとして、5人分の総量はなんと1095リットル!

みんな一年で終わらなかったから、少なくとも1トン以上のパイパイを雨の日も、風の日も、病める日も、酒飲んで私がぐーすぴ寝てる日も注ぎ続けてくれたのだ。

育児は命がけ。と奥さんは言うけど、決して大げさじゃない1トン分の愛情

感謝の意を表して家族で奥さんを表彰。娘が、またクククッと笑いをこらえながら読みあげてくれた。

卒乳感謝状

たっぷり睡眠とって、美味しもの食べて、飲んで、美容して、より自分の時間を楽しんでおくれ。そして、私との時間も大切にしておくれ(願)

表彰状を読んでるそばから、息子の叫び声が隣室から聞こえる。


「おかわりちょうだいなっ!!」


どうやら次女が食すモナ王を狙っているようだ。深夜に食わせてなるものかと、彼をすぐに連行しに行く奥さん。


まだまだ私たちの育児は続く。

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