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ことばに力が宿るとき

寄付をお願いする時、助成金の申請書、行政への提案をする時にことばを使います。

相手がそのことばを受けとめて理解をして、意味づけをして反応をします。

どういうことばを使うかによって相手の反応が変わってきますから、ファンドレイジングに関わる人にとってことばは大切です。

大切といっても時間をかけて作ったことばが全然響かなかったり、思い浮かんだきたことばが相手の人生を変えたりすることがあったりします。

ことばにすることを迫られた時に、適当なことばを置いていく人や、ことばにすることを諦める人がいます。

諦めてことばにしないと何も得られません。それは、寄付集めしていることを黙っていること、助成金の申請書を書かないことと同じです。

そして、適当なことばを置いていく人も、何も得られません。何も感じてもらえずスルーされたり、ネガティブな感情につながったりします。

どんなことばも相手にネガティブに響く可能性があります。

例えば、

  • 1人でつくったことばは、自慢話に聞こえてくる

  • なまなましいことばは目をそらしたくなる

  • 攻撃的なことばは、いつそれが自分に向けられるかと怖くなる

  • 自信のないことばは、嫌な自分をみているようでうっとなる

  • 目標意識が高いことばは、大切なことを見落としているような気がする

  • むずかしいことばは、知っているふりしないといけなくて疲れる

  • 否定や賛成のことばは、価値観を押し付けられそうで緊張する

  • 自信満々なことばは、自信のない自分を嘲笑しているようでいやだ

  • 少ないことばは、余白を無駄に考えさせられてずるいと思う

  • 多いことばは、意味を伝える気がない表れで無礼だ

  • 厳しいことばは、自分のせいにするための布石では?と用心してしまう

  • 批判を回避するための防御されたことばには魅力がない

こんな感じです。

相手にネガティブに受け取られるリスクを考えてしまうと、何も言えなくなってしまいます。

それでも、ことばにして伝えるのは、

・誰かの願いのことばには応援したくなる
・誰かの嘆きのことばには何かしなければと思ってしまう

そうした人の真心に触れられるかもしれない、そんな気持ちからかもしれません。

自分たちの団体のためのお金ではなく、その先にいる人たちに向かうお金を託してもらうためのことばづくりは尊い作業です。

ネガティブな感情をできるだけ持たれないように配慮しながら、ことばの魅力が伝わるように表現を練っていくのです。

ことばに力が宿るのは偶然ではなく、たゆまぬ努力の結果です。

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