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小説

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記事一覧

『消滅世界』村田紗耶香

はじめに:普通が異常で異常が普通村田さんは、社会によって創り上げられた「人間は、大人は、…

『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

はじめに:メタフィクションの鉄板今回紹介する本は、メタフィクションの鉄板作品である。 作…

『テス』トマス・ハーディ

はじめに:ミソジニーテスは、英文学をかじった人ならば誰でも知っているであろう作品である。…

『イコン』フレデリック・フォーサイス

はじめに:屈指のスパイ小説本書はソ連崩壊後のロシアを描いたスパイ小説である。 実際にスパ…

『青い眼がほしい』トニ・モリソン

はじめに:貧しい黒人の少女今回は、女史が好きな本小説を紹介する。 これは、貧しい黒人の少…

『キャッチ22』ジョーゼフ・ヘラー

はじめに:重いがシニカルな戦争小説キャッチ22は、英語でも日常用語として使われるようになる…

『レベッカ』ダフニ・デュ・モーリエ

はじめに:甘いマスクを被ったサスペンス小説本日も小説を紹介したい。デュ・モーリエ著のレベッカだ。本小説は、恋愛小説の仮面を被ったサスペンス小説である。 純粋な心を持った主人公と、前妻を亡くしたというお金持ちで優しい紳士が出会い、恋に落ちる。彼らは結婚し、主人公の持つ立派で美しい屋敷マンダレイにて生活を送ることとなる。 しかし、その前妻が人々に残していった記憶や思い出の数々が、主人公を襲う。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnote

『愛の渇き』三島由紀夫

はじめに:人間の欲望本日は、女史が最も尊敬する小説家の一人、三島由紀夫の愛の渇きについて…

『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム

はじめに:生きるとは何か本作は、実話である。ALSに侵され、余命宣告を受けた大学教授モリ―…

『人間失格』太宰治

はじめに:恥の多い生涯恥の多い生涯を送って来ました。 この一文から始まる本著を読んだこと…

『レター教室』三島由紀夫

はじめに:異色の三島作品今回は、三島由紀夫の中でも非常に異色の作品を紹介する。題名の通り…

『斜陽』太宰治

はじめに:現代にも通ずるセオリー本作は、戦後没落していく貴族の家族を描いた作品である。戦…

『アウシュヴィッツの図書係』アントニオ・G・イトゥルベ

はじめに:絶望の中の楽しみご存じかもしれないが、女史はイスラエルとユダヤ人に多大な興味関…

『青の時代』三島由紀夫

はじめに:実在した高利貸し今回は、女史の敬愛する三島由紀夫の、『青青の時代』を紹介する。本作は、実在した人物を描いた作品である。 戦後の日本で、地方の良家に生まれた主人公誠は、投資詐欺にあったことをきっかけに、高利貸しになる道を進んでいく。最終的には、多額の負債を抱え込み、二進も三進もいかなくなり、自殺をしてしまう。 戦後の日本の金融市場は急速に発達し、それと共に情報リテラシーのギャップも生まれた。ずるがしこい者はそのギャップを利用し、弱者から搾取する形で運用を行い、私腹