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上下関係のせいで、誰かを苦しめるかもしれない。

僕は、4人家族2人兄弟の末っ子として生まれました。

2人兄弟だと、それほど末っ子感たっぷりで育てられることはないのですが、年下感たっぷりで育てられることはあります。

例えば、家族がワーワーもめているときに、それを終息させようとして、僕が何か意見を出したりすると、だいたい批判を食らいます。

「お前が言っていることは、ちゃんちゃらおかしい」
「お前ごときに何が分かる?」
「お前はバカか?」

こういうときは年下感たっぷりに対処されます。こんな扱いを受けるぐらいなら、もっと甘やかしてほしいところです(笑)。

聞いてもらえないことに慣れている僕は、面倒なことになったら逃げることがクセになりました。

何かもめていそうなら、とにかくその場から離れる。

どうせ意見を聞いてもらえないなら、最初から参加せずに違うことに時間を使った方が良いです。

しかし、その行動を繰り返していると、今度はこう言われます。

「お前は、逃げてばっかりで情けないな」

もう、逃げ場所も失いました(笑)。

たとえ、自分とは関係ないことであれ、意見を言わずに自分だけ逃げるのは卑怯なことなんだと覚えた僕は、家から一歩でも外を出ると、逃げないようになりました。

それでも、家族内の僕の立場は「末っ子」から変わりません。

僕以外の家族が言うことは、どんだけ理屈が通ってなくても、どんなわがままなことでも、聞いてもらえます。

しかし、僕が言うことは、どんだけ理屈が通っていても、どれだけ相手を思っていても、全く聞いてもらえません。

家族内の明確な上下関係が揺るがないため、結局僕にとって一番良いのは、卑怯者になることしか見つかりませんでした。

常に人間は、「誰が言うか」という概念に囚われています。

なので僕が、家族を説得させたい時は、自分の考えよりも事実を並べまくって、あとは相手に考えを委ねることしかできません。

最近で言えば、全国的に広がっているウイルスの対策について。

僕の両親は、「僕が心配だ」という名目でいろんな言葉をかけてくれますが、僕は全くと言っていいほど外に出ていないし、手洗いうがいもしつこいです。

しかし、僕の両親は毎日外に出ているのにも関わらず、マスクをつけていなかったり、手洗いうがいもまともにしません。

年齢的にも危険なので、僕はニュース番組で知った情報をバァーッと並べて、その行動の危険性を伝えます。

しかし、やっぱり上下関係というのは揺るぎません。

「俺たちは年だから、別にいい!」

そんな言葉しか返ってきません。こういうときは、親分肌を見せてきます(笑)。

「子どものために考えている」と言えば聞こえはいいですが、子どもからすれば、親がウイルスにかかってしまうと心細いです。

うちの親だって、そんなことぐらい考えればわかるでしょう。

ただ、僕ごときの幼い人間に言い負かされたくないという気持ちが、先行してしまうのです。

そうなると、「誰が言うか」という問題は、超大事なことなんです。

僕としてできることは、正確な情報を頭の中に叩き込むぐらいで、あとは実際に誰かに言われて、態度を変えることを待つしかありません。

上下関係というのは、すごく自分にとっては都合よく、快適なものかもしれません。

しかし、それによって自分や周りの人を苦しめる可能性も大いにあります。

改めて、誰かから言われた言葉は、上下関係を取っ払って考えなくちゃいけません。

自分のために思いを込めた言葉の意義を、しっかりと受け取るために。

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