見出し画像

Webサイトのリニューアル=新規客の獲得?

Webサイトをリニューアルしたいと製造業様からご相談いただく場合、大半の企業様が「新規客の獲得」を目的に掲げられます。悪いことでは全然ないのですが、既存客の深掘り/休眠客&失注客の活性化に何で目が行かないのかな…といつも思います。「売上アップ=新規客」と思い込んでいる感じ。Web=新規客と思い込みやすいのかもしれません。

「受注の8割が既存客だからWebから新規を獲得したい」ともよく相談されます。これも順番が逆だと思っています。受注の8割が既存客なのだとしたら、あなたの会社の現状のメインターゲットは既存客です。既存客にこそ有益なコンテンツを書き、メールで送るべきです。休眠客がいませんか?10年前の購入からご無沙汰な企業はいませんか?

受注の8割が既存客だとしたら、彼らを軽んじる前にやるべきことは沢山あります。提示すべき技術やソリューションは届けきれているでしょうか。既存客の悩みや課題を深く把握できているのでしょうか。それらを放置して新規獲得というのは筋が通りません。

- - - - - - -

やってみればすぐ分かりますが、サイトをリニューアルしたからって新規客なんて最初は来てくれません。当然ですよね。リニューアルにそんな能力はない。そもそも99%にはサイトが認知されてないんだし。知らないものが刷新されたって知らないままです。

Web活用でまず反応してくださるのは既存客や休眠客の皆さんです。ハウスリストがあることで、こちらからコンテンツをデリバリーできるからです。既存客や休眠客の課題解決につながるコンテンツを提供し続けてやっと、「何かあったらサイトを見ようかな&相談してみようかな」と思ってくれます。

- - - - - - -

「どんなコンテンツだったら顧客の役に立つのか?」「どんな方法なら顧客に届くのか?」といった試行錯誤が大切です。その繰り返しであなたの会社に知見とコンテンツがストックされていきます。検索流入が徐々に増え、新規リードもポロポロ生まれ、1年後にはWebからの新規客も生まれるかもしれません。でも、最初を支えてくれるのは既存客や休眠客の皆さんです。すごーく当たり前の話をしていますが、意外と勘違いされがちなんですよね。

Webは新規獲得だけが目的ではありません。むしろ製造系BtoBのWebサイトは苦手としています。立ち上げ期は特に。既存客や休眠客、失注客にもっと目を向け、彼らへの情報提供や課題解決に本気で取り組みましょう。そのためならWebサイトはけっこう役に立ちますから。そのためのリニューアルももちろん役に立ちます。

- - - - - - -

製造系BtoBの企業がWebサイトリニューアルする際に「新規の受注」を目的に掲げるのって、あまり繁盛していないレストランの「お客さんが少ないから店をリニューアルしたい」に等しいんですよね。店舗をきれいにするのは別に悪いことじゃないけれど、それでお客さんが増えるかどうかは別問題です。

レストランだったらそのロジックの奇妙さに多くの人が気付きやすいと思うのだけど(そんなことより味は?立地は?新メニューの開発は?)、製造系BtoBでは「新規獲得のためにWebサイトをリニューアルしたい」というロジックが結構まかり通ってしまう。だから、Webサイトを刷新したのはいいけれどそのまま放置して特にめぼしい成果も出ないという状況が製造系BtoBで起きてしまう。特に地方中小企業にとって代表的な問題だと思います。

「Webサイトのリニューアル=新規獲得」は色々弊害があります。間違いじゃないけれどそれは「グローブを買った=プロ野球選手になれる」みたいなものです。飛躍がありすぎですよね。

  • Webサイトをリニューアルしたからといって新規獲得に直結しない

  • でも、あなたの会社の課題を解決するためにWebサイトは大切な存在

一見矛盾したようなこの2点を丁寧に考えることが製造系BtoBでは大切です。制作会社はよい相談相手になってくれます。勝手に思い込まないで、まずは「良き相談相手」を見つけてください。

  • 良き相談相手を見つけること

  • 真摯に耳を傾けること

地方中小企業のWeb活用にとって、それがとても大切だとぼくは思っています。


関連note

BtoB企業はどういうWebコンテンツを書いたら集客できるか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?