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三題噺

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アプリでランダムにでてきた三つの単語から、短編物語をかいています。
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#小説

【三題噺 お題】 城 養殖 閉ざされた

【三題噺 お題】 城 養殖 閉ざされた

 冒険者たちは魔女が住んでいるという城に、ようやくたどり着くことができた。深い霧と闇に閉ざされたその城の地下深くで冒険者たちが目にしたものは、ゾンビの養殖場だった。わけのわからない、腐ったような汚い色をした卵のようなものから、ゾンビが次々と起き上がって生まれてくるのだった。世界中を渡り歩き、色々なものを見聞きし戦ってきた、つわ者の冒険者たちであったが、ゾンビの養殖などとは初めて目にするものだった。

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【三題噺 お題】 緑茶 自宅 リサイクル【タイトル 茶柱】

【三題噺 お題】 緑茶 自宅 リサイクル【タイトル 茶柱】

両親もこの家も随分と歳をとった。古くなった自宅を今後どうしてゆくか、家族で話し合っていた。
皆で思いつくことを書き出していった。
無理して立て直す。経費を抑えてリフォームする。 思い切って売りに出す。色々な意見が出てくる。
「売りに出しだってこんな田舎町の家なんて売れないわよ?」
「だろうなあ」
「田舎町を売り文句に、シェアハウスとかは?」と、妹が家のリサイクルをすればいいんじゃないのかと

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【三題噺 お題】雷雨 目 しっぽをふる 【作戦】

【三題噺 お題】雷雨 目 しっぽをふる 【作戦】

塾の帰り道の雷雨の中、目にいっぱいの涙をためている迷い犬がいた。首輪がついていたので、飼い犬だとわかる。
なんだか、汚なそうで僕は犬の前をさっと素通りした。
後ろに何か動物的なものの気配を感じる……。
何かが僕の後ろをついてくる。ずっとついてくる……。
さっきの犬だ……。
きっとママに怒られる……。
まだ、ついてくる……。
あの角を曲がると、もうすぐ家だ。
さっと振り返ると、まだついてくる……。

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