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絵を描くのが好き。でもWeb上には“もっとたくさんのキャンバス”があった─髙橋龍(フロントエンドエンジニア)

こんにちは。今回のnoteは、IN FOCUSで共に働くメンバーへのインタビューシリーズ第5回。登場してくれるのはフロントエンドエンジニアの髙橋龍です。

これまでにワークプレイスコンサルティングファーム「フロンティアコンサルティング」のコーポレートサイトや、クリエイティブスタジオ「OUWN」代表の石黒篤史さんが芸術活動を目的に始動させた「People and Thought.」のWebサイト制作に携わってきた髙橋に、自身の仕事について話してもらいました。

表現への興味を捨てきれず、独学でデザインの世界へ

ー現在の仕事につながる、デジタル領域のクリエイティブに興味を持ったきっかけは?

はじめは、デザインに対する興味からでした。小学生の頃なので、単に“絵を描くこと”を好きになったということですが。漫画、アニメ、音楽アルバムのジャケットを見るのが好きで、次第に自分でも表現したい、作ってみたいと思うようになりました。誰かに習ったという経験はなく、独学で楽しんでいました。
とは言え、そのままデザインの道に進んだわけではなく、同じくらい好きだった“生き物”への興味から、大学は森林資源科という学科に進み、木材などの自然資源について学んでいました。その分野を学ぶこと自体、決してつまらないものではありませんでしたが、子供の頃に抱いた表現への興味を捨てきれず、就活をやめてデザインの勉強をすることにしたんです。父親がイラストレーターだったこともあり、実家のPCに入っていたAdobeを使わせてもらい、自宅で学び始めました。

ーその時、表現の方法としてなぜPCを選んだんですか?

紙に絵を描くといった表現も好きでしたが、Web上には“もっとたくさんのキャンバス”があるように感じたからです。3D表現もそうですよね。もちろん将来性や需要といった、仕事をしていく面での現実性も考えてのことでもありました。

英語とプログラミングを学ぶため、カナダ移住を決意

ーAdobeをはじめ、Webデザインの知識も独学で学んだんですか?

はじめの半年はそうですね。その後は、東京の小さなアプリ制作会社に就職して自社製品の開発に携わりながら実践的なノウハウを学んでいきました。そこから大手IT企業の子会社へと出向し、ソーシャルゲームのUIデザイナーとして働いていたのですが、色々と思うことがあり、ワーキングホリデーでカナダのバンクーバーへと移り住むことにしたんです。

ーそれは海外で働いてみたいという理由から?

英語とプログラミングを学びたかったからです。いま考えると無謀だったと思います。分からない言語で、分からない分野を学ぶという(笑)。それでも両方の学校に通いながら、インターンでプログラマーとして雇ってもらい、その後のフリーランス時期も含めると合計して約2年間はバンクーバーで働いていました。

ー海外での経験が役立っていると感じますか?

厳しい選択によって、もがきまくることができたのは良かったですね。日本ではなんでも思い通りにいくことが普通だと感じていましたが、そんなわけないということを知れました(笑)。本当に、マイナスになったことは何もありませんでした。性格も変わりましたね。海外に行く前は、気にする必要のない色々なことにまで気を遣い過ぎていたと思います。例えば服装ですよね。それまでは他人からどう見られるかを意識してしまっていましたが、向こうの人たちはそんなの全然気にしていなくて。「自分が好きな服を着れば良いんだ」って考え直すきっかけになりました。それに、そっちの方が絶対に幸せだなって思います。

デザインを構造的に捉える。そのアプローチがしっくりきた

ー帰国後にIN FOCUSにジョインしたわけですが、はじめはどんな印象を持っていましたか?

IN FOCUSのことは、「Awwwards」(アワーズ。Webサイト評価の世界的権威として知られるWebサイトコンテスト)に掲載されているのを目にして知りました。自社のWebサイトが尖っていてカッコいいなと思った反面、なんとなく「きっとキャラの濃い人たちがたくさんいるんだろうな。大丈夫かな…」と思ったことも覚えています(笑)。でも、最終的には「面白そう」という気持ちが勝ってアプライを決心しました。

ー実際にジョインしてみて感じたことはありますか?

職人気質な集団だなと思いました。先ほど話したような、“尖ったデザイン”というIN FOCUSらしさを色濃く、かつ持続的に出すために、みんなが黙々と作り続けているというか。

ーフロントエンドエンジニアとしてジョインしたんですか?

いえ、はじめはWebデザイナーとして、デザインとコーディングの両方を半々くらいで担当していました。そこからフロントエンドエンジニアとしての業務がメインとなるよう徐々にシフトしていきました。それには自分の興味の移り変わりや、当時の社内にエンジニアが少なかったことによる需要の高まりなど、色々な要因があったと思います。最近はもっぱらコードばかり書いていますね。

ーフロントエンドエンジニアという仕事の、どんな部分が自分に向いていると思いますか?

僕は、Webデザイナーを経てフロントエンドエンジニアをやっていますが、両者には“デザインに対するアプローチ方法”においてそれぞれ特徴的な違いがあると考えています。前者は「頭の中でイメージしたものをデザインツールを用いていかに表現するか」、後者は「(Webデザイナーが表現したいと考える)デザインを構造的に捉え、実際にどう作ればWebサイトとして機能するかを考える」ということです。自分が向いているかは分かりませんが、少なくともフロントエンドエンジニアとしてのこのアプローチ方法を“とっつきにくい”とは思いませんでした。
それにこの仕事って、貪欲に学習して新しい技術を体得すれば、その分だけやれることが増えていくのも楽しさなんです。それはつまり、ずっと勉強し続けなければいけないということですけどね(笑)。最近は3D演出に興味があるので、空いた時間でThree.jsやWebGLを学んでいます。

良いものは良い。そう思える感性を大切に

ーパーソナルな部分も掘り下げて聞かせてください。漫画、アニメ、音楽のジャケットを模写することが好きだったと話されていましたが、具体的に作品やアーティストを教えてもらえますか?

漫画やアニメだと、大友克洋の『AKIRA』や『MEMORIES』、諫山創の『進撃の巨人』など。音楽だと、リンプ・ビズキット、リンキン・パーク、グリーン・デイ、ストーリー・オブ・ザ・イヤー、レディオヘッド、ビョーク、そして何よりセイオシンというバンドが好きでした。

ーそれらが現在の自分のクリエイティブにも影響を与えていると思いますか?

特定の作品やアーティストから影響を受けたとは言い切れませんが、子供の頃から色々触れてきたことで養った、ジャンルを問わず良いものは良いと「思える」、または「思いたい」という感性は、いまの仕事にもきっとプラスになっています。付け加えるなら、僕は作家にあまり興味がないんです。興味があるのは作品だけ。作品が良ければそれで良いと思っています。

ーすごく純粋でフラットな感性ですね。

Webデザインで言うなら、綺麗なタイポも、ド派手な演出も、可愛いデザインも、それらが良くできているのであれば僕にとってはすべてが「カッコいい」と感じられるんです。そうした感性を大切にして仕事に向き合うようにしています。

Profile - Ryu Takahashi
1988年、千葉県生まれ。2019年5月からIN FOCUSに所属。Webデザイナーを経て、現在はフロントエンドエンジニアとして活動している。趣味はNBA、格闘技、サウナ、ビール、ゲーム、BBCのドキュメンタリーなど多岐に渡る。

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