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植物に輪廻する世界を体験する「RingNe」を紐解く⑥ /開催地編

2023年10月8日に開催する野外フェスティバル「RingNe Festival(リンネフェスティバル)」についての連載記事、今回6本目は開催地編です!

会場の夕日の滝がある神奈川県南足柄市のおすすめのスポットや、会場周辺の温泉、飲食、アクティビティ情報など、南足柄の魅力をご紹介します!

フェス会場となる夕日の滝

南足柄市ってどんなところ?

南足柄市は神奈川県西部に位置する、神奈川県で最も人口の少ない都市です。小田原や箱根がすぐ近くで、観光地に挟まれた秘境という感じです。

右下が小田原、左下が箱根です

何せ市域の7割が山なので、自然がとにかく豊か。湧き水が至る所から出ていて、水がとても美味しいのです。富士フィルムの本社が以前は市内にあったのですが、綺麗なフィルムを作るためには綺麗な水が必要で、日本中を探した結果ここの水に辿り着いたのだそうです。

こちらは市のPR映像ですが、見ての通りとにかく金太郎推し。
今回の会場である夕日の滝周辺がまさに金太郎の生地として語り継がれていて、夕日の滝は金太郎の産湯に使われたのだそう。

駐車場から会場まで歩いていく際に金太郎の生家跡や、幼少の頃持ち上げて遊んでいたという遊び岩など出てきますので、そちらも併せてお楽しみに。

これを持ち上げていたらしい

南足柄の名産品は、天狗せんべいや足柄茶などあるのですが、地元の人たちに話を聞くと大体「うーん、ないね」となります。ただ。古くから住んでいる人に聞くと「水」との答えもありました。

実際この地の湧き水をしばらく飲んでいるのですが、明らかに美味しく、確かにこの地の名産品は水です。シンプルでいて力強い名産。

そしてその水でできる野菜やお米もとても美味しい。富士山が割と近いので、噴火の際の火山灰がいい感じに土壌をアルカリ性にしてくれていて、美味しい野菜ができるようです。

会場に行くまでの風景

10月には南足柄市のブランド米「はるみ」も新米の時期で、一番美味しいタイミングで食べていただけるかと思います。当日の出店ではこの地で採れた野菜や食事の販売や、オフィシャルドリンクでは湧き水を使ったドリンクも提供する予定です!

出店紹介はこちらから⇧

会場周辺のおすすめスポット

RingNeの会場「夕日の滝」へは主に自家用車か、大雄山駅からの送迎バスでご来場可能です。(それぞれこちらから事前ご予約必須です)歩くと2時間弱かかりますが、歩くの好きな方はこちらでも一応来れます。

大雄山駅周辺は特に何もないですが、少し歩くと当日出店もしてくださる農家cafe Rakuさんがあります。ここでは地元の無農薬野菜を使ったランチが好評で蔵?を改装したモダンヴィンテージな店内にいつも多くのお客さんで賑わっています。

(当日のお昼はぜひ会場内の出店で食べて欲しいので)フェス当日宿泊される方は翌日のお昼にでもぜひ。

小田原から電車で大雄山駅まで来られる場合、大雄山線のホームにある大きな天狗のモニュメントが強いインパクトを与えるのですが、その天狗が祀られている最乗寺も人気のスポットです。

樹齢300年を超える巨大な杉並木は圧巻で、RingNeの物語を読んだあとだとより神々しく目に映るはずです。

南足柄市の開けた場所であれば富士山が綺麗に見えるのですが、その横にぽつんと特徴的なフォルムの矢倉岳という山があります。夕日の滝のすぐ近くで、片道1時間半ほどで登れる初心者にもおすすめの低山です。

こちらの山頂に足柄明神というこの一帯の山の元々の神様が祀られていたという話を地元の方から伺い、RingNe DAOのメンバーで先日参拝登山に行ってきました。

なんともいい感じの山道で、目眩く植生が変わり景色の変化も楽しめるので、あっという間に登頂できます。

山頂からの景色
RingNeへ招待してきました
山頂の祠
最高の昼寝スポット

静岡との県境には明治時代に御祭神を差し替えられた足柄明神を民間により再建し祀られている祠も。白い鹿の姿をしている神様。

南足柄の森の各所に掲げられているメッセージ

もし当日、森に鹿がいらっしゃったら神様が来たんだなとお迎えください。

温泉や宿泊地

一山越えれば温泉天国箱根という立地ですが、南足柄にも森の中の温泉があります。その名も「おんり〜ゆ〜」

ぬる湯の温泉で、ずっと入っていられる気持ちよさです。ちょっとした森林散歩もできますし、宿泊もできます。

宿泊はRingNeの会場内ではすでにチケットが完売してしまったので、キャンセルが出ない限りは別の場所を探していただく形になります。

車がない方には大雄山駅のすぐ隣にある「ホテルとざんコンフォート大雄山」がおすすめです。

車があって大人数で泊まる場所を探している方は足柄ふれあいの村のコテージがおすすめです!

ワイルドな格安キャンプがしたい方は「りんねの森キャンプ場」もご利用いただけます!(先着3組まで)

南足柄のおみやげを買いたい方へ

地物の野菜や、グッズ、名産品の湧き水を汲みたい方へおすすめスポットのご紹介です。(湧き水の飲用はくれぐれも自己責任で)

道の駅 足柄・金太郎のふるさと

地域の野菜や加工品等ひと通りはここで揃います。

車屋農産物直売場

大雄山〜夕日の滝まで行く途中にある道の直売所です。外のテラススペースが矢倉沢地域の寄り合い所にもなっていて、心温まる空間です。

〒250-0136 神奈川県南足柄市矢倉沢足柄街道(住所はここまでしかありません)

厳島弁天池

足柄神社の参道付近に位置する湧き水場。桜と百日紅の木が目印です。個人的にはここが一番美味しい。

南足柄市苅野535

夕日の滝

会場の夕日の滝でも「金太郎の力水」と呼ばれる天然水が飲めちゃいます。バナジウムなどを含む弱アルカリ性の湧き水が浄化され、自然と調和した石造りの水飲み場となっています。

南足柄で急に仕事入っちゃった方へ

会場の夕日の滝は通信会社によっては問題ないのですが、通常電波が微弱なので、快適な通信環境で作業したい方はこちらへ。

古民家が改装されたコワーキングスペースで、Wi-Fiも電源もホワイトボードもあり、周辺もとても静かで快適です。

南足柄で子どもが遊べるスポット

丸太の森

丸太の森という施設の中にあるアスレチック”森の空中あそび「パカブ」”では森に浮かぶ網の上で跳ねたり、空中サッカーをしたり、チューブを滑り降りたり、いろんな遊びが楽しめます。

南足柄からちょっと足を伸ばすと更に色々

前述の通り小田原、箱根、山北町に囲まれた町なのでちょっと足を伸ばせば海あり、温泉あり、美術館も色々ありと、無限に遊べます。その中でも特におすすめな場所をいくつかご紹介。

”アートの森で、響きあう。
私たちの美術館は、
箱根の国立公園にとけこむように立っています。
手つかずの自然と、人が手がけた造形。
ふたつがひとつになり、凛とした時間が流れる。

公式HPより引用

箱根の自然と美術の共生をコンセプトにした美しい美術館。上述の通り、手付かずの自然の遊歩道に様々な作品がキャプションボードもなしに点在していて、作品はもちろんその在りようも美しいです。

お隣町の開成町にある古民家です。大きな屋敷や蔵の中に入って当時の暮らしの風景を覗けるほか、発酵をテーマにしたカフェやショップもあります。ここの醤油麹がとても美味しく、愛用しています。

魚のテーマパークとして、小田原漁港直送の新鮮な魚が食べられたり、お土産品が買えたりします。海に面した場所なので、少し歩けば砂浜にも。RingNeで山を満喫した後にすぐ海を満喫できるのも南足柄の魅力の1つ。



ということで今回は開催地となる南足柄の魅力を紹介させていただきました!

自分で決めたのにおかしな話ですが、はじめはなぜこの地で野外フェスをするのか自分でもわかっていませんでした。

気づいたらこっちに引っ越していて、こっちの水を飲みながら、南足柄市を舞台にした小説「RingNe」を書き上げていて、フェス会場の候補地を探していました。

会場探しの旅は、地元のいろいろな方々に丁寧にご紹介いただいて、多分10箇所以上は候補地を巡る中で、選んだのがここ「夕日の滝」でした。

決めてはバイブス。初めて見た瞬間「ここはいい場所だ」と身体が感じたし、ここで野外フェスを催すことで流れてくる音楽や、光景が簡単にイメージできました。 

南足柄での会場探しは人から人へ、数珠繋ぎのようにいろいろな場所をご案内いただきました。

今回も出演いただく漆の先生の野田さん、地元のイベンターの赤坂さん、元行政の職員小沢さんやRingNe DAOにも入ってくれているあしがら森の会議の斎藤さん、地主の方から市の観光課、市議会員まで、多種多様に、、

それはいろいろな方に南足柄の魅力を教えてもらう旅でもありました。

静かで美しいこの土地に、怪しい余所者や野外フェスなんて、もう少し嫌がったっていいだろうに。

「南(足柄)でやってくれるなんてねぇ」

と向こうも驚きながら、優しく歓迎してくれて

旅の帰路にはいつも畑の野菜やミカンを両手いっぱいにいただくようになってしまいました。 

今でも人繋ぎから、協賛交渉、出店の手配や広報、小説のオーディブルの声優まで、何から何までお力添えをいただいて、南足柄の本当の名産はこの地に住む人々なんじゃないかと思うくらい、いい人ばかりです。

はじめて足柄明神に参拝したあたりから、この地でRingNeを催す文脈がようやく見えてきました。

人が死んだら植物になる、という今回の世界観。
死とはつまり時空がない世界なので、今この瞬間のマルチバースとも定義できる。つまり死後の世界は今この瞬間にも重なり合っていて、今ここにも死後の自分たる植物がマルチバース的に存在し、量子もつれしているのだとしたら。

自分のHPのキービジュアルとしてずっと白い鹿を使っていたのですが、足柄明神の祠の裏の木に触れると、自分に触れているような感覚がありました。
そういうことか、と。

矢倉岳に登ると、植物にちなんだ万葉の歌の歌碑が点在していて。万葉の時代からここは植物の詩を詠んできた場所なのだなと、RingNeという植物の物語がこの地から生まれた理由も見えてきました。

始めた理由なんて始めた時には大体分からないものですが、必ず何某かの因果がそこにはあるのだと思います。RingNeも今はまだ芽が出たばかりで、これがどんな花に育つのか誰もわかりません。

それでも芽が出たことには必ず理由があって、この花が、そして種が、この町や、かかわる人たちの物語の中で、未来永劫美しい輪廻の螺旋を描く一端になってくれればと願います。

南足柄の美しい水、風、植物に触れに、ぜひこの地へいらしてください。
RingNe Festival当日じゃなくても、お待ちしています。


「こんな未来あったらどう?」という問いをフェスティバルを使ってつくってます。サポートいただけるとまた1つ未知の体験を、未踏の体感を、つくれる時間が生まれます。あとシンプルに嬉しいです。