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【放送後記】#17 腰が重い人への最高の言葉がけ

一人でやるよりも誰かとやることの方がいい

 では、子どもに歯磨きをしてもらうためにはどうしたらいいかということを例にして、どんな言葉がけがいいかということについて考えました。結論は、「一緒に歯を磨きに行かない?」でした。この「一緒に〜しない?」という言葉がけの効果は絶大です!子育てでは、この方法は効果があると評判がいい方法なのですが、実は大人も大変なんです:笑。というのも、誘ったからには、誘った人も実行しなきゃいけないからです。子どもに勉強をしてほしい時は、「勉強しなさい!」よりも「一緒に勉強の時間にしよう!」の方がいいわけです。大人が勉強するのは大変だと思うかもしれないですが、読書や書類整理でもいいと思います。一番良くないのは、大人は好き勝手に休憩している様な感じなのに、子どもにだけ何かを押し付けようとすることです。大人がテレビを見ているのに、子どもにだけ「勉強しなさい」は酷な感じですよね・・。
 子育てなどを例にするとわかりやすいのですが、日常場面の対人関係も同じだと思います。同僚や部下に何かを頼む時は、「させる」という意識ではなく「一緒に」という意識をもつと、自然とその雰囲気が伝わり、重い腰を上げてくれることもあります。よくよく考えると、やりたくない、または、やれないという状況には必ず意味があるわけですから、「やって」というだけでは解決できないわけです。かといって、背景があっても仕事場面では、やるしかない状況も多いわけです。そんな時は「一緒に〜しよう」という意識で行うことで、チーム感がでますし、自分がやることの使命感が生まれてきます。反対に「一緒に〜しましょう」と言われた時のことも考えておくといいかもしれません。完全主義の人や作業効率を気にする人のなかには、一緒にやるよりも、一人で作業した方が早いと感じる人もいるでしょう。しかし、個人のスピードや効率を重視しすぎることは、結果的に、組織の効率やスピードを阻害してしまうことにもなります。一人だけが効率よくスピード感があっても仕方がないのです。
 私はある自動車工場で部品の生産ラインにいた時に、大きな機会を10台ほど任され、その10台で加工したものを次の人のラインに流す作業をしていました。私は機械工作が得意なこともあり、時間単位のノルマ以上に製品を作って、次の生産ラインの人のところに流し込んでいたことがあるのですが、班長に注意されたことがありました。それは、自分の作業効率を重視して量産することは、次のラインの人のプレッシャーになるということでした。私は、次のラインを担当されている人に謝りにいきましたが、その方は、「マイペースでやっているから、気にしないでどんどんと流していいよ。でも、どんどん流しても俺のところで止まっちゃうけどね:笑」と、笑顔で応えてくれました。個人作業であっても、全体感を気にする作業の大切さを学べて本当に良かったなと思っています。

心理学の知識を楽しくご紹介できるように、コツコツと記事を積み上げられるように継続的にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。