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「I’m A Japanese Murderer 」 第10話

「私が“捕まった日”に見た現場の血はあなたの息子さん達の血です。

そして、寄せ木細工の箱にあった歯もそうです。

しかし彼は生きてますよ。」

「そう見せかけたんです、大学生位の、あなたの息子さん位なら、全身の20%以下なら死ぬことはありません、ちなみにあの血は今見ている映像の全部の人間の規定基準内の血です、現場にあったものは。

献血の量ですよ。笑」

「…何を?歯は?」

「彼が歯医者もかかったときのものですね〜。ご安心を、拷問などはしてませんよ、あなたのご子息達には。w非合法ではありますが。」

…何年かけてどれほど緻密にやってきたのか…体内の爆弾は?

そう思っていたら、俺の気持ちを読んだかのように“やつ”は言った。

「気になりますよね?体内の爆弾。これは流石に苦戦しましたが、幸い彼らは美容整形に通っていたのでちょっと拝借しました。お時間を。」

…殺さずに生かされているのに、これほど残酷なことはない、知らずに自爆テロ犯になりうる。
それが今世界中にもし広まったら…

「そこはご心配なく、その地域歴代守ってきた秘密ごとを千年誰一人漏らすことなく過ごしてきた地域です、その爆弾の作り方も保存されておらず、パソコンは勿論、紙媒体にもなっておりません…全社員、そして家族にも漏らさない人々ですよ。日本らしいですよねw」

…戦争に負けて目覚ましい速度で経済大国に登りつめた日本、そして世界でなくてはならない国家に成り上がった、そして敗戦後70年以上「戦争を起こさない」…ではない、ロシアや中国がミサイルを撃ち、そして排他的経済水域に侵入したりしていたが、決して「戦争を起こさなかった」…それが意味するのは、戦争を回避する、外交、抑止力が優れているということだ。事前に起こる前に戦争を回避してきたのだ。これほど脅威なことはない、攻めようと思えばいつでも攻めることができる距離、共同地もあるはずなのに、それを他の国には侵略しても日本には決してしてこなかった…

抑止力が恐ろしく働いているのだ。

…もし戦争となったら、どうなるのだろうか…今までの日本の印象を覆すことばかりを知らされていて、寧ろ力の見えない脅威でしかない…もしそうなったら、どうなるのか…

…どうにも思考が安定しない、目の前の”やつ“の冷静さが余計に恐怖心を煽っている…。

「…息子はどうなる!!?」

「あなたが辞任すれば、爆発はしません」


↓第11話 

#創作大賞2023
#オリジナル小説


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