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【ワーママ転職#4】「35歳からの後悔しない転職ノート」のワークをやってみた

ものすごく直球なタイトルの本。
転職活動を始めた頃に購入しました。

著者の黒田真行さんはリクルート出身で現在は「ミドル世代専門転職コンサルタント」としてルーセントドアーズ株式会社の代表取締役をされてらっしゃいます。

"35歳のミドル世代"専門に転職支援を行っている背景として、実力に関係なく年齢だけで不採用になりがちな世代のもっと適材適所が実現できる方法がないか?という思いがあるようです。

ミドル世代の転職の実情とは?

この本を読んで一番良かったことはずばり”ミドル転職は、極めて難しいという事実が知れたこと”。


転職エージェントのHPや広告、ブログやSNS等で「30代後半でも転職できた!」「ワーキングマザーでも転職できる」というポジティブワードが溢れていますが、それはあくまでも一例であって普遍的なデータではないのだということを改めて認識できたのが収穫でした。

特に下記の本書からの引用部分は採用側の本音も知ることが出来て初めて転職活動のスタート地点に立てたと思います。

一部のスペシャリストで年齢不問の採用が増加しただけで「年齢の壁はすべてが崩れた」という、実態とかけ離れたニュースが独り歩きしていきました。
会社のホンネは、人件費も低く、定年までの残期間という観点でも長く働ける若い人材を中心に採用していきたいというものです。

ミドル世代の転職に必要なことは厳しい状況を認識しておく、複数の選択肢を手に持っておける状況を常に作っておくこと。

そして何よりも大事なのは"後でいくらでも書き直して構わない。とにかく自分の頭で考えた、ひとつの道しるべを作っておくことが大切"だというのです。 

自分の人生の舵を舵をきる為に、10年先を考えるために戦略立案ノートづくりのワークに取り組みました。

現在地を知り残りの時間を可視化する

仕事人生は意外と短い。
まず第一章は今自分がどこにいてこれからどこに向かうのかを知る為のワークを進めていきました。

25歳までの学習期
45歳までの加速期
65歳までの安定期
80歳までの円熟期
90歳までの静活期

今ちょうど加速期の折り返し地点あたりか・・・。
その折り返し地点で同じ会社で働きたいのか?もしくは2,3社と経験を積んでいきたいのか?をシビアに考えながら20歳~75歳の間が表のマスで表示されている「キャリア年表」の色塗りをするところから始まります。

大学在学中から卒業、就職から現在まで、リタイア後を塗りつぶしたものがこちら。

あれ、なんか白い部分(残りの仕事人生)が少ないと思われましたか?

正解です笑

リタイアとまではいきませんが、ここ数か月自分のキャリアに正面から向き合ってみたときに「企業で働く人生を一旦あと10年位続けてその後は複数の収入の柱をもちキャリアを横断した人生を歩みたい」と考えるようになりました。
残りの企業に属する人生を仮にあと10年と考えると一マスが1か月。途端に残りの仕事人生がものすごく短く感じてきました。

次は現職の会社の売上高・営業利益を書き出し見極めていきます。
旅行業界におりますので目に見えてコロナ禍の数値と下記引用部分がボディーブローのように効いてきます・・・。

業界の地盤沈下はリスクではない。
すでに危険は顕在化して
いる。

他責思考からは何も生まれない、自分の人生をどう舵取りできるか

転職活動で受動的なアクションでは結局はうまくいかないと本書では言い切られています。
そこで今までの会社人生でいかに常に「誰かにしてもらう」という受動的な立場に甘んじていたのか?本当にオーナーシップを発揮できていたのか?というワークに突入。
10つの質問のうち6つしかYESがつけられませんでしたー!

特に「やりたくない仕事や付き合いたくない人と我慢してやってないか?」
という質問は2つともNoでした。
仕事の役割としてそこを100%飲み込まずにいられるというのもなかなか勇気のいる選択だと感じてしまいました。 

チーム全体の調和や与えられた役割を全うしながら、自分でやりたいことを提案してきたので、やりたくないからという理由でバッサリ捨てられる勇気がない笑
そんな自分の仕事に対する姿勢や価値観が透けて見えてきたのも良かったです。

自分を見つける、向き合う

続いて第二章は「本当の自分に向き合う」ワーク。
こちらは自己分析ワークでよく取り入れられている様々なワークを通じて自己理解を深めていきます。

3・10年前/3・10年後の自分を描く
人生をエピソードで振り返る
不安を各項目別に分解する
各項目における自分のバイアスを探る

特に転職エージェントの方から「行動は残っている」というアドバイスから実際の業務メールや行動をベースにエピソードを集めていく作業は職務経歴書を作成するのに非常に有効でした。と同時に10年以上のメールを遡りエピソードをピックアップするのは骨が折れる作業でした・・・。

ポータブルスキルと転職の売りを理解する

第三章は特に本書の重要なエッセンスが凝縮されていました。
自分の強みは理解してもそれが転職で売りになるのか?というまさに「マーケット感覚」の重要さが説かれています。
特に異業種への転職を希望している場合は転職で持っていくことができるスキル=ポータブルスキルがどれだけあるかを理解することが鍵になる。

厚生労働省が定義したポータブルスキルの構成要素は以下の3つ。
②③の8項目を今までの業務を振り返りながら率直に答えていきます。

①専門知識・専門技術
②仕事の仕方

「現状の把握」「課題の設定方法」「計画の立て方」「実際の課題遂行」「状況への対応」
③人との関わり方
「社内対応」「社外対応」「部下マネジメント」

そしてポータブルスキルを意識した上で実際に何が売りになるのかを考えていきます。ポイントは「ヒト軸」ではなく、「コト軸」で考えるのが大事だと黒田さんは説きます。

つまり、職務経験という見方でなく、自分の経験でどう役に立てるかという見方をすること。
そこで求められていることは非常にシンプルでした。

・あなたの売りはどんな課題を解決してくれるのか
・どれだけの利益を会社にもたらしてくれるのか

この2つは徹底的に面接での自己アピールや自己紹介や受け答えなどで軸がぶれないように意識する!と心に決めました。

裏を返せばこれが出来るようになるには企業にどんな課題があるのかを探り、それに合わせて自分の経験で何が解決できるのかをアピールする必要があるということですね。

ハ、ハードル高・・・!!
もう需要と供給を真髄まで知り尽くした敏腕マーケターやんけ。
と読んでて思わずにはいられませんでした。(すみません)

しかしそれだけの戦略がないとミドル世代の転職活動は厳しいということですね。
そして具体的な判断基準となるまとめがこちら。

・定量的 > 定性的
・結果 > プロセス
・相手軸 >自分軸
・客観的 > 主観的

出来ているようで意外と出来ていないものなんですよね。
余談ですが転職エージェントの方によってはプロセスがより大事だから際立たせてするといい。とか、面接官が定量的より定性的な方なのでそちらのアピールもしてください。とか状況によっても変わってくるので臨機応変に対応していく必要がありそうだなという印象を受けました。

人生で一番大事なことは?墓標の言葉を考えた

最後の5章は「未来に踏み出す」です。
本当に必要なお金はいくらなのか。
本当のリスクとは何なのか。
本当の幸せとはなにか。
墓標になんとかかれたい?
人生の目的とは、幸せとはと確信に迫っていきます。
世界的に有名なビジネス書「7つの習慣」でも墓標について出てきましたが、実は本を読んだ時はスキップしてしまいました。

今回ワークを全て埋める。自分の頭で全て考えて時間をかけてもいいから書き出していく。ということを目的にしていたのでうんうん唸りながら書き出しました。

そうすると今まで振り返ったエピソードやグラフで手を動かして自分の特性と向き合ってきたことが、すとんと一つの言葉に集約できました。

35歳からの転職の思考法とは

本書を読んだ上で転職活動を進めていてよかったなと思った一節がこちら。

自分の思い込みで会社や職種を絞り込んでしまわないこと。
できるだけゼロリセットで考えてみる。
まずは手を挙げてみることです。
「興味があります。」「応募します。」とアクションを起こしてみる。
応募したからといって、ほぼ落ちてしまうのが現実です。

特に最後の一文!笑

応募するとほぼ受かると考えてしまう人が多い。とんでもない考え違いだと知る必要があります。まずは、応募してみることです。

加えて「27社応募して内定は1社」という転職活動の実態のデータを真摯に受け止めて、再度自分の転職活動を見直したいと思います。

同じ章の中で印象的なフレーズがありました。

市場価値という言葉に惑わされない。
あらゆる領域で市場価値が高い、などという人はいない

転職エージェント8社と面談をして感じたのが、「市場価値は」「転職市場では」というフレーズが出てくることが多いけど、「自分の市場価値って一体どれくらいなんだろう?」ということ。

黒田さんはその「市場価値」の定義自体に疑問を投げかけてくれます。

年収はあくまでも求職者が出せる能力に対して会社が値段をつけただけであって、自分の市場価値が最もマッチするところに行くのが転職の幸せなパターンだと答えています。

また転職エージェントの紹介料のしくみや紹介料のないハローワークや縁故(リファラル)採用が実際は多くを占めているというデータから、今後の転職活動の進め方について複数の扉から攻めていく方法も考えるようになりました。

35歳から地に足をつけた転職活動を考えている方には本当におすすめの一冊です。

ワークを全てコピーし、記入して1冊の本にしてみました。
私だけの「自分の頭で考えた戦略立案」

悩んだ時にはここに立ち返って書き換えていきたいと思います。

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