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安心感の鎖で繋がれた恋人たち。

人と仲良くなる時は、その人に興味が湧いてきて、その人と同じ時間を過ごすことが、だんだんと楽しみになってしまいます。

会った時に楽しかったからこそ、次の予定を立てたくなって、何度でも会いたくなります。それが良好な人間関係だと思います。

しかし、そうではない人間関係もあります。

それが、安心感で繋がっている人間関係です。

「この人といれば、自分の価値は高まる」
「この人といれば、自分が愛されていると思える」
「この人といれば、自分が必要とされていると感じられる」

そういう人間関係は、安心感を求めるあまり、不安なことが起こると、感情が書き乱されてしまいます。

自分はこうして安心感を与えているのに、なぜあなたは安心させてくれないのかと、責めたくなることもあります。

これは、恋人関係によくありがちだと思います。

最初は好きで好きでたまらない関係性が、いつの間にか安心感だけで繋がっているだけになってしまう。ドキドキさせることもなく、一緒にいることだけに満足してしまう。

僕はこれを、あまり良くない関係だと思っています。

一見、幸せそうに見えますが、支配したい気持ちだけで人生が埋め尽くされているだけだと思っています。

安心したい気持ちが強いあまり、いつでも会いたくなって、相手が友達と過ごす時間を奪ったり、相手がスキルアップのために使う時間を奪ったりするでしょう。しかも、それに対して悪気なく、当たり前のように奪ってしまいます。

そして、最も最悪なのが、恋人のために使う時間も奪ってしまうことです。

一緒にいない時間だって、恋人のために使う時間があります。

一人でいる時間に、オシャレに気を使ったり、髪型に気を使ったり、恋人が喜びそうな店をリサーチしたりといった時間もあります。

他にも、読書したり、友達と過ごしたりして、音楽を聴いたりして、面白いことを共有する喜びだってあります。

それすら奪ってしまうと、恋人関係というより、鎖でつながった安心感フレンドと化してしまいます。

ただ、安心感を大事にしたい気持ちも、分からなくはないです。

仕事をしていると、毎日のように辛いこともあります。

自分の仕事が評価されない、ミスをした、理不尽な扱いを受けたなんてことも、よくあることです。

そうなると、自分を肯定してくれる絶対的な存在が欲しいですし、そこに甘えたくなってしまいます。

とは言っても、自分が間違えていることだってありますし、「恋人=全肯定してくれる存在」という考え方も危険です。

自分の誤りを見つけることも大事な仕事ですし、醍醐味でもあります。

自分の誤りを直さないでいると、仕事に支障が出たり、愚痴を言うことが習慣化していったり、仕事の悔しさを仕事で返り討ちすることもしなくなってしまいます。

恋人は、自分のストレスを発散する場所ではなく、純粋に“好きな人”です。

それだったら、自分が全肯定されなくても、自分の愚痴をきいてくれなくても、自分と四六時中一緒にいなくても、大好きに決まっています。

安心感という鎖が溶け出した瞬間から、恋愛は再始動します。

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