『青の時代』三島由紀夫
はじめに:実在した高利貸し今回は、女史の敬愛する三島由紀夫の、『青青の時代』を紹介する。本作は、実在した人物を描いた作品である。
戦後の日本で、地方の良家に生まれた主人公誠は、投資詐欺にあったことをきっかけに、高利貸しになる道を進んでいく。最終的には、多額の負債を抱え込み、二進も三進もいかなくなり、自殺をしてしまう。
戦後の日本の金融市場は急速に発達し、それと共に情報リテラシーのギャップも生まれた。ずるがしこい者はそのギャップを利用し、弱者から搾取する形で運用を行い、私腹