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原子力災害から復興に向けた「住民主体のまちづくり検討ワークショップ」(福島県富岡町)

 福島県富岡町では、令和6年度末に計画期間が終了する「富岡町災害復興計画(第二次)後期」に続く長期総合計画となる「富岡町災害復興計画(第三次)」の策定を令和5年度から6年度にかけて進めています。
 私たち福島相双復興推進機構では、富岡町の住民の皆さまが中心となった「まちづくり検討ワークショップ」を開催することによって、皆さまの意見・アイデアが反映された復興計画となるよう応援しています。
 
 富岡町には大きく「富岡地区」と「夜の森地区」があります。それぞれの地区でワークショップを開催して各地区の特徴を活かした将来像(イメージ)を描き、その後、両地区合同での意見交換会を実施して、両地区の一体的発展のためのまちづくりプラン策定を進めていきます。

 今回は、11月7日に開催された「夜の森地区」の第2回まちづくり検討ワークショップの様子をご紹介します。
 第1回ワークショップは今年6月に行なわれ、夜の森地区にお住まいの方や夜の森地区で活動されている方が、まち歩きをしながら夜の森地区の現況を確認し、まち歩きで気づいたことを共有しました。
 今回の第2回ワークショップでは、第1回ワークショップでの気づきを踏まえ、夜の森地区を4つのエリアに分けた上で、各エリアの全体イメージを共有し、意見交換が行われました。

1.各エリアの全体イメージ
(1)駅前エリア

  • 駅にはツツジやたくさんの花々が咲き誇り、訪れた人々を迎える。

  • 駅を中心におしゃれなカフェや個性豊かなショップが広がり、東西を人が行き交う。

  • 駅前商店街が復活して、買い物や飲食に来た住民や来訪者でエリア全体がにぎわい、地域のコミュニティの拠点となっている。

(2)駅東エリア

  • 桜並木・開花基準木をまちのシンボルとし、エリア全体に花の風景が広がる町並みが整備されている。歩きやすく安全な道路・住宅街となっている。

  • 夜の森公園は日常的に子どもが遊ぶ場所として利用される。また、古くからの祭りや新たなイベントが一年を通して開催され、歴史の継承や新たなにぎわいづくりの拠点となる。

  • 夜の森つつみ公園は自然を活かした整備が行われ、住民が日々の運動や散歩、ジョギングなどで利用している。

(3)駅南エリア

  • トータルサポートセンターを中心に、住民に向けた健康促進の取り組みが行われている。

  • 町民総合運動場や二中跡地では、スポーツ等のイベントが行われ、住民の交流の場としてにぎわっている。

  • エリア全体で子育て・教育、医療、福祉のサービスが充実し、子どもからお年寄りまで幅広い世代が住み良い町となっている。

2.第2回ワークショップの様子

 当日は、5班に分かれて意見交換が行われました。
① 夜の森の「今後の利活用」についての意見・アイデア出し
② 班ごとに出し合った、意見・アイデアの共有
 
 地域の歴史を詳しくご存じのベテランの方から若者まで、幅広い年齢層の住民の皆さまが世代を超えて活発に意見を交わしました。
 意見は班毎に地図上にまとめられ、参加者全員に共有されました。

一部ですが、当日の意見・アイデアの内容をご紹介します。

  • 夜の森地区の特徴である「桜」や「つつじ」を整備し、一年を通して彩ある景観をつくり、人と人との関りがある、歩きたくなる道を作りたい

  • 集合住宅には共用の庭を設けて、花と緑のあるコミュニティを作りたい

  • 町を花でいっぱいにして「花街道」を作ってみたい

  • 「夜の森」であるからこそ、緑豊かな「森」感のある閑静な住宅街を作りたい

  • 働く、暮らす、遊ぶが一体でできることが大切。自分たちが住んでいて楽しいまちづくりをしたい

  • 野外ステージを常設し、イベントをいつでも開催できるとよい

  • 「夜の森」という名前にかけて、不思議な「夜市」(ナイトマーケト)をやってみたい

3.今後の展開

 これからも住民主体のワークショップは続きます。来年1月~2月には富岡地区・夜の森地区の合同での意見交換会の開催が予定されており、引き続き、まちづくりプランのブラッシュアップが期待されます。
 
 私たち福島相双復興推進機構は、これからも富岡町の災害復興計画(第三次)策定の一助となるよう、住民主体のまちづくりプラン作成を応援していきます。


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