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5.屋根の上で星見(米川さんの絵本)

はじめはハイマツに包まれ星を見た。
そのうちに、もっと星をたくさん見たくて
屋根の上で一晩中星を見た。
布団を敷いてシュラフに入って顔だけ出して。
幾つもの星座が現れては消えて行く。
星と話しているうちに、星を訪ねて宇宙遊泳が始まった。

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解説

最初に星を見たのは夜寒くなるので温かいハイマツの中でした。
低く這っている松の事をハイマツって言います。
ハイマツが小屋の前から天狗岳にかけてずっと斜面を這っているのです。
最初はハイマツのなか、すごく温かいのです。事故があったりして遭難しそうになったり救助の時にハイマツの中に入ったり、人を引っ張り混むと身体が温まります。
それで最初はハイマツのなかで布団も持たず気持ちよいからと星を見だしたのですが、やっぱりそれじゃ星があまり見えないから、屋根の上で見る事にしました。
ただ屋根の上ではとても寒くてたまらないから、今度は布団を持って、シュラフ、寝袋をシュラフって言います。シュラフにもぐりこんで星を見ていました。
20代独身の頃、昔のシュラフは国産は綿だったので米軍の払い下げの羽毛のものを御徒町にわざわざ買いに行きました。シュラフから顔だけ出して一晩中星を見てました。
星は里とは全然違います。高い山に行くほどきれいです。
ランプの光も届かない、闇夜、まっくら。
新月の闇の夜は、星を見るととてもきれいです。
でも、屋根の上でもまだ山小屋は谷間にあるのでまだ物足りない。
それで 最後は小屋の前の高台に場所を移したのです。
それはそれは素敵な空で。
高台からの星見のお話は次に続けましょう。

注釈

現在、寝袋のことをシュラフと統一して呼ばれていますので、シラフからシュラフに変更しました。
昔からの山の人達はシラフと呼びます。米川正利さんもシラフという言葉を使っています。

おはなし絵:Yonekawa Masatoshi
共著:Yonekawa Keiko , Saitou

※この記事は米川さんの絵本proofreadマガジンに掲載中です


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