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雲は白リンゴは赤、8月3日は?

夏は何度もやってくる~
暑くて空も高くて~♪

僕は脳の半分以上が J-POPで構成されています(A2C的aiko考察は、またいつか)。
もう8月ですね。
いかがお過ごしでしょう。
僕にとって8月はなんだかノスタルジックだ。

2019年8月3日。
ちょうど1年前に、酷暑の中、敢行された自作自演の「チョコレートピエロ引退パーティー」のことを思い浮かべるからかもしれない。

高校時代の同級生から先日のイベントで知り合った人、ラジオの告知を聴いてきた人など、広島を中心に遠くは岩手から、尾道で過ごした8年間で出会った人を中心に250人ほど集まってくれた。

駅から徒歩10秒で会場の入口があるのだが、尾道らしさ溢れる舗装が行き届いていない斜面の階段を登り、畳が敷き詰められた大広間まではトホホ10分。

会場にはエアコンがなく、近くに住むキシシの家のシャワーを無料開放したり(@shogoal)ハライソ珈琲の扇風機を借りたり(@paraisocoffeeonomichi)パーティー入場券を団扇にしたり(@chalkboy.me)工夫をこらしたものの、集まってくれた人たちの熱量も相まって、みんな汗だくで。
尾道空き家再生プロジェクトが(当時)新しくオープンしようとしている会場の綺麗な畳に水溜りができるほどのアツシな1日だった。

僕は天職ともいえるチョコレートピエロを引退、転職。
どんなテンションでこの日を迎えるかと思っていたが、もう、暑かったという印象しか残っていない。

嘘よ、ちゃんと他のことも印象に残っているよー。
何が印象に残っているかって?

いまから、結構、きしょいこと言うよ。
覚悟はいいかしら?

僕は、その日「愛」を実感した。
「愛」とは何なのか、その一端を掴むことができたのだ。

うわあ、言っちゃったねえ!
今回のテーマはズバリ「愛」なんですわ。

*****

高校卒業後、上京して18歳から25歳まで芝居をしていた。
映画の吹き替えがやりたくて声優という職業に憧れたが、芝居の勉強でいろいろな表現と向き合ううちに舞台演劇の虜になった。

ある劇団の演出家のKさんに惚れて、しばらくその劇団で芝居に没頭していたが、まあ、色々ありまして、次の公演が決まっているにも関わらず、僕が突然「芝居を辞める」と言い出し(僕自身は、しばらく悩んではいたんだけど誰にも相談していなかった)、Kさんに「裏切者!」と言われ、稽古場を飛び出してお芝居を辞めた(この話もいつかどこかで書こうかな)。

演出家のKさんは「俺の芝居をつぶす気か」と灰皿を投げて稽古場を飛び出すような厳しい人だが、いい芝居をした時は涙を流して喜んでくれるし、一人暮らしをしている僕を気遣って正月に家に招待してくれて、箸袋に名前まで書いて迎えてくれる、そんな人だ。

トム・ウェイツを教えてくれたのも、「リ」を教えてくれたのもKさんだ。
恩師という言葉では足りない、だから何て呼べばいいかわからない。僕にとって、そんな人だ。

そんなKさんによく「愛がない!」とダメだしされた。
この頃から、おぼろげながら「愛」というものの存在を意識し、敏感になって過ごしてきたように思う。

*****

北島康介が泳げるんじゃないかと思うくらい汗が溜まった会場では、全国から駆けつけてくれた出店者の美味しい食べ物や飲み物に舌鼓を打ち、僕の知り合いが引退記念に贈ってくれた景品でビンゴ大会をし、尾道の誇るDJ陣が会場を沸かし、ウシオのメンバーがサプライズ動画や歌で盛り上げてくれて「超気持ちいい」の連続でした。

すっかり暗くなり1日中遊んだパーティーの締めくくりはChemiCal Cookers(CCC)の解散ライブ。
CCCは、USHIO CHOCOLATL 立ち上げメンバーでもある中村、栗本、僕で結成されたヒップホップクランだ(もうひとりのメンバー藤本はドイツに行ってしまったので当時脱退していた)。
ヘトヘトの身体で声も出てなかっただろうが(まあ、いつもパッション先行、酒にやられてヘトヘトのギグなことが多いのだが)全身全霊込めたギグを届けることができた。

ライブも終わり、マジラスト。
集まってくれた250人、会場に来れなかった35億人に向けて、最後の挨拶を僕がします。

「愛されるより、愛したいマジで~」

僕のJ-POP脳が、ここぞとばかり叫んだ。
会場に集まった人の顔をみて、来れなかったアイツらの顔を思い浮かべて、掴むことができた「愛」が、それだった。

「こんなに集まってくれて自分は愛されてるなあ」ではなく「自分が愛する人がこんなにいる」だ。

「愛している」と伝えることができる、それがどんなに幸福なことだろうという実感を得た。

愛を伝えた相手がどう思うかはわからないし、愛を愛で返してくれなんて思っていない。ただ、僕が愛しているという揺るぎない事実。
それが一方的であったとしても、それは、この世界に愛が溢れているということじゃあないか。

これが、僕が掴んだ「愛」の一端。

「相手にどう思われるか」を気にして、がんじがらめになるより「自分がどう思うか」を尊重して前に進もうぜ、マジで(というタイトルの歌では流行らないだろう)。

愛すことが大事。
アイスずっと食べていたい、会場が激アツだから。
そんなことを感じることができた8月のあの日。

30歳を越えたあたりから、僕はよく「愛がない!」「愛がある!」と言うようになって「そこに愛があるんかえ?」で線引きしていた(愛が満タン=アイフル)
当初はKさんの受け売りで使っていたが、近年ようやく、自分の言葉にできたように思う。

僕は寿司が好きだ。
でも寿司が僕のことを好きかどうかわからない。
相思相愛でなくとも、愛すことで生まれる何かは、きっと人生を豊かにする。

つってな。

絶対そうだと思い込んだ~
アツシすぎるアツシの心~♪

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mdf_chocolatl


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