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Step 1-4:注意について知る|日常生活でできる注意の整え方

1. ちょっと意識をしながら普段通りの生活をしてみる

 Step 1-1 から Step 1-3 までに注意の働きについてまとめてきました。特に、注意の働きを意図的に使うことの重要性について説明してきましたが、どのようにエクササイズをしたらいいのでしょうか?マインドフルネス瞑想はそれらのエクササイズの1つですが、もっと簡単に日常生活に取り入れられる方法がります。それは五感を使ったエクササイズです。

触覚のエクササイズ

 普段から私たちは様々なものに触れて生活しています。一番身近なものは服です。服と肌が触れている感覚は、ほとんど意識されることなく生活されています。しかし、服には生地それぞれの個性がありますし、私たちの体の部位によっては肌質がことなります。これらが接している部分の感覚を感じながら観察してみてください。意外とザラザラしていたり、冷たかったり、いろんな感覚を感じられるはずです。服の感覚に注意を向けるのが苦手な人は、自分から物に触ってみながら感覚を味わうのもいいでしょう。自分が普段座っているイスの感覚やスマホの質感などを想像してから触れてみてください。イメージ通りの感覚かもしれないですし、新たな感覚を感じるかもしれません。

嗅覚のエクササイズ

 いい香りやちょっと苦手な匂いだと嗅覚の注意が働きます。しかしその場合は、自動的な注意の実行ネットワークであることがほとんどです。ただ、それらの刺激が強い匂いや香ではないと注意を向けにくい方は、アロマオイルなどをつかって嗅覚の注意を働かせるのもいいと思います。私の個人的なお勧めは、早朝散歩をしている時の「街の匂い」です。同じ道を歩いていても、季節によっても匂いは違いますし、「この家からは醤油っぽい匂いがするなぁ」と感じることもあります(笑)。

味覚のエクササイズ

 普段食べているものをより深く味わうのが味覚のエクササイズの醍醐味です。ご飯の1粒1粒に意識を集中して食べてみたり、緑茶をゆっくりとソムリエのように味わいながら飲んでみてはいかがでしょうか。味だけではなく、口の中の感覚をフル回転させて、食べ物の質感も一緒に味わってみることをお勧めします。

エクササイズ

聴覚のエクササイズ

 聴覚の注意を働かせるための簡単なエクササイズは、日常生活音に丁寧に耳を傾けることです。私たちの脳は、必要最低限の音だけを拾う仕組みになっているのですが、いろいろと周囲の音をじっくりと探ってみると聞こえてくる音があります。音に注意を向けるのが苦手な人は、好きな音楽のベースの音だけを聞いてみるなど、特定の音源に注意を向けるのもいいでしょう。

視覚のエクササイズ

 私たちが視覚を使う時は、ものの形や色に対して注意を払うことが多いと思います。視覚を使ったエクササイズでは、ものの質感をじっくりと観察することをお勧めしています。または、普段は気にもかけていない公園の木をじっくりと時間をかけて観察してみるのもいいでしょう。私の個人的な視覚のエクササイズは、メダカや観葉植物のお世話を通じた観察です。毎日観察していると変化を感じるのが難しいのではないかと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。メダカも植物も日々変化をしています。特に、春先から夏にかけては、大きな変化を捉えるには絶好の季節です。

2. 注意の調子を整えるポイント

 日常生活を送るうえでは、注意を自動的に働かせることで、私たちは意識の消耗を最小限に抑えています。もし、全てのことに全力で注意を向けていたら、とんでもなく疲れた生活を送ることになってしまいます。
 ADHDの場合は過集中で疲れてしまうことが多くありますし、ADHDでなくても持続的に注意を働かせることは疲れることです。120分に集中力を連続で働かせ、注意に必要なエネルギーを一度で使い切るよりは、60分に1度10分程度の休憩をいれるサイクルで何時間も集中できるようにした方が作業の質と量を高めることができます。

 集中している時は時間の感覚を忘れてしまうこともありますので、まずはタイマーをセットして休憩時間を意識しましょう。
 休憩する時は、体の緊張に注目してストレッチなどをしてリラックスをすることを試みてください。体の緊張だけではなく、心の緊張にも気を配ることも大切です。好きな飲み物などを口にしたり、友人と話したりしてちょっとしたリラックスを意識してみてください。
 注意は心と体の調子に直結した働きですので、生活習慣を整えることも大切な要素になります。寝不足は注意の覚醒に関わります。食事も覚醒に関わる要素です(食べ過ぎも覚醒を低めることにつながってしまいます)。適度な運動は注意能力を高めますので、階段を使ってみるなどの軽い運動を心がけることも大切になると思います。

この記事のポイント

  • 日常生活で行っていることに丁寧に注意を向けることで注意を意図的に働かせることができる

  • 五感を丁寧に使って日常生活を過ごして、さまざまな「気づき」を得てみましょう

  • 注意を長く働かせることは疲労につながります。定期的に休憩することを心がけて、持続的に注意を働かせられるように意識をしましょう。

心理学の知識を楽しくご紹介できるように、コツコツと記事を積み上げられるように継続的にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。