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「自社のオーディエンスはどこにいて、どんな人なんだろう?」という視点。

昔からオーディエンスという立場や概念に興味があります。
観客や視聴者という意味ですが、音楽や演劇、スポーツ、芸術作品などにとってはその場を成立させるためにも大切な存在ですし、プレイヤーのパフォーマンスを向上させる可能性すらある。何より、良きオーディエンスがいるジャンルは豊かだし、成長する。

何を言いたいかというと、「オーディエンス」という概念は企業活動にも有効なのでは…ということです。消費者やユーザーという人々とひとつ階層がちがう人たちのイメージです。 類似する言葉に「ファン」がありますが、やや一方通行で全肯定なイメージがぼくにはあります。個人的な感覚ですが。

オーディエンスはもう少し第三者的な立ち位置というか、「受け取り・評価する」という機能があるように思えます。 優良な何かに触れたときの拡散能力や熱量の伝達では同じかもしれませんが、「ファン」と「オーディエンス」には中間地点と着地点に違いがあるかもしれないと思っています。


「ファン」と「オーディエンス」の差異

  • ファン:熱量の維持と増幅に貢献

  • オーディエンス:評価や文脈形成に貢献

こんな違いでしょうか。勝手なイメージですが。
これを前提にした際に、多くの企業が想定できるのは「オーディエンス」ではなかろうか…と思い始めています。一般的な活動をする企業にとって、ファンはやや難易度が高いと思います。


「ファン化」といえばヤッホーブルーイング

ファンとの関係構築を積み重ねて、熱量を維持するが上手だなあ…と思っている企業は例えばヤッホーブルーイングさんです。いつも全力なのが素晴らしいと思います。「ユーザーのファン化/ファンマーケティング」の文脈で物事を考えるとき、ぼくはいつもヤッホーブルーイングさんを思い出します。

クラフトビールファンから「よなよなエール」などが支持され、18年連続増収を続けるヤッホーブルーイング。マスプロモーションではなく、長年続けているファン向けのイベント、時代の流れ、消費者ニーズに応じた独自の施策によって認知度を広げ、新規顧客を獲得、そしてファン育成を続けてきた。
コロナ禍においてもSNSを活用したオンラインイベントなどのファンコミュニケーションを継続。環境の変化に応じて綿密にニーズを汲み取り、ひたむきにファン作りに取り組んでいる。

熱狂的なファンを生むヤッホーブルーイング流「愛されるブランドの作り方」「ブランディング」「商品開発」


「自社のオーディエンスはどこにいて、どんな人なんだろう?」という視点

企業活動として素晴らしいし参考になるのですが、どの企業でも適応できる訳ではありません。その場合は思考停止になってしまうのがぼくにとってネックでした。

ユーザーのファン化まではいかないけれど、「自社のオーディエンスはどこにいて、どんな人なんだろう?」と考えることは有効かもしれません。 ファンほど熱狂的に全肯定してくれる訳ではないけれど、自社のことを知っててくれるし、たまには触れてくれる人たち。是々非々で評価してくれる人々。

そんな考え方は企業にとって有効なのではないかと思い始めています。なぜなら、自社の製品やサービスについて、「オーディエンスからどう意味づけされてるのか?」「オーディエンスにどんな価値を提供できるのか?」と考え続けることは企業にとって重要テーマだからです。
自分たちが勝手に思い描く理想像やストーリーではなく、オーディエンス側にある評価・ナラティブ・文脈を知ることは企業側にとって必要不可欠です。何より、良きオーディエンスがいるジャンルは豊かだし、成長する。企業は単体では成長しえない。

オーディエンスの視点をもつと、「ファンなんて自社とは関係ない」という思考停止から逃れることができると思っています。それがこの視点獲得での一番の効能です。思考停止が一番よくない。


例えばぼくは

自分はこの会社のオーディエンスかもな…と思った企業はこちらです。

  • 無印良品

  • ユニクロ

  • ジブリ

何でも諸手を挙げて絶賛するわけではないけれど、新作が出たら気になるし、一度は試してみるという感じです。ジブリが特に分かりやすいかもしれません。新作映画ができたら映画館に足を運ぶけれど、何でも絶賛するわけではない。でも、また足を運ぶ。
「ジブリファンですか?」と聞かれたら、答えはノーですが、ジブリのオーディエンスではあるよなあ…と思っています。

ちなみに、長野を代表するスーパー『TSURUYA ツルヤ』はややファン寄りです。ツルヤはけっこう何でも褒めてしまいます。笑


オーディエンスに関連するnote

「オーディエンス」というテーマは昔から悶々と考え続けています。noteにも書いていますのでよかったらご覧ください。良きオーディエンスになれたら人生が豊かになるはず。と思っています。

「これだけは譲れない」というお題。良きオーディエンスであること。


もう一つ、オーディエンスの関連noteです。悶々と考えているので、同テーマでいくつもあります。ミルボンのブランド戦略統括マネージャー竹淵さんのツイートに感銘を受けています。

企業の情報発信は受け手側(オーディエンス)がいてくれてこそ。


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稲田英資について

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