「なんで結婚しないの？」って、なんで聞くの？

「なんで同棲しないの？」

「なんで結婚しないの？」

「彼女います」「彼氏います」と話す人に対して、この手の質問が飛ぶことは、よくあります。

そのたびに、同棲しない理由や結婚しない理由を丁寧に説明していたり、その場で理由を考えて黙り込む人を見ると、ちょっと気の毒に思います。

おそらく、そういったことを考えていないわけではないけど、現時点ではするべきではないと思っているから、同棲も結婚もしていないはずです。

自分と恋人との関係性がよく分からない人に、それを説明したところで、絶対に上手く伝わらないし、「同棲」や「結婚」をアドバイスされるのも面倒くさい。

だからこそ、「なぜ？」なんて聞かれても、困ることしかできないでしょう。

むしろ、僕は質問した人にこう聞きたい。

じゃあ逆に、なぜあなたは、同棲や結婚をするのが当たり前だと思うんですか？

その人に「なんでしないの？」と言えるということは、その質問をする人が同じ立場なら、同棲や結婚をしているということになるでしょう。

この逆質問をされても、きっとうまく答えられない人が多いと思うので、わざわざこんなことは言いませんが、純粋に僕は、そう言える人が不思議に思うので、聞いてみたいのです。

決して、相手を論破したいわけじゃないし、新時代の考え方を提唱したいわけでもないのですが、僕はこの手の質問を聞くと、ちょっとモヤモヤします。

なぜ僕は、この質問にモヤモヤするのだろうか。

例えば、どちらかの実家にカップルで住んでいるとかなら、家族関係を結んでいない方が不思議なので、「なんで結婚しないの？」と聞きたくなる気持ちは分かりますが、「付き合っている」という事実しかないなら、そんな質問をするのは自然ではないと思います。

「どんな人？」「普段、何しているの？」「どんなところが好き？」「どっちから告白した？」など、別に聞くことは、いくらでもある気がします。

それでも、同棲や結婚の話題が先に出てしまうのは、きっと質問する人が、その人に興味がないからでしょう。

内容なんかどうでもよくて、結果だけが分かればいいのです。

ドラマで言えば、キャラクターとか良い台詞とかどうでもよくて、ダイジェストで分かればいい。

勉強で言えば、なぜその学校に行きたいとか、どの問題に苦戦したとかはどうでもよくて、合格か不合格かが分かればいい。

仕事で言えば、そのための努力とか苦しみとかどうでもよくて、実績だけが分かればいい。

恋愛で言えば、出会い方や好きな人のことなんかどうでもよくて、同棲や結婚に進んだかどうかが分かればいい。

おそらく、「なんで結婚しないの？」という質問には、そういった冷たさを感じてしまうのかもしれません。

なんか、人生をつまみ食いされているみたいで、ちょっとした嫌悪感があります。

それぞれのカップルに、それぞれのストーリーがあって、それぞれのエンディングに向かっている。

そのストーリーを途中から見るのですから、人生の話を聞くときは、はじめから丁寧に聞きたいものです。