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書けない大人たち&分かりづらい文章

Webサイト制作会社にいると、「テキストを顧客に書いてもらう」というシーンが日常的にあります。そして、「多くの大人たちは意外なほど文章を書けない」という事実に何度も遭遇します。小説家のような美文を書く必要はなく、「事実を・分かりやすく・他者に伝える」という素朴なことができません。

このnoteでは書けない大人の4パターンと、伝わるテキストのポイントをまとめました。よかったら皆さんの課題解決にお役立てください。

書けない大人&分かりづらい文章の4パターン

そもそもムリ
・本当に書けない
底上げタイプ
・書けはするが、不要な言い回しが多く、それらを省くと内容は半減
迷子タイプ
・書けはするが、文頭と文末の整合性がなく、読んでいて迷子になる
主語尊大タイプ
・書けはするが、テーマも主語も壮大すぎてよく分からない

書けない大人たちの「ムリ」を除いた残りの3パターンは改善できます。方法論が間違っているだけなので。

一般的な企業のWeb活用で必要なテキストは美文や論文ではありません。また、Webに訪れるユーザーが本質的に求めているのはテキストではなく、それによる課題解決です。


Webコンテンツの役割

Webコンテンツの役割は「ユーザーの知りたいことに答えること」です。

例えば、「美味しいトマトの見分け方が知りたい」というユーザーには「見分けるコツは◯◯です」と端的に応えることです。
その上で、「なぜそうなのか」「よくある勘違い」「大量にトマトをもらったときの役立ちレシピ」などの関連情報があると、よりユーザーに役立つのでベターです。

しかし、やはり重要なのは、美味しいトマトの見分け方が知りたいというユーザーの「問い」に応えるというコンテンツの役割です。ここが背骨でなければいけません。

その視点で振り返ると、書けない大人たちの改善点が明確になるはずです。

底上げタイプ

「底上げタイプ」は問いに応えるのに冗長すぎます。侍の候文のように1を伝えるのに10の言葉を使っていませんか。知っていることを端的に書けば、充分ユーザーの役に立ちます。「〜でございますが、〜と考えられます」といった候文は、知りたいことを探しているユーザーにとってノイズです。やめましょう。

迷子タイプ

「迷子タイプ」はおそらく一文が長すぎます。名詞をわざわざ説明したり、接続詞を多用していませんか。「トマトといえばAというBですが、このためCがDした場合が~」といった感じです。ユーザーが迷子になり、これもノイズです。
文節を10以内にして、接続詞を禁止してみましょう。とにかく短く!

主語尊大タイプ

「主語尊大タイプ」はたぶんテーマが壮大すぎます。「トマトの原産地は現在のペルーを中心としたアンデス山脈であり〜。○○の観点からこのページでは◯◯をトマトとして定義する。さて〜」といった文章形式です。
ユーザーが知りたいのは「美味しいトマトの見分け方」です。論文ではありません。やめましょう。


テキストを書くときの注意点

基本的には下記のポイントを注意しましょう。

・問いを定める
・端的さは美徳
・結論から書く
・文節は短く
・説明やエビデンスは結論の後
・何度も何度も読み返す

コンテンツの役割はユーザーの「知りたい」に応えることです。その姿勢を徹底して、沢山書けば身につくスキルなので大丈夫です。安心してください。


「書ける」と「伝わる」は違う

書けない大人たちと書きましたが、一部を除いて多くの人は書けるんです。もちろん。

でも、伝わらない。読んでもらえない。だから、正確には「伝わない&読んでもらえない文章を書く大人たち」となります。企業サイトは日記やエッセイではないので、それでは意味がありません。ユーザーの役に立ってこそです。

企業サイトでのコンテンツの役割はユーザーの「知りたい」の応えることです。その目線がないとせっかく書いても役に立ちません。


役に立つテキストのポイント

問いをきちんと捉える
事実を・分かりやすく・他者に伝える

必要なことは上記2点だけです。できないとしたら、これまでの自分の手癖で書いてます。


ユーザーは「知りたいことが知りたい」

これまでの手癖の文章はいりません。もちろん、自分の文体や個性もいりません。
当たり前のことですが、ユーザーはあなたの文章を読みたいわけではありません。ユーザーは「知りたいことが知りたい」のです。書けないとしたら、まず自分の手癖を捨てましょう。それがスタートできれば結構大丈夫です。


「書ける人がいない問題」はほとんどの企業にある

「書ける人がいない」「コンテンツを作る人がいない」「社内で見つけられない」の問題は根深く、地方中小企業のWeb活用において大きな課題だと思っています。Webという箱をそれっぽく作っても、コンテンツという中身についてはほとんどの企業ができていません。

地方BtoB企業のコンテンツ課題
・社内に書ける人がいない
・社内でコンテンツを作る人がいない
・スキルがある人を社内で見つけられない

Webという箱を作ったら一時的に満足できてしまうが故に注目されていませんが、「書ける人がいない」「コンテンツを作る人がいない」「社内で見つけられない」この課題は地方中小企業において、かなり致命的だと思っています。


「書けない/コンテンツを作れない」についての関連note

ぼくは長野県BtoB企業のWebマーケ支援を業務としていますが、上記の課題はいつも直面しています。それ故に、関連するnoteをいくつも書いています。この課題にハッと思い当たる企業様はぜひご覧ください。

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ぼくが所属している株式会社JBNでは「BtoB企業への成果貢献」を目的とした戦略策定・Webサイト制作・Web運用支援・Webマーケティング支援を一気通貫で行なっています。

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稲田英資について

株式会社JBNで戦略策定とWebマーケティング支援を担当しています。
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