自分がされて嫌なことは、自分にもしないようにしましょう。
「自分がされて嫌なことは、他人にしないようにしましょう」
幼少期から、こんな教訓を聞いて育った人は多いでしょう。すごく正しいことですし、これは人間関係の基本だと思います。
実際に、その教えを守って、自分がされて嫌なことを他人にしないようにしている人は、たくさんいます。
それを守っているだけで、人間として十分に立派ですが、僕は、この教えには、足さなきゃいけない言葉があると思います。
それは、「自分がされて嫌なことは、自分にもしないようにしましょう」という一文です。
例えば、飲食店で過ごすとき、案内されたテーブルがちゃんと拭かれてなかったり、トイレが汚れていたり、店員が面倒くさがった表情で接客していたらどうでしょうか。
おそらく僕は、その店には二度と行きません。
そのどれもが、僕にとっては、他人にされて嫌なことなのです。
しかし、僕自身は、自宅のテーブルを毎日ちゃんと拭いているのか、トイレ掃除を定期的にしているのか、仕事を面倒くさがらずにやっているのかと問われれば、できている自信は全くありません。
誰かを家に招くときだけちゃんとやって、そうでないときは何もしてません。仕事中も、他人がいるときには黙ってやりますが、自分一人の時は「うあぁー!めんどくせー!」と叫ぶときもよくあります(笑)。
汚れが溜まった自宅内を毎日見ていますし、「面倒くさい」と言わない日は一日もありません。
なるべく意識しないようにしていますが、それでも汚れた自宅を見るたびに気分が上がることはありませんし、「面倒くさい」と言うたびに心が穏やかになることはありません。
知らず知らずのうちに、自分の気分や状態を自分で下げ続けていたのです。
他人にされる分には、その人と一生関わらないようにしたり、傷ついたことを伝えたり、怒ったりすれば、すぐに解決できます。
しかし、自分となると、そこに「関係をなくす」とか「他人に直してもらう」などの解決法は通用せず、自分で自分を変えていくしかありません。
つまり、自分がされて嫌なことを自分にしないようにすることでしか、良くなる道はありません。
人との関係性を大事にしたい人ほど、自分より他人を優先してしまいます。
他人の約束は守るのに、自分との約束は守らない。
他人のミスは責めないのに、自分のミスは立ち直れなくなるほど責める。
他人には「忙しい」と言って断らないのに、自分は「忙しい」と理由をつけてやりたいことをやらなくなる。
全ては、他人にそうされたら嫌な気持ちがするから、自分は他人にしないようにしているのですが、これじゃあ、自分の状態は「我慢の連続」です。
少しも爽やかな気持ちにならず、嫌なことに襲われ続ける毎日になります。
だからこそ、自分がされて嫌なことは、他人にしないようにしましょう。そして、自分にもしないようにしましょう。
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