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深刻なパニック障害になったおバカな理由【不安障害闘病記①】

 不安障害について、最近はだいぶ正面から受け入れられるようになったので、何回かに渡って私の不安障害について書いて行きたいと思います。

 

 9月からうつ病と不安障害の治療を始めた私ですが、傾向はもっと前からありました。

 職場のストレスチェックで軽いうつ状態という結果が出たのです。
 まあでも、みんな同じくらいかそれ以上に仕事の愚痴を言っているし、大体こんな結果になるんでしょ、と思っていたら、どうやらみんなは違うらしい。
 ストレスチェックの『粗さ』は、精神科漫画でお馴染みの某先生も面白おかしく描いていたので深刻に受け止めるものでもないと今でも思っているけれど、そこがストレスを自覚し出した始まりでもありました。
 

 私は、ストレスを食で発散する人間でした。

 ストレスチェックの結果など忘れていた頃ですが、こんな記事を書きました。

 辛いものを食べることで、ストレス発散になると信じ切っていたのです。

 とは言ってもゴルゴ松本さんやあばれる君並に辛いものを食べる訳ではなく、好物は記事にも書いた唐辛子スナックと、ココイチの5辛でした。でしたっていうか、今も大好きです。

 ただ、ちょっとそれが、行き過ぎてしまった時期がありました。
 治療を始める数週間前のことです。

 ある日の休日、どうしても前日の仕事のイライラが治まらず、ココイチに行きました。

『ポーク三昧カレー5辛チーズトッピング』

 ヒレカツとロースカツが乗ってて煮込みの豚肉もたっぷり入ってます。ココイチのとんかつ、美味しいんだよね。大好き。

 汗をかきながら食べました。

 美味しい。

 でも、

 満たされない。

 
 満たされなかったんです。店を出て、すぐ向かいにあるマクドナルドに入りました。ポテトのLサイズ。マクドのポテト、全部美味しいけど、しなしなの部分が特に美味しいんだよね。大好き。

 貪りました。

 美味しい。

 でも、

 満たされない。

 
 その足で、サイゼリヤに入りました。
 イカスミパスタと、チーズたっぷりのピザと、白ワインのデカンタ。
 コスパが最強なので、サイゼ飲みは大好きです。

 
 満たされたのかわからないけど、その日はそれで帰りました。まだ明るい時間だったと思います。夕ご飯もしっかり食べて、寝ました。

 
 それが、私が過食に走ってしまった最初の日でした。

 
 それから、私のストレス発散は辛いものじゃなくてもよくなりました。
 とにかく、1食に3食分以上食べなければ気が済まない。
 職場のお昼休憩は恥ずかしいし動けなくなるので人並みの1食だったけど、その反動で夕食を食べる。

 食べたら吐くときもあったけど本当に時々で、そんなに深刻な摂食障害という程ではないなと思っていました。なぜか体重もそこまで変わらなかったので、これで私のストレスは消えて、元気に仕事が出来るんだ!と信じていました。

 
 ある朝、本当の本当に行き過ぎて、出勤前にトイレから出られなくなりました。

 乗るはずの電車に乗れなくて、職場には「寝坊したのでちょっと遅れます」と電話を入れました。食べ過ぎでお腹が痛かったなんて、恥かしくて言えなかったからです。

 職場は電車で1時間半程掛かるのですが、30分くらい乗ったところで強烈な吐き気に襲われました。
 たまらなくなって降りて、トイレに直行。
 もうその時点で、今日は仕事を休もうと思い立ち、もう一度電話をして、「実は吐き気が酷くて、やっぱり今日は行けなさそうです」と伝えました。

 その電話をした瞬間、気分がぱっと晴れて、その足でまたココイチに行きました。そして、向かいのマクドに行って、サイゼリヤに行きました。バカでしかないな、と、自分でも思いました。

 
 次の日は夕方からの出勤だったので、食べたい気持ちをぐっと我慢して人並みの食事をしてから電車に乗りました。

 乗った瞬間、「あれ?なんかおかしいぞ?」と、思って。
 その後の記憶がハッキリしなくて、ハッと気付いたとき、席がガラガラなのにも関わらず電車の運転席付近でしゃがみこんでうずくまっている自分がいました。こんな状態の人間に誰も声を掛けたりしてくれないんだなあ、と、冷静に世間に絶望しながらふと開いたドアの向こうを見ると、昨日、吐き気をもよおし降りた駅でした。
 いつもほど食べてないはずなのに、猛烈な吐き気に襲われました。

 降りちゃダメだ。二日も仕事を休んじゃダメ。

 言い聞かせて、フラフラと職場に着き、着替えて現場に行って上司に挨拶をしたら、開口一番「帰れ」と言われました。

 そんなに私は働けなさそうに見えるかい?

 ちょっと悔しかった。

 ただ、食品を扱う仕事のため、吐き気で何日も具合が悪いとなると、検査をしてもらって感染症ではないことが証明できないと働かせられないとのことでした。

 せっかく着替えたのに、と思いながらもう一度私服に着替え、仕方がないので、職場の近くの内科に行きました。

 そこでは、正直に話しました。
「吐き気が酷くて、嘔吐もしてて、食品を扱う仕事をしているので病院に行くように言われました。ただ、原因はわかってるんです。恥ずかしい話ですが、ちょっと最近ストレスで食べすぎてしまって」

 優しい先生でした。
 一応触診だけして、急性胃炎という診断で、仕事には支障がないという診断書を出してもらい、胃薬をもらいました。
 優しい先生は、「吐き気という点では問題がないけど、ストレスでそこまで食べてしまうのなら、仕事が身体に支障をきたしていることは間違いないから無理はしちゃダメだよ」と言ってくれました。

 そんなふうに言われたのが、私にとってはなんだか恥ずかしくて、頑張って過食をやめなきゃいけない、と思いました。
 その日は、軽く夕飯を食べ、大好きなサウナに行って整えて、食べたい衝動を抑えて寝ました。

 翌朝はスッキリ目覚めました。食べすぎないとこんなに体が軽いのか!と、驚きました。これが、かつては当たり前だったのに。

 スキップしたいくらい軽くなった体で通勤。
 しかし、電車に乗った瞬間また「あれ?なんかおかしいぞ?」と。

 満員電車だったので、しゃがみこむことはなんとか我慢していましたが、心臓が異常な程にバクバクと跳ねていました。
 そして、あの駅に近付くにつれ、猛烈な吐き気。
 そこで(テロと言われようが)吐けたら良かったんだけど、本当に吐き気だけで、吐けない。当たり前だよね、食べてないんだから。

 出したいものは出ないのに、涙があとからあとからこぼれて止まらない。具合が悪くて泣くなんて子供かよって恥ずかしくなったけれど、感情とは無関係な所で涙が出てくるんです。

 これが、私の初めてのパニック発作でした。
 

パニック障害になったおバカな理由→食べ過ぎ

 
 その後も同じことが続いたので、内科に何件かかかり本当に胃腸に異常がないか調べましたが、異常はなし。
 最初にお世話になった優しい先生の言葉を思い出し、心療内科の門を叩くことになりました。

 ……理由だけを書くと、おバカだなあと思います。でも、『理由の理由』は間違いなくストレスでした。今でも、ふと、食べたい衝動に駆られることがあります。

 食でストレス発散。したことある人、たくさんいると思うけど、それは、危険信号なのかもしれません。

 以上が、私の戦いの始まりのお話です。 

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