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「I’m A Japanese Murderer 」 第9話


「日本の技術は目を見張るものがありますよね?車に新幹線、特に新幹線は目覚ましいものですね!年たった12秒程の遅れしか出してない恐ろしい程の時間の正確さ…精密な機械、寸分狂いなく動く性能の高い車を元々は他国が開発した物を超越して、技術を高めている。…あるんですよ?わざわざ胴に大げさに爆弾を巻き付けてあからさまにスイッチを押す様な仕組みを爆弾なんて、もう古いですよ。日本では、今体内にしかも、爆破後はそれ自体が溶けて消滅し、"証拠を残さない"爆弾を開発してるんです。」

「今貴方のご子息は、それを体内に持って、ロシア大使館に向かっています…爆弾力は大使館吹っ飛ぶ位だと思って貰えれば。」


「…なにを   言って」

「全て揉み消してきた貴方の罪です。貴方のご子息の異常さをわかってきて、全て闇に葬って、そしてご子息はそれを理解した上で、また鬼畜の所業を繰り返す…護衛方達も存じ上げないですよね。重罪を犯しておきながらのうのうと暮らしていたんですよ。」


「しかしお前になんの関係が…」


「関係ですか?貴方のご子息が犯した罪だけで十分関係あると思いますけど」

「他人事としていた貴方の方がよっぽど関係している筈なのに、施設なりに入れて管理すべき、カウンセリングを受けてもしくは罪を認めて監獄するか…。まぁそうなると貴方は失脚するのでしないでしょうが。」

“やつ”は真っ直ぐ大統領を見据え言った。

「さぁ、久々の真っ向からの開戦とするか、認めて大統領を辞任するか因みに疑っているのなら、今の貴方のご子息を写しますね。…車の中でまたロシア大使館のご子息の所に向かってます。また一緒に犯罪を犯す為に。」

 
 …言葉が出なかった

何故、日本人の”やつ“がここまで調べ上げ、そしてここまでするのか

大統領を退陣ということにまで“やつ”の怒りは達してしまっているのか…
世界戦争を起こすまでに…
“やつ”をそこまで駆立てているのか…  

あの真っ白な部屋にはこれに関する情報など皆無だし、やり取りなんてもってのほかだ。たった1人で世界戦争まで起こそうとしている…


あの部屋の恐ろしい程の完璧な白が、全てを物語っているような気がしてゾッとした…

…必ず成し遂げるという執念を垣間見ている…静かだが消えることのない業火を感じずにはいられなかった。


↓第10話 

#創作大賞2023
#オリジナル小説

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