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展覧会、美術館、書籍、画家のお墓参りまでいろいろ書きます。最近は読書記録。俵屋宗達にお…

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展覧会、美術館、書籍、画家のお墓参りまでいろいろ書きます。最近は読書記録。俵屋宗達にお熱。 ※個人的な覚書きのため情報には誤字や誤りがある場合があり、後に修正することがあります。

最近の記事

読書記録⑨画僧古磵

本日の本は2017年に奈良の大和文華館で開催された特別展図録『没後300年画僧古磵』 明誉古磵は浄土宗の画僧で奈良や京都を中心に活躍した。 私がこの画僧の作品にであったのは、角倉素庵が隠遁した嵯峨の中院山荘に行く途中であった。 天龍寺やお土産が並ぶ商店街を北へ抜けていくと嵯峨野の顔である清凉寺の山門が現れる。 嵯峨は古来から歌枕として親しまれ、光源氏のモデルとなった源融の別荘があったとされるなど旧跡が数多く残っている。 清凉寺の本堂にはインド由来の木造釈迦如来立像が

    • 読書記録⑧平家納経 全三十三巻の美と謎

      謎多き俵屋宗達の基準作のひとつである平家納経。資料的根拠はないが、その斬新な意匠と発想、金銀泥の扱いの巧みさから願文(櫛筆文書)、嘱類品、化城喩品は宗達の手によって表紙・見返しの補筆がされたと考えられている。 今回この本を選んだのは、平家納経についてこれまで展覧会や図録を当たって調べてきたが、図像に関する情報中心に集めてきており、平家納経が作られるまでの背景については深く触れて来なかったからである。 平家納経は平家一門の結縁を願って平清盛が厳島神社に納めたといわれる法華経

      • 空から謡の降るまち金沢

        金沢に行ってきました。 地震により様子を伺っていましたが、加賀はほぼ通常通りということを知り合いに聞き決行。 年明けに観に行く予定だった五十嵐派の蒔絵の展示期間に間に合い一安心です。 五十嵐派蒔絵のある石川県立美術館や国立工芸館も巡りましたが、きょうは金沢と宗達の繋がりを中心に書いていきたいと思います。 京都でサンダーバードに乗り換え、景色を楽しみつつ読書。 東博で光悦展があるのと、光悦は加賀と深い縁を持つことから今回の旅のお供は『本阿弥行状記』です。 光悦の父の光

        • 読書記録⑦ 東山魁夷著 風景との対話

          『風景との対話』東山魁夷著 普段あまり読むことのない作者自身の著書です。近代の作家だと日記やインタビューが残っていることはそんなに珍しいことではないかと思います。 しかし普段は宗達なんかを追っているからか、そんな風に時代を行き来していると作者自身が作品について語ることに不思議な感覚を覚えます。 東山魁夷との出会いはいつだったか。よく知らない画家をなぜ観に行ったのか、理由も時期も定かでないのですが、おそらく神戸市立博物館で唐招提寺の障壁画の展示があったときだったと思います

        読書記録⑨画僧古磵

          読書記録⑥ やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー

          あけましておめでとうございます。 年内に更新するとか言いつつ、できませんでした。今年もこんな感じでいきたいと思いますのでやれやれと思ってやってください。 年始からぼちぼちと昨年の図録の消化をしております。2023年11月にやまと絵展を観に行ったのですが、2泊3日をリュック一つで行ったので荷物のことを考えて通販しました。東京に行くときは図録の通販をしている美術館が多いので、買う図録を吟味してこの方法を次からも使いたいです。 買わないと思っても展示が良かったら買ってしまうんで

          読書記録⑥ やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー

          読書記録⑤徳川義直と文化サロン

          お久しぶりの更新となりました。 月1では、と思っているのですがなかなかそうもいきません。 今回は徳川美術館の平成12年の展覧会図録『徳川義直と文化サロン』です。 表題を指で隠すという痛恨のミスをしている……書斎が寒くてリビングで読んでいるのですが、蛍光灯が写り込むので持ったらこんなことに…… 徳川義直は徳川家康の第九子、お亀の方との子で尾張徳川家の初代当主として幕政に関わった人物です。「類聚日本紀」編纂の企画をしたり、和歌の揮毫や書画を残していたりします。 とても欲し

          読書記録⑤徳川義直と文化サロン

          読書記録④ 新日本古典文学大系

          気になっている古典を漁りに図書館へ来ました。 まずは琵琶湖周辺の伝説、「俵藤太(たわらのとうだ)物語」から。 新日本古典文学大系の『室町物語集 下』に入っていました。 話はざっくり、藤原秀郷(俵藤太)のむかで退治と、龍の化身である美女にむかで退治のお礼に褒美を貰う前半と、平将門討伐の後半に分かれます。 平将門討伐や三井寺縁起なんか様々なお話が混さってできあがったお話のようです。話がわかったので今度は絵巻の図版探してみます。 お次は『閑居友(かんきょのとも)』 『閑

          読書記録④ 新日本古典文学大系

          読書記録③ 近江と能ー霊場・名所・物語ー

          こんなに頻繁に更新を続けられているのは一冊一冊が短いリーフレットや図版の多い図録を読んでいるからで、分厚い本は並行してぼちぼち読んでいます。 今回は彦根城博物館で買った『近江と能ー霊場・名所・物語ー』です。琵琶湖をぐるり回って気付いたのですが、旧跡が本当に多い。よって能や絵画の主題になることも多い。 と言いつつ、琵琶湖旅行では有名な主題である竹生島(眺めた)や白髭神社(通り過ぎた)、園城寺(宝物館が休館だった)も寄れてないんですけどね……! あ、「兼平」はクリアです(木

          読書記録③ 近江と能ー霊場・名所・物語ー

          読書記録②建礼門院と安徳天皇

          こんにちは。 遠征で入手した本を消化中です。 読む度に気になる本が増えてきてですね、そろそろちゃんと選別して古本屋に行かないと新しい本棚を買ってしまいそうです。 本日はこれ。 赤間神宮で買いました。 シンポジウムの書き起こしで、仏教文学畑の人のようです。 『平家物語』って様々な本があって、それぞれの本に親子が関係だったり兄弟関係だったりの説があります。 ご存知の通り『平家物語』は盲目の琵琶法師の語りによって残ったというのは有名な話ですが、琵琶法師の台本となったとされ

          読書記録②建礼門院と安徳天皇

          読書記録① 二尊院の二十五菩薩来迎図

          積読消化への戒めを兼ねて読書記録をつけていこうと思います。あと、そのときの新鮮な感想ってあとから自分を助けてくれることも多いので残していこうかなと。 読んでくださっている方々はご存知の通り、いつもの如く書き殴りですので誤字脱字、間違い、おかしな文章(最悪)はどうぞご容赦ください。 小倉山二尊院による『二尊院の二十五菩薩来迎図』を読みました。二尊院は角倉の菩提寺ということで、二尊院について知りたい安易な気持ちで買いました。 角倉の名前は一回しか出てきませんでしたが、控えめ

          読書記録① 二尊院の二十五菩薩来迎図

          びわこ一周旅行* お土産編

          車移動だったので最終日にお土産を買おうと思ったのですが、帰省ラッシュに巻き込まれ、京都から高速に乗ったのであまりお土産を買うことができませんでした…無念…… 特に暑い車内にあんまり放置しておけないのでお土産は計画的に…… そんななかでもお気に入りのものから! 滋賀のあちらこちらで見かける「とび太くん」は交通安全のマスコットで、琵琶湖・淀川水系のヨシを使った文具です!サービスエリアやミュージアムショップのあちらこちらで見かけました。かわいい! お次は福井のお土産。 そ

          びわこ一周旅行* お土産編

          びわこ一周旅行⑥

          おはようございます。 きのうはルート的にいい温泉が見つからなかったので朝風呂に来ました。 きょうは滋賀県から一瞬出て、洛北にある寂光院へ行きたいと思います。 観光地でもあり、バスも一応通っているみたいなのですが、鷹峯よりもずっとずっとはずれの場所にあるため、車のある今回の旅程に組み込みました。 古来より炭の生産地であり、炭を都まで売り歩くその姿は「職人尽歌合」にも登場します。炭や薪を都まで売り歩く大原の女性たちは大原女(おおはらめ、小原女とも)と呼ばれ、近代日本画の土田

          びわこ一周旅行⑥

          びわこ一周旅行⑤

          昨日のうちに長浜市に来ました。湖南からスタートしてとうとう湖北まできました。 きょうは長浜城博物館からスタートし、黒壁スクエアを回ります。絵をたくさん観るのでわくわくです!早起きして与一が代官をしていた地域まで行きました。 与一の管轄地域は坂田郡ということなのですが、当時の正確な地図が分からなかったので、石田三成関連の史跡があるあたりを早朝ドライブです。 まずは大原氏館へ! 佐々木秀義(佐々木のじいさん)の四人の孫が近江を4つ(京極、高島、大原、六角)にわけたときに大

          びわこ一周旅行⑤

          びわこ一周旅行④

          昨晩は運転を切り上げ、賤ヶ岳で早めの就寝でした。と言いつつ、最大限人に会わないようにしてるので朝4時に起きて行動してるので旅行中はこんな感じです。ミュージアムが開く前に構えているか、入場時間が関係ない寺社や遺跡は早朝に行くことが多いですね。京都ではよくお勤めに行きます。 さて、今日は角倉デーです! 近江商人がなぜ角倉かというと、わたしの調べている角倉素庵は近江の佐々木源氏が近江商人が活躍していた場所を治めていたからです……!たぶん!そして与一のご先祖が治めていた辺りにも行

          びわこ一周旅行④

          びわこ一周旅行③

          台風来てますね。 みなさんご無事でしょうか。 本日の旅程ですが、台風が来るなら逃げてやろうということで、本来なら彦根や長浜をまわったあとに行く予定だった越前まで行ってきました。 昨晩、雨の強くならないうちに福井までドライブしまして、予想通りなんとか天気がもってくれました。 本日のメインは一乗谷朝倉氏遺跡博物館です! まずは常設展から。朝倉氏と遺跡を通して中世の生活を勉強していきます。きょうはここで一日過ごす予定なのでじっくり見ていくぞ〜! 昨年10月にオープンしたば

          びわこ一周旅行③

          びわこ一周旅行②

          おはようございます。 琵琶湖の朝焼けを見るために早起きしたら、お店がどこも開いてなくて昨日マックで買った牛乳を比叡山眺めながら飲んでいます。 湖畔を歩くと涼しくて気持ちがいいんですが、雨もぽつぽつ降ってきてさあどうしようといった感じ。今日くらいは持つかな。 琵琶湖眺めながら朝食……とかしたかったんですが早くから空いてるお店がチェーン店しかないのでコメダに行ってきます。チェーン店制覇しそうな勢いなので、そろそろ地元の美味しいものとか食べたいですね。近江牛…… 本日は月曜

          びわこ一周旅行②