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経営のバトンを受け継ぎました

2020年5月1日付で、吉南株式会社(キチナングループ)の代表取締役社長となりました。


祖父である創業者の井本昇さんが、1962年に個人で創業して、今年でキチナングループは、58年目となります。

キチナングループとして、井本昇さん、井本浩二会長、そして私と第三走者の社長として、経営のバトンを受け継ぎました。


キチナングループが、更に繁栄を続けていくために、
私は、下記の3つの役割を長期的に果たすことが、自分の使命なのではないかと考えています。

1.物流業界の新たな事業モデルへの挑戦
2.強固な財務基盤と経営体質の確立
3.次世代を担う経営者人材の育成


物流業界の新たな事業モデルへの挑戦

まず、1点目です。
私が25歳で営業会社から運送業界に飛び込んだとき、最初に感じたのが、
「運送業界は、なんてアナログな業界なんだ、、、、。」という衝撃です。

その後、「物流プラットフォームで業界を変えるぞ!」という想いを胸に、
ニオクル株式会社、ウィルポート株式会社という会社を創業しました。

プラットフォームをつくり、物流業界のIT化を進めようと努力しましたが、
結果的には、宅配事業にシフトして、志半ばで物流業界のIT化は一時撤退と判断しました。
その後、一度離れたキチナングループに、縁あって戻り、未来を考えながら
数年間、準備をしてきました。

未来を考えながら、現実を見て、『今、「現場に」そして「お客様に」
何が求められているのか?』『キチナングループの強みと可能性は?』
『自分自身が課題を感じ、取り組みたいことは?』など広く考えてきました。


そして、考えれば、考えるほど、自分の原体験となっているのは、
「運送業界は、なんてアナログな業界なんだ、、、、。」という衝撃と
「お客様と現場の間に挟まれて、物流という仕事の価値を見いだせていない自分」だと実感しています。
それは、10年弱たった今でも、私たちが主戦場とする一般貨物では全く変わっていません。


だからといって、単純な物流マッチングが私のもつ答えではありません。
それは起業し、実験して、体験し、運送が持つ業界特性やIT化が進まない
理由も少し見えているからです。単純には絶対にいかない。

ここに関しては、まだ明確な答えは未だ見いだせていませんが、
「単純なマッチングでは現場は変えられない」ということは確かだと感じています。


だからこそ、現業の運送会社、倉庫会社、物流会社の社長を私がやる意義があります。


自分自身が、家業を継ぎ、自分の強みと会社の強みを活かし、適切な料金、効率化されたオペレーションで、最適化された物流全体のデザイン。
これを、さまざまなIT技術を活用して、お客様の満足度を満たす。

その結果、新たな事業モデルが確立され、物流業界を変えていけるリーディングカンパニーになる。
それが、今の私が考えているキチナングループに対する想いです。


強固な財務基盤と経営体質の確立


2つめです。
キチナングループは、現在、9社の物流企業となりました。
輸送、倉庫、生産請負、派遣、梱包、梱包資材販売と、事業領域は多岐に渡っています。
特に、この10年、いや、この1ヶ月は大きな変化が大きな年でした。

今では、売上高は、3月のM&Aで100億円を超え、従業員数も800名を超える大所帯です。


創業者、井本昇さんの社訓のひとつめに

「無から有を生め」

という言葉があります。

この言葉が、キチナンらしさだと感じていますし、私自身も大切にしている言葉の一つです。

私は、その言葉の背景に、
「生み出す環境を着実に作り続けることが大切なんだ」という見えないメッセージが込められている
気がしています。

長期的な、ビジョンを持ちながらも、現業を着実に成長させることが大切だよと。


だから、私も何があっても会社を守り継続させる。絶対に潰さないと決めている。


自分たちの事業のコアを着実に成長させて、チャレンジし続ける環境を作り続け、挑戦し続ける。
そのためにも、強固な財務基盤を持ち続けることが重要だと考えています。


そして、その成長を支えるのが、経営体質です。
私の思う経営体質とは、会社の文化、社風、その上にある「しくみ」です。


先程も書いたように、キチナングループはこの10年で多くの企業にグループに入っていただきました。

それぞれの会社には、歴史があり、考え方があり、融合は本当に難しいと感じています。

しかし、皆、「もっと会社を良くしたいし、自分たちの仕事に誇りを持ちたい」と思っているはずです。


だからこそ、キチナングループってどんな会社ですか?何を目指しているんですか?
ということを明確するために、グループビジョン、グループミッションを近年、創りたい。


私が、ひとりで、作ろうと思えば、すぐに創れます。でも、それぞれ歴史が異なる中で、「俺たちがやるんだ!」と思ってもらうには少し時間がかかる気がしています。

でも、強い文化、経営体質を作るには、ひとりひとりと向き合い、心に潜む想いを引き出し、紐解いていくことが非常に重要だと、私は考えています。

よくアトツギ物語にある、一見かっこよさそうなドラスティックな変革プランではなく、しなやかな組織変革を続け、グループで一体となれる文化、社風、しくみも作っていきます。


次世代を担う経営者人材の育成

そして最後です。
本日付で、7つの事業会社の代表取締役社長、2つの取締役副社長となりました。

今、就任をして改めて思うのが、事業を継続する上で、人材の採用と教育、そして組織づくりが、非常に大切だということです。


学生時代、ネオキャリアの子会社で「就活カレッジ」という新卒紹介の会社に携わらせてもらっていました。

「ヒトが絡むビジネスはカネになるんだなぁ」

正直、当時はそんなことしか考えていませんでした。

しかし、いざ、自分が起業をして経営を始めると、一緒に働く人がいかに大切かという「人材の大切さ」でした。


だから、キチナングループに、改めて入社をして、最初に取り組んだのは、新卒採用です。
とにかく、一緒に働きたいと思える人を探そう。悩んだら見送る。採用人数じゃない!と。


その結果、一年目の人数は、2名の入社に終わりました。

翌年、採用に更にチカラをいれるべく、多くの会社さんの話を聞きました。

その中で、legaseedの近藤社長が、
「学生は、今の会社に入るのではない。未来の会社に入ってくる。」
という話されていて、

自分自身が「今のキチナングループに自信が持てていない」とハッと気付かされました。

でも、今キチナングループを自信がもてるように変えていきながら、
将来こんな会社にしたいという想いを伝えたら、共感してくれる学生がいるのではないか。
そして何より、そういう想いに共感してくれる学生を採用して一緒に事業を創りたい。

そんな思いで、新卒採用活動を続けてきて、
今年の春は、15名の学生が入社してくれました。

もちろん、入社してもらったから、満足ではありません。
彼らが成長しつづけられる環境づくりをしながら、一緒に事業づくりをしたい。

そして、その先に、事業を担える経営者人材を目指して欲しいという想いがあります。


事業を継続し続けるためには、プロの経営者が必要なのです。
まずは自分自身がプロ経営者として高め続ける必要があるのですが、
意図的に育てることが本当に重要です。

「たまたま、経営者人材になった」なんてことは絶対にありえないからです。

とにかく、若いうちに、プロジェクトリーダー、部課、事業部、子会社社長などを任せて、自分で責任の中で、意思決定し、実行する立場を若いうちから経験で学んで欲しい。


私は、現在33歳です。世の中的には比較的、早めの事業承継だと思います。(任せて頂いた会長、役員に本当に感謝してます!)
そんな私も、いつかは、必ず事業承継をするタイミングがきます。

そのときに、社内で育てた経営者人材に自信を持って、事業を任せたい。
そして、任せた人材が、キチナングループを更に成長させてくれると嬉しいなと考えています。


長くなりましたが、これから長期的に、

1.物流業界の新たな事業モデルへの挑戦
2.強固な財務基盤と経営体質の確立
3.次世代を担う経営者人材の育成

の3つの役割を果たしながらキチナングループをさらに成長させるべく頑張っていきます!

まずは、目の前のこと、ちゃんとやらないとですね。コロナに負けない!!

コメント 2020-05-01 233854


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