歴史修正主義の30年⑥河野談話修正への執念
こうして日本社会において歴史修正主義が強まる中で、従軍慰安婦に関する記述が中学校の歴史教科書から一斉に姿を消した2006年の9月26日、第1次安倍内閣が発足したが、その10日後の10月6日、安倍首相は衆院予算委で慰安婦問題について、「狭義の強制性については事実を裏づけるものは出てきていなかったのではないか」と発言し、早くも強制連行否定論を披歴している。この否認論は翌07年3月5日には、「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行く狭義の強制性はなかった」という安倍首相の国