雲の上のふじこさん 【短編小説】
僕はモノ書きになりたいと思っている。
それなりの気概を持っているつもりだが、時々はもう一人の冷めた自分が出てきて大志を抱いているその青年のことを「身の程知らずの夢見る夢子ちゃん」呼ばわりする。
大学の専門課程を徹底的に修めて飯はこちらで食っていこう、僕の専門分野は世界的に専門家が不足している技術分野だからこっちを選んだ方が食べていける確率は高い。モノ書きの夢は一生をかけて少しずつ実現させよう、とそろそろ「院」への進学準備のこともあって、そんな夢のない夢の持ち方も芽生え始めてい