読書記録⑧平家納経 全三十三巻の美と謎
謎多き俵屋宗達の基準作のひとつである平家納経。資料的根拠はないが、その斬新な意匠と発想、金銀泥の扱いの巧みさから願文(櫛筆文書)、嘱類品、化城喩品は宗達の手によって表紙・見返しの補筆がされたと考えられている。
今回この本を選んだのは、平家納経についてこれまで展覧会や図録を当たって調べてきたが、図像に関する情報中心に集めてきており、平家納経が作られるまでの背景については深く触れて来なかったからである。
平家納経は平家一門の結縁を願って平清盛が厳島神社に納めたといわれる法華経