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rakugaki_126「シン・ウルトラマン(※ネタバレあり)」


シン・ウルトラマン

「シン・ウルトラマン」を映画館で観ようと思ったのは、2016年に映画館で観た「シン・ゴジラ」が純粋に面白かったからです。

私は「エヴァンゲリオン」が特に好きという訳ではなかったのですが、2012年に東京都現代美術館「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」で公開された「巨神兵東京に現る」で、庵野秀明監督による特撮映画を短い映画ではありましたが観たことがあります。
なので庵野さんの特大な特撮愛も知っていました。
島田和彦の自伝的マンガ原作(もちろん基本フィクションですが)が2014年にテレビ東京でドラマ化された「アオイホノオ」も大好きで観ていて、そこに映し出されていた大阪芸大時代の庵野秀明の天才ぶりやウルトラマン愛も知っていました。

そして「シン・ゴジラ」を観に行ったのですが、これがメチャ面白かった。


●2016年7月29日公開「シン・ゴジラ」

シン・ゴジラ

今までの怪獣映画にはない、2011年に起こった東日本大震災をオマージュした描写や大震災などの非常事態に対する危機管理、政府・政治家たちや行政・官僚たちの右往左往する様、オタクなほどリアルな自衛隊の描写など、庵野節の数々にツボりました。
ゴジラ自体が進化形態によって姿を変貌するなど、今までのゴジラ映画とも一線を画す表現に魅了されてしまいました。

なので今回の「シン・ウルトラマン」には期待しかなかったのです。
コロナ禍になってから映画館に行ったのは初めてで、久し振りの映画鑑賞となります。
2018年に「カメラを止めるな!」をSNSの口コミで知って、まだ上映館が少ない中に観に行って以来かも。
ってことは、映画鑑賞自体4年近く振りですね。


●2022年5月13日公開「シン・ウルトラマン」

シン・ウルトラマン

と言うわけで観に行ってきました「シン・ウルトラマン」。
少し期待値を上げ過ぎたようです。ここからはネタバレ含みます。

序盤、禍威獣(怪獣のこと)が「ゴメス」「マンモスフラワー」「ペギラ」と立て続きに3体出てきますが自衛隊で何とか駆除できていました。
続いて出てきた「ラルゲユウス」を生きたまま逃したことから専門家チームの「禍威獣特設対策室専従班」通称「禍特対(カトクタイ)」が設立されました。
主人公、神永も禍特対の一員です。
禍特対を中心にした自衛隊は続いて「カイゲル」「パゴス」を駆除します。
つまり人類だけで何とかできていたんですね。
はい、人類が頑張ったのはここまで、この世界観を説明する冒頭数分までです。

次に出てきた透明化する禍威獣「ネロンガ」で、初めてウルトラマンが登場してスペシウム光線で倒します。
この登場シーンで禍特対の神永の命を奪ってしまったウルトラマンは神永と融合することで地球で生きていくことにしました。(この事実は後半に判明するのですが、幼い他者の命を守るために自らの命を失った神永、つまり地球人に興味を持ったウルトラマンが地球人のことをもっと知りたいと思い、光の星の掟を破って神永と融合したとのことです。)
最後に出てきたのが放射性物質を撒き散らす「ガボラ」で、もちろんこちらもウルトラマンが出てきて倒します。
ウルトラマンが現れたことで人類は全く活躍しなくなりました。
そしてここからは禍威獣ではなく外星人が出てくるようになります。
人類を絶滅させようと企む「ザラブ」は人類に対して、ウルトラマンが実は危険な外星人と思わせるためにニセウルトラマンとなって暴れます。
この時、ウルトラマンの正体が禍特対の神永だと世界中にバレてしまいます。
なんと早くも、正体がバレちゃうのです。
もちろんニセウルトラマンに化けたザラブはウルトラマンによって倒されます。
で、この時からウルトラマンこと神永は禍特対にいることができずに姿をくらますようになります。
次に現れた外星人「メフィラス」は人類の巨大化による外星人からの自衛手段を提供することで地球を独占管理しようと企みウルトラマンに共闘を申し込みますが、ウルトラマンとは相容れず決別し、あくまで邪魔をしてくるウルトラマンの前から諦めて身をひくことになります。

ここまで禍威獣、外星人を退けてきたウルトラマンですが、そのウルトラマンの前に同郷である光の星からゾーフィが現れます。
人類を巨大化することで地球人を生物兵器に転用できると広く外星人に知れ渡ったこと。
その道を示したのが人と融合したウルトラマン自身なのだと言うこと。
ゆえに争いの元となる人類を事前に滅ぼすと言うのです。
ウルトラマンは反対しますがゾーフィは聞く耳を持たず、最終兵器「ゼットン」を地球上空に設置します。
何と、こともあろうか光の星のゾーフィが人類を滅ぼそうとするのです。
そしてゼットンは禍威獣でもなく最終兵器として登場。
その姿、まさにエヴァンゲリオンの使徒そのものです!
半ば諦め気味の人類のために果敢に挑むウルトラマンですが、ゼットンによって無惨に撃ち落とされてしまいました。
人類はウルトラマンこと神永が残していたヒントをもとにゼットンを倒す計算式を解明するのですが、その計算式から導き出された方法でゼットンを倒したのは結果としてウルトラマン。
オリジナルだとウルトラマンが倒された後、人類が開発した科学兵器でゼットンを倒すのですが。。。
最後、別宇宙に彷徨っているウルトラマンをゾーフィが見つけ、ウルトラマンと神永を分離させ神永は禍特対のメンバーの元に戻ることができました。

「シン・ゴジラ」ではあの巨大凶悪なゴジラに人類は知恵と勇気と根性で挑みましたが、「シン・ウルトラマン」では基本ウルトラマンに頼りっぱなしで、専門家チームの禍特対ですらほぼ活躍するシーンはありませんでした。
そりゃぁそうですよねぇ・・・ウルトラマンなんですから・・・当然、ウルトラマンが禍威獣や外星人を倒していくことに主眼が置かれますよねぇ。。。
各所でウルトラマンをリスペクトしていることを感じられるシーンが見られるのは心地良いのですが、それにしても、もっと人類に頑張って欲しかったと言うのが本音の感想でした。


※記載時期は2022年5月30日です。

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