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あるバイトのこと

現在(2019年9月から)、大阪で芋男爵と名乗って、美味しいお芋さんの普及活動をしています。個人的に、ではなく。会社に所属して正社員として働いています。
「輝いてるね!」と言われるように(Say Shine!)奮闘しています。

その前は33歳から38歳まで、尾道(広島)でチョコレートピエロとして、脳天直撃チョコレートを。
25歳から30歳までは、神楽坂(東京)で書籍の編集プロダクションで編集と制作を(mdf と名乗っていた)
正社員として働きだしたのは、この25歳から。

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《 ↑ 編プロ時代の僕のパソコン。凹凸のあるキーボードが時代を感じる》

それまでは、色々なアルバイトで生計を立てていた。
高校卒業後に上京して、芝居に打ち込んでいたので、舞台の稽古期間や、出演が急に決まった時に休めるという(第一条件の)アルバイトを選んで、いろいろ経験した。

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僕のことを「昔、役者だったんです。」と紹介をしてくれる人がいる(もちろん有難い)んだけど、僕は役者で生計を立てることが出来ていなかったので、あの頃の肩書を名乗るなら《役者を目指していたアルバイトの人》だ。そう思っていて「役者です」と名乗れなかったし、いまだに、そう言われることに若干の違和感を覚える。「役者を目指していたんですけどね」とテヘペロしてしまう。

現在の心境としては「肩書なんて言ったもん勝ち、そこに向かう意志の現れ」だと思っているで、当時の僕は、そこに自信がなくて(言い切る勇気がなかった、逃げ道を作っていたので)役者と呼ばれることに怯えて、そして、その道を捨ててしまったんだろうと分析している。

だから、いま現在、前述の僕のような状態の人は「役者です」「ミュージャンです」「お笑い芸人です」そう名乗った方が目標達成に近づくのではないかと思っている。

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《 ↑「MCねこぜで~~す!」と名乗る、近年のA2C、リズム感無いくせに》

さて、本題。
今回は、僕の経験したアルバイトの面白エピソードをいくつか紹介しょうかい、と思い筆をとった。

なぜ、アルバイトを振り返る?

それは、この夏に新しくオープンした梅田エストの店BATATASが始動したことで感じる「働く場所」や「働く動機」「一緒に働く人」「働くことで得られること」について自分自身、考察が深めることができるんじゃないかと思ったからだ(ちなみに僕は高卒、そんなこと言うのは軽率)。
また、マジメで長い文章になりそうな悪い予感がする。
それは予感ではなく、もう、まさこレベル(おかん=悪寒)だ。
・・・ぽか~ん。

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僕は上京してすぐ、恵比寿のレンタルビデオ店Hでアルバイトをはじめた。
19:00-26:30 遅番で働いた(26:00閉店)。
日中、専門学校に行っているので都合の良い時間帯だったし、そもそも映画が好きで上京した僕にとって最強の環境だったと言える。

この時期に、いちばん映画をみた。

返却作業以外はレジにいながら店内のテレビで好きな映画を流すことができるし、閉店後、1、2本映画を観て、そのまま専門学校に行くというような日もあった(新作はスタッフが借りることができないので、閉店後は新作を中心に観るのだ)。
ダビングもできたので(違法? 時効? とにかく現在、この店はない)好きな映画をダビングして持ち帰り、六畳の部屋にある小さなテレビデオで何度も観た。

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《 ↑ 懐かしいなあ、VHSでしか残ってない作品もあるよね》

他のアルバイトもするようになっていき、シフトに入る日数は少なくなっていったが(最終的には週1くらいだが)18歳から25歳まで、ここで働いた。だから僕の映画情報は2006年くらいで、ほぼ止まっている(2005年劇場公開くらいかな)。

店長は、ひと回りくらい年上で、とてもフランクでフラットで、器のデカい趣味人って感じ。僕は、この店長の影響をモロに受けている。

映画のことはもちろん、音楽やバイク、旅やストリートカルチャー(BMXライダーのビッケさんが知り合いで、最近、箕面で少しこの話をした。割愛!)、ヨガ、サッカー、ファッション、東京の遊び方など多くのことを教えてもらい、東京生活が楽しいスタートを切れたのも店長のおかげだ。

「店長のオススメコーナーが秀逸だ」と、渋谷シネマライズの館長がウチの店に来て、その棚からビデオを手に取る。ミニシアター全盛期のシネマライズの館長はアエラに載るような人物で、たまに新しく公開される映画のチケットをくれた(久しぶりに調べたら閉館しちゃたんだね、残念すぎる。シネマライズみたいないい映画館が閉館だなんて。割愛!)。

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《 ↑ シネマライズで観た「僕のスウィング」サントラも買ったもんね》

タランティーノ
が恵比寿に泊まっていたとき(キルビル関係の頃)ウチの店が面白いと言って勝手にレザボアドッグスのVHSにサインしていった(残念ながら、僕はそれに遭遇できなかったが)。

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《 ↑ タランティーノの映画の魅力は巧妙な物語よりも、圧倒的な映画愛だ》

富士そばの2階にある、小さなレンタルビデオ店Hは、知る人ぞ知る名店だったと思う。
ちなみに、今回のトップ画像は富士そばでのA2C'S BEST「冷やし特選」の画像だ! ハリウッドクラブの店舗画像がなかったから代わりに「冷やし特選」やで(トップ画像にするほどのことか? いや、僕のHアルバイト時代を語るに切っても切れぬ関係なのだ)!
店長の映画編愛や遊び心に魅了された人たちが集まって、大手のレンタルビデオ店では得られない距離感やラインナップが好奇心を満たしてくれる、そんな私的倫理観が大切にされた、居心地の良い名店だ。

最初のアルバイトの話で、まだまだエピソードは尽きない。
このあともアルバイトは沢山やっている、それを紹介する(つもりだ)。
想像するだけで恐ろしい長尺。

書きたいことが多すぎる。

僕は結局、映画が好きすぎて長くなるのか、それ以外のなにかなのか(連想的つまんないジョークを削ればいいのかもしれない)。
とにかく、当時を思い出しながら書いていて、なんか、あの頃の人たちに現在の僕の姿を見せたら、なんて言われるかな? って考えたら、瞳が潤んできてキーボードも打てなくなってきたから、今回、もうおしまい!

「終わり方が唐突やなあ!」という声を無視して言わせてほしい。

「つづく!」

しかも、次回もまだレンタルビデオ店Hのエピソードがつづく!
※音楽遍歴も「つづく」って言っちゃったなあ。

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