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手ぶらでネザーを冒険するように数学やると死ぬよ

これは自分と家庭教師先の少年との話。

少年は学校に友達はいるし、
親とも活発に話すが、
インドア派で先生には控えめで
口数が少なくなるタイプ。

勉強や授業は好きではないらしい。

でもYouTubeと動画編集が大好きで、
少年自身もYoutuberとして
マイクラの実況を何よりの楽しみとしている。


同級生が塾に通いはじめ、
勉強ができるようになる一方で

少年は塾に行けない。


どうやら問題がわからなくて焦る姿や
問題を間違える姿を見られるのが
涙があふれるほどツラいらしい。


だから塾に行けない。

親が教えようとしても
優秀な家庭教師をつけても
同じように悲しくて涙が出てしまう。


そんな折、少年の親から

少年と同じくインドア派で
性格も内向的で似ているし
数学が得意だからという無茶ぶりで

数学の家庭教師という体の
少年の遊び相手に強制就任した。


そこで自分は
少年からマイクラを教わる。

少年「マイクラして遊ぼうよ!」

自分「ん?なにそれ?」

少年「知らないの!?しょうがないなー!
   んじゃ教えてあげるよ!」

そこから意気揚々に
少年からのマイクラのスパルタ教育を受ける。


よしこれだ!と思ったので、


それから、家庭教師の日は
一緒にマイクラで遊んだら、
数学のYouTubeを一緒に見る作戦を展開。


ひとりでこそっとやるのが
好きそうなタイプだと判断したので、

こそ勉用の数学YouTubeチャンネルと、
予習・復習や動画の見るタイミングを教えてあげたら、大正解。

こそこそと見ることが増えて
たまにテストでいい点を取ることもあった。


ちなみに紹介したのはこちらの塾チャンネル

中学は数学以外の教科もあって
超ていねいでわかりやすい。
とても便利でありがたい。おすすめ。


出会った当時、
小学校5年生だった少年は、
今年、中2になった。


小学校の頃は、算数の動画を1回見て、
「ふーん。あ!そっか!」くらいでも
十分理解できるレベルだったが、


中学の数学になると、
数学のYouTubeを1回流し見しただけでは、

解き方が身につかない問題がたくさん出てくる。

方程式をはじめとした計算問題などだ。


テストの点も下がりはじめ、
数学嫌いがまた少し出てきてしまったので
急ぎ次なる作戦にシフトチェンジ。


数学をマイクラでたとえて理解する

見るのも触るのも嫌になりつつある数学をいかに楽しくするか。

作戦としてはシンプルに、
好きなものと混ぜる

「これはマイクラで例えると何かな?」

って考えながら、
一緒に数学のYouTubeを見て、
数学の法則や解き方を
マイクラで例えて理解する戦法にトライ。


たとえば

▶ 分配法則

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この形は、トライデントっぽいね!(投げた放物線が)

分配法則は、全弾命中するトライデントだね!

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▶ カッコの前のマイナス

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カッコの前にマイナスあるとやばいね。
カッコの後ろ、巻き込み事故食らって全部符号変わるよー。

このヤバさはTNTだ!符号が吹っ飛ぶね!

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▶ 分数形式の多項式の計算

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これはでかいぜ。
ゴーレム問題と名付けよう。
でっかいゴーレムが来たら、まず最初にどうやっつけよっか?

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といった形で、
数学とマイクラを混ぜて話す。


実際やってみると、
見るのも嫌な数学の嫌悪感は
だいぶ軽減されるようだ。

ひとりの時も、
マイクラで例えると‥って考えながら
数学に向き合えるようになってきてくれた。

よしよし、いい調子だ。

でも抱えている問題は
それだけではなかった。


中間試験とネザー

どうやら少年の数学のテストの点数と
成績は相当低いらしい。

本人が言いたがらないので、
具体的な点数は聞いていないが、

親の苦笑いの様子と成績を聞くと、
これはけっこうマズイぞというレベル。

あと一歩進むと
完全なる数学拒否モードで
問題が解けないところに落ちる。

何がわからないかが
わからないから、もう全部嫌い。
というやつだ。


「前回のテストってさ、
 どれくらいテスト勉強した?」と聞いて

「んー、色々やったよ。」
と言葉を濁した答えが返ってる。

(ああ、これ何もやってないやつだな。)


そこで試験勉強の重要性を
マイクラを使って伝えてみることにした。


自分「前回はテスト範囲のYouTube全部見た?」

少年「いろいろ見たよ。」


自分「全部見た?」

少年「全部じゃないけど…。だいたい

自分(あー、これほとんど見てねぇな…)



自分「テスト範囲の問題集は、何回やった?」

少年「え?何回…?


そこで、問うた。


自分「少年よ。
   もし装備ゼロ、道具ゼロで
   ネザーに行ったらどうなる?

少年「やばいね。」

自分「すぐにやられちゃうよね。」

少年「うん。」

自分「じゃあ、友達がさ、
   道具なし手ぶらのノープランで
   ネザーを冒険しようとしていたら、

   ネザーに行く前の友達に
   君ならどんなアドバイスする?


少年「そりゃダイヤ装備がいるって言うでしょ!


自分「だよね。
   きちんと装備整えて、
   道具たくさん持って行きなってなるよね。
   ダイヤ装備あればかなり戦えるしね。」

少年「うんうん。」



自分「これって、学校のテストも一緒だよ。」

少年「へ?」


自分「君は今月末、
   中間テストという名前の
   ネザーに戦いに行こうとしている。


少年「!?」

表情 ショック


自分「試験対策をしないでテストに挑むのは
   手ぶらでネザーに行くのと同じだ。
   即死が待ってる未来が見えるな。

少年「うっ!!」

驚き2


自分「前回みたいにYouTubeの数学動画を
   何本かちょっと流し見したくらいだと、

   木のつるはしとリンゴ1個を
   持っていくレベルかな。」


少年「つるはしはいらないよ。」

自分「動画見るだけは、つるはしレベルだよ。」

少年「マジ?!」

ショック


自分「マジ。
   問題集で間違えた問題を
   解き直してはじめて【剣】
かな。」

自分「解き直しただけなら木。
   まだ自信ないけど、
   やり直して理解して解けたなら鉄。

   しっかり理解して何度やっても
   解けるぜってなったらダイヤだな。」


少年「マジか…。」


自分「ダイヤ装備フルセットを
   揃えるまでしなくてもいいけど、

   つるはしじゃなくて、
   もう少し装備のレベルを
   上げてもいいと思わない?」

少年「うん…」

表情 ぴえん



自分「実際に問題を解いて練習するのが
   剣の強さをダイヤに近づけることだよ。」

少年「へー。」

自分「問題集に適当に答えをパーッとかいて
   全部バツつけて終わりじゃだめで、

   問題を解いて、間違えた問題は
   動画を見て、解説を聞いて
   どこをどう間違ってしまったのか知って、

   次、リベンジしたときは
   解けるようにするってことをやれば、
   君はダイヤ装備フルに近づけるよ。」


少年「なるほど」

自分「今日、自分が帰ったあと、問題やれる?」


少年「うん、やってみる。」

自分「ホントにぃ?(疑笑)」

少年「やるよぉー!」


ひとまずその日、

「試験勉強しないのは、素っ裸でネザー」

ということは理解してくれた(笑)



まとめ

少年はそう言ってくれたものの、
数学の試験勉強をするかどうかはわからない。

やるやらないは本人の課題なので、
踏み込まずに優しく見守るしかない。


けれど、わかったのは
好きなものを共通言語にして使うと、
嫌いなものの話もしやすく、理解しやすくなる
ということ。


好きと楽しいことと
苦手なことを混ぜると、
ちょっと好きになる。

というレベルに持っていくには
もう少し工夫が必要そうなので、

次回の家庭教師の日までに、
さらなるマイクラで数学大好き作戦を練ろう。



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