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稲本稲三
2020年8月12日 17:17
寒さで手がかじかんでくる。クーポン付きのチラシを持つ握力すらも、そろそろ力尽きてきてしまいそうだ。冷たい風が半袖の隙間から入ってくるたびに、全身に鳥肌が立つ。「クーポン付きチラシをお配りしております。よろしくお願いします!」何度頭を下げても、分厚いコートを着たサラリーマンは、私の前を通り過ぎていくだけ。子供連れのお母さんは、私を視界にすら入れてくれない。チラシ配り開始から1時間。手持ちの8