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人を奴隷化させる”ステータス恋愛”

男性でも女性でも、大好きな恋人の前では、奴隷になってしまう人がたくさんいます。

本人たちは、それに気がついているのか、気がついていないふりをしているのか、「別れ」の2文字より先に「我慢」の2文字を脳内に浮かべ、相手に合わせ続けます。

言いたい本音を隠したり、相手にお金かけたり、相手のわがままを全部受け入れたりして、いつの間にか奴隷化していることがあります。

僕の小学校からの同級生に千葉くんという男がいるのですが、彼がそういう恋愛をしていると知ったとき、「もう、別れた方がいいんじゃない?」と僕は何度も言いました。

しかし、何年たっても千葉くんは別れませんでした。

相手のわがままに合わせることに慣れてしまい、それが当たり前のように感じるようになってしまいました。

とはいっても、我慢には限界が来ます。

わがままを聞くのも嫌になってくるし、お金も減ってくるし、自分の本音は次第に一つも言えなくなってきます。

しかし、気がついたときには完璧な奴隷になっているので、王様に向かって「別れたい!」と申し上げることは、心苦しいのです。

どんな仕打ちをされるのか、どんな暴言を吐かれるのか、想像しただけで恐ろしくなります。

そもそも千葉くんが奴隷になった理由は、「恋人がいる」というステータスへの憧れからきているのです。

恋人がいるという現実が大事な千葉くんは、恋人の前と僕らの前では大きく態度を変えました。

恋人と付き合ったら、友達と連絡は取らなくなって、誘っても来なくなって、お金を使うのもためらうようになりました。

しかし、恋人に時間とお金を惜しみなくつぎ込み、自らの精神をすり減らしつつも付き合っていました。

確かに、「目に見えるステータス」に憧れがあることは理解できます。

可愛い恋人がいる、安定した職に就く、デカい家に住むなんて、誰もが憧れることでしょう。

ただ、目に見えるステータスを維持するためには、目に見えない要素が必要です。それに対して適切な手段で対応できていないと、ステータスの奴隷になってしまうのです。

可愛い恋人を繋ぎとめるためにわがままを我慢して聞く、安定した職に就いていたいから自分がすごく辛いことでもやり続ける、デカい家に住みたいから金がないけどローンを組んだ・・・。

これは、全て刹那的な感情に即した手段です。

恋愛・仕事・生活と対等な関係になれず、自分を奴隷にすることで安心感を得ようとしているだけだったりします。

今回の千葉くんは、恋愛で奴隷化してしまったのですが、僕だって自信がなくて怖いときはステータスに頼りたくなります。

ただ、ステータスというのは、見た目以上に人を屈服させるものです。

自分と対等になれないステータスと、付き合う必要はないです。また、ステータスで人間の価値を決めることも、絶対に違います。

それに、恋愛の醍醐味は、ステータスに縛られることではありません。

ときめいて、癒されて、愛し合って、尊重して、ぶつかって、乗り越えて、想い合って、笑い合うことの連続こそが、楽しいはずです。

それらは全て、対等な関係で得られる幸福ではないでしょうか。


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