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あの日のハリウッド

ハリウッドに行ったことがある。

自分が原作脚本作詞等を務めた作品の、ワールドプレミア上映でのことだった。

私はそれまで、観光でLAにすら行ったことがなかったので、初ハリウッドでいきなり上映でいきなりレッドカーペット。

英語でスピーチをしたり、質疑応答のトークタイムがあったり、サイン会でアメリカの方々と交流。

ハリウッドという場所でエンタメ観光をする前に、ハリウッドでエンタメを展開する側の立場を体感することになった。

ただ、現場では、どんどん起こることを体感しながら、次はこれかっ、これかっ、みたいな感じで、挑んで挑んでの繰り返しだったので、ある意味ハリウッドというテーマパークで「作り手が作品を発表する時のアトラクション」に乗っている超エンタメ感覚とも言えた。

レッドカーペットを歩けば、各メディアの方々から英語で質問が飛んでくる、それに英語で答えられる範疇は対応するけれども、かなり通訳の方に助けていただきながら、一歩一歩と進む感じ。

緊張とかそういうんじゃなくて、ここは一度入り込んだら

「もうやるしかない世界」

なんだなというだけで、ひたすらのぶっつけ本番。

レッドカーペットが終わってしばらくすると、知り合いから「電車で流れるニュースで見た」とか「NHKのニュースで見た」とか「今ロサンゼルスにいる!?」とかメッセージが入り始めた。

NHKの19時のニュースの頭のほうで私が猫耳をつけてバチバチに刺繍の入った特攻服で、作品のファンの方々からの寄せ書きが入ったフラッグを持ってレッドカーペットのパネル前で手を降っている姿ががっつりうつっていたらしい。

猫耳と特攻服のおかげだ。

だいたい、もうどんなに気取っておしゃれをしたって、どんなにきれいにしたって、ちんちくりんの私なんだからたかが知れてる。

しかも、目的は私をきれいに見せることではない。

作品のために目立つことだ。爪痕を残すんだ。クールジャパンだ!

にゃあああああああ! しゃああああああ!

みたいな感覚で行った。

ちなみに、作品は『少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR YOU』完全版というタイトル。

「ハリウッドってなんかすごくない?」

みたいな感覚で決まった『少年ハリウッド』というグループ名のアイドルがメインとなる作品。

ちなみに、作品の内容にハリウッドやアメリカは一切関係ない。

主人公たちの活動場は日本の原宿だ。

だからこの作品の原点となるものを最初に書いた時に、本当にハリウッドに行くとは思わなかったよ!

その初めて行ったハリウッドで、忘れられないエピソードがいくつもあります。

今日はその中の大好きなエピソードのひとつをご紹介しますね。

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