深田恭子さんと大坂なおみさんを援護射撃したい。うつ病の「実際」がわかるうつヌケハック
「うつだからってやるべきことを休むなんて甘えだ」って声がどうやら、ありまして。
そう、人々はうつ病について意外なほど知らない。
知らないのだからそこそこ責めてしまうこともある。
深田恭子さんが適応障害で休養、大坂なおみさんもうつ病で、大会および付随する記者会見を中止すると発表しました。
本当は私たちは、弱っている彼女たちを応援したい。
株式会社イメジン、ブランディング担当ライターの日野成美です。
前回の記事はこちら💁♂️
（最近エンゲージメント率が18%を軽やかに超えていくのでびっくりぽんしています。読者のみなさん愛してますよ‼️）
パンピーが有名人に向かって吼える、みたいなことあんまり好きじゃないのですが、うつに寄り添うコンテンツうつヌケハック、
いまこの時事ネタをスルーするのは違うなと。そう思いまして。
パンピーと言いつつ企業の公式アカウント。社会の公器としてWebで良いコンテンツを発信していきたい。
もし関係者の方が見たら元気になるような「うつヌケ経験者による実務的な内容」をガッツリ埋め込んでいこうと思います！
さて、自分を大事にするといいことあるよ！と宣伝することが目的の通称「啓蒙の金曜日」。
あなたの大好きなあの人がうつ病をカミングアウトしたらかけたくなる「早くよくなってね」ワード。
自分がかけられたら間違いなくカチキレる「早くなってね」ワード。
今日は深キョン、大坂なおみさんに「早く良くなってね」とエールを送りたいあなたにも、直接の知り合いの方にも、彼女らを心配するあらゆる方にも、そしてご本人たちにも。
マジで理解と対策において役立つ回にしようと思います。
うつ病／適応障害とはどんな病気か？はわかっていない
うつ病や適応障害が、現代医学的にどういう位置付けなのかをまずは確認！
うつ病は、脳の炎症という説が現在の主流です。
過剰なストレス負荷によって、オーバーヒートした脳神経が炎症を起こし機能不全に陥るというもの。
その10年前の主流派はセロトニン不足でした。もっと前はリビドーとか月齢とか、遺伝やもとの性格のせいだと言われていました。
ちゃんとしたネット記事や書籍ならはっきり書いてあります。
「うつ病の原因や仕組みはよくわかっていない」と。
適応障害は、所定の環境や状況がトリガーとなって抑うつ症状および身体機能の異常を誘発するもの、という理解で私はいます。
これもやっぱり明確なメカニズムは不明だそうです。
生きている人間の脳のデータを取れるようになってから、まだせいぜい数十年！脳はまだブラックボックスであり、つまりうつ病の正体はわかっていません。
それどころか、確実な治療法すら確立されていません。
えー…ほんまに…？
ってなるよね。
抗うつ薬や向精神薬はアレ、統合失調症の治療過程で「なんかたまたまうつ状態にも効く」「よくわからんが気分障害効く」というのが見つかって、臨床応用されたもの。
偶然抑うつ症状に使われてるだけで、ぶっちゃけなぜその薬が効くかはわかってないそうです。
原因がわかっていない。
それがどういうことを意味するのか？
精神疾患はどんな病気よりも難病ではないでしょうか。
症状が心、すなわち精神状態にあらわれるため「軽い病気」「甘え」「気持ちの問題」と判断されがちですが、
実際には脳という臓器の炎症がなんも関係ないところまでおよぶという、広範囲かつ深刻な症状。
原因が明確ではないとしてもただ、これだけは言えます。
うつ病や適応障害になると、脳の機能が信じられないくらい低下する。
なので、記者会見回避や休養は正しい判断です。
【経験者談】うつ病と発表するのには労力がいるマジな事情
ハーイここから適応障害寄りのきっかけで発症したうつ病で17年間（※閉鎖病棟入院10ヶ月）病みまくって、うつヌケした私、日野の体験談だよ！
まずね、会見を開くとするじゃないですか。
マネージャーさんとかに連絡するとするじゃないですか。
もうスマホを手に取れない。
うつ休職者は心当たりがあると思うんですけど、スマホのロック解除がまずできない。ってか手足に力が入らないからスマホ取りに行けない。
怖くない！？
まだあるよ！
休養を発表する文章だってすごく時間がかかったと思います。
代筆をお願いするにしても、薬の副作用や脳機能の低下による読字障害で、文章の意味がわからなくなることが多い。
読んでも読みとれないからチェックができない。
うつ病だとワンプレートごはん以外食べられなくなりますし、お風呂に入るまでに3時間かかって出るまでに2時間かかってゆでだこになる。
私は横になると起き上がれなくなるから、椅子で寝てた時期がありました。
怖いじゃろ？？
これがうつ病のリアルです。
臨機応変な対応ができなくなるので、記者会見中止は正しい判断では…と思います。
そう、うつだと脳の機能が低下して文字通り「固まる」。
うつ状態だとよく涙を流しますが、ストレス成分を体外に排出するための機能です。好きで泣いてるわけじゃないのよ。
あとうつ状態では視覚機能も制限され、薄くブルーがかった仄暗い水の底からみたいなカラーリングに世界が見えてきて、フツーに病む。（コントラスト知覚と言うそうです）
これだけのおそろしい病気なのに、確実に早急に治す方法が確立されていません。
専門家だって治す方法を見つけていません。
「でも薬がある」
そうなんですよ。
服薬治療だけで治せた人、これまで100人はうつ病マンを見てきましたが、私のまわりで1人もいません。
薬はせいぜい補助機能しか果たせないのです。
でも日本のメンクリでは「治す」ことではなく「生きのびる」に重点を置いている節があるから、薬だけ飲んでごはんはコンビニとマックですませ運動もしないという、セルフケアのことを念頭に置かないうつ病マンが量産されます。
うつ病は難治性になると50年選手や一生薬漬けも珍しくなく、かつ早く治す方法なんかはっきりわかっていないんです。
だから安易に「早く良くなってね」なんて、ほんとはうつ病マンたちは言えない。
確実に早く良くなる方法なんかわからない。
「早くよくなってね」をどうする
私もねNHK大河ドラマ「平清盛」での時子様があまりに美しかったからいまだにドラマごと好き！！脚本神ってたし衣装ステキすぎて公式ムック買ったもん！
「もうそなたでよいプロポーズ」「海の底にも都はございましょう」など時子様まことにお美しくあらしゃった！
着物姿の深キョンは国宝に指定していいと思ってるくらいファンだから！
大坂なおみさんのことはよく知らんのですけど（過去の経験からスポーツ観戦やプロスポーツがどうしても苦手で💦）、世界ランキング2位のアスリートというだけで結果を出せる・努力ができる・続けられる強さがあると尊敬します。
……世界だよ？すごくない？
早く良くなって欲しいって思うことはファンとして仕方ないよ！！
だって大好きなんだもん！！！
そう、私たちは深キョン、大坂さん、あなたが大好きだ。
人に勇気とたおやかな美しい印象を与えてくれる、あなたが大好きでたまらない。
でもうつや適応障害は、一朝一夕に治りません。
ええ治ったら苦労せえへんわ。薬飲んでも治らなくて苦しむ人がどれだけおると思っとんねん。
でもうつヌケした人はたしかにいて、治す方法は一応はある。
もしかしたら本人や周囲の方がみてるかもしれないから。
一応、治すためにどうしたらいいのか？
うつヌケ経験者が語ります。
うつ病からの回復に必要なもの
実際的なメソッドについては過去のうつヌケハックで山ほど書いたんで、まだの人はこのへん読んでね。
「なーんだ治る方法あるじゃん。コレやれば治るなら、やればいいじゃん」
うん気持ちはわかるよ！！
弊社内や日野の友人からも「Twitterやメンクリでうつで悩んでる人みるとうつヌケハックを読ませたい…！ってなる…！！」ていう声がかなり来るもん！
うつヌケハックは「自己管理能力向上メソッド」という副題があります（実は）。
うつ病は、自分自身で「よくなろう」「自分を大事にしよう」と決心しないかぎり治りません。
これは脳機能的に「他人から与えられたモチベーションは非常に低いが、自分で納得して立てた目標・目的のためならどんな努力も惜しまないほどのモチベーションが期待できる」という特性に由来します。
うつ病マンたちは「自分より他人を優先して当たり前」「自分が無条件に生きてていい実感がない」「他人に気に入られないと生き延びられない」と強く、その人生を通して確信しているんです。
他人がなにを説得してもムダ。
親が泣いてもメンターが怒鳴っても伴侶が土下座しても、本人が心から納得しないとダメ。うつヌケは達成できません。
なぜか？
それくらい「自分を大事にする」のは難しく苦しいことだからです。
自発的モチベーションでないと乗り切れないほど、苦しく険しい。
これはもう、待つしかないんです。
脳の炎症がある程度落ち着き、うつ状態に飽きて、自発的にセルフケアして「私が苦しむとか絶対おかしいじゃん！？」くらい吹っ切れて、自分の落ち込みの原因を分析して突き止めて、うん結構大変なの。
というのも、セルフケアはいくらでも自傷行為に応用できるんですよね。
うつヌケハックの方法論を他人に押し付けて無理矢理やらせる人は、気をつけてください。関節外れるまでヨガやったり、自責して自傷するジャーナリングやったりすごいことになるから。
吹っ切れるためには、ぼーっと「ただ生きて、ひとから心配される期間」が必要なのです。
いいじゃないですか。
体も心も脳もここまでぶっ壊れるまで、オーバーワークしたんですよ。
ただ生きて心配されるって経験したって、いいじゃないですか。
本人その気になったら治す、でもいいじゃん。
直近のプライオリティ低めのタスクをスルーして、本命の大会に臨むってどっからどう見てもテニスを愛してるじゃん。ステキやん。
適応障害の回復に必要なもの
私は学校環境への適応障害からうつ病に以降したと思われるフシがあり、同世代が集団になる無機質な空間がいまもマジ嫌いです。
いまだに近所の学校のそばを通るときには吐き気がしますからね。まぁそういうことだよね。
適応障害は雅子皇后様もかかられたことで有名ですね。
コレ「我慢すればいいだけなのに、情け無い」みたいな声があるじゃないですか。
そう、「みんな大変なんだから、我慢しなさい」って言われることあると思うんです。
特技欄に「自己管理」って書いていいと友人から褒められたことのある私から言わせますとね、
我慢にも、テクニックが必要でしてね？
ただ黙って堪え忍ぶ我慢は、あらゆる我慢の中でも下の下！
我慢にも、いろんな形があります。
治療のために相談するのも我慢です。だって本当は体のSOS無視してでも頑張りたいのは本人だから。
苦痛をおぼえる現場から離れることを「逃げる」と呼ぶ人もいますが、私はそうは思いません。
いったん退いて、動けるまで回復してからまた復帰するのは当たり前。
なぜか？
私たちは我慢するために仕事や勉学をするのではないからです。
よろこびにつながることを生みだし、今あるいは将来、だれかに喜んでもらうために頑張るんです。
それがビジネス。
本気でビジネスや社会の未来に向き合ったとき、「逃げずに我慢する」はあまりに良くない。
昭和の昔は業務内容が今より単純だったから、それでもよかったかもしれません。
いま求められている人材像の多くは、自立自走する人材であり、セルフマネジメントできるクリエイティブなビジネスパーソンです。
そのためには本人がセルフケアできる環境にある必要かある。クリエイティブに必要なエネルギーなめんなよ。
本当にお客様や会社のよろこびを考えるなら、早く休みをとる。
ただ、今体や脳が追いつかなかっただけ。
たったそれだけです。
未来の笑顔のために、休んでいい。
うつ病マンに「早くよくなってね」と言いたくてたまらない私たちにできること
外野の私たちは心配です。
「いつ治るんだろ」
「早く復帰してほしいな」
「またあの笑顔が見たい」
「いま、自分に何ができるだろう？」
うつヌケハックから、言わせてください。
大事にしてあげよう！？
深キョンを、大坂なおみさんを、
そして私たち自身を！！
「自分を大事にしたら怒られる。他人の期待にこたえないと仕事ももらえない」
ウソだ！そんなの。
だって彼女らが休んだニュースをみてこんなにも淋しい。こんなにも虚しい。
無理したから、合わせすぎたから、自分をないがしろにしてしまったから病気にまでなった。
って、本当はわかってるんです、みんな。
人格否定や「気に入られること」の恐怖におびえる世界、つまんないじゃないですか。
また仕事するってなっても変なケチつけられて中傷されて。
それ、イヤじゃん？
本当は大坂さんのはじける向日葵のような笑顔や、深キョンの撫子のような可憐な笑みを、また、もっと見たいじゃん？
どうすればいい？
今、私たち自身から変わればいいんです。
「自分を大事にしていいんだ。無理しないで仕事すると喜ばれるんだ」
そういう世の中ができたとき、人々の認知がそちらに変わったとき、うつヌケ人口は大幅に増加する。
私はそう考えています。
深キョンや大坂なおみさんが安心して仕事できる未来をつくりましょうよ。
いま、病んで苦しんでいるうつ病マンが、よろこんでセルフケアしたくなる世界にしましょうよ。
いま彼女らになにか応援したり、激励したりするより、
自己保全やセルフケアをするのが当たり前って世界を自分から作るほうがずっとずっと確実でクリエイティブです。
その姿に「いいな」って思った人が増えて、どんどん増えて。
大坂さんや深キョンがいつか接触する機会があって。
ふと自分を大事にしてえらいっていうのを知って
「ああ、そんなのもアリなら、生き直してみようかな」って思えたら。
イマジン、想像してごらん。
うつヌケするために自分を大切にして、他人の干渉や危害に敢然としても責められない、ただ生きるだけでなく「楽しく生きていい」世界を。
深キョン、大坂さん、お大事に。この記事のことは忘れてください。
何かお役に立てることがあったら、コメントくださればお応えしますね！
いつか、また笑顔で。
だれも苦しくならない笑顔で。
次回「うつヌケ手帳術がかえってきた！」の予定。
お楽しみに！
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