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私の小さな遊園地

さてさてこんにちは。
今日は私のお話。久々に無害なお話を綴っちゃうよ。もはや初めて説すらあるね、あはは(まあ真面目に注釈すると、ぱにゃにゃんだーの話とかは平和である)。


と、言いつつまずは悲しい雰囲気のする導入から入るんですけど←

私の生まれ故郷福岡にある「かしいかえん」という遊園地が、今年いっぱいで閉園してしまうらしい……

このことを知ったきっかけはマクドナルドのハッピーセットの広告でした。三十五周年を記念して、シルバニアファミリーが出てくるということでね。めっちゃ遊んでいた子どもなんですよ私。妹とさ、二階の部屋でケンカばっかりしながら(笑)懐かしくなって回顧のネットサーフィンを始めたんですけど(どうやら私の癖らしい。私は懐かしいものが好きなのだ。たまごっちとか、ラブベリとかね)、そういやシルバニアガーデンって、楽しかったよなぁって。かしいかえんが併設しているテーマパークで、文字通りシルバニアファミリーのお家とかお土産やさんを堪能できるところでして。

んで、そこを調べてみた結果、「閉園のお知らせ」という文言を見つけてしまったわけです……

理由はやはり、コロナによる経営難。ううーん、都合のいいヤツよな私って思うけども……こればっかりは辛い。

すごく、こぢんまりとした遊園地です。アトラクションはどれも小さい子ども向けのもので、お化け屋敷もなし、唯一あるジェットコースターでさえ、急降下とかグルンと一回転するコースもなし。まあ、私はお化けも絶叫系も全くダメなくそビビリなのでむしろ歓迎したいんですけれど。
正直覚えていることも、もう幼稚園児の頃のことなのでほとんどありません(生まれ故郷福岡と言いましたが、住んでいたのは幼稚園児時代まで。卒園と同時に引っ越して、そこからはずっと山口住まいです)。唯一はっきりと残っていることは、引っ越して一年経つ頃に幼稚園の頃の友だちの家族と約束してここに遊びに来たんだけど、お互い戸惑って何を話せばいいかわからないまま、ほとんど会話せずに終わってしまったなという後悔くらい。元気にしてるかな。親が仲良かったのもあるだろうけど、当時めちゃくちゃ気ぃ強くてハブられ者だったチビの私の、数少ない味方だった。と、その記憶くらいで、何かのアトラクションで遊んだ記憶は全然ないのです。

なのに、すごく寂しくなっちゃって。

最後にもう一回、行ってみたいな。そう思ってね。

というわけで、家族と行くことにしました。花が綺麗な季節がいいよねということで、有言即実行です。

普段写真を撮るのに苦手意識がありましてスマホのアルバムでさえだいぶすっからかんにしている人間なんですが、この話はnoteで語りたいなと考えていたのと、それともう見られなくなっちゃうってわかっている景色だったから、珍しくいろいろ撮らせていただきました。それらと共に、本日は旅行記を綴らせていただきます。避けてきただけあってクオリティが相当低いのですが、見逃してつかあさい。


さてさて入場するやいなや、かわいいお出迎えが。

こちら、ヒツジファミリーの女の子。ふふ、私のいちばんのお気に入りの子です。ユキちゃんと名付けとりました。私と妹は、全員に名前を付ける派だった女の子でね。割と安直な名前だらけだったけれども、お楽しみの一つだった。
ただ、思い出巡りをするにあたり命を吹き込んでいた彼女たち人形を思い出そうとしたんですけども、彼女ヒツジのユキちゃんと、くるみリスのクルミちゃん、シマネコのブラウニーくんくらいしか、もう名前が出てきませんでした。寂しい、ね。

閑話休題。
他にも、パーク内にはたくさんのシルバニアファミリーの仲間たちが待ってくれています。みんなかわええ。「かわええなこの野郎!」って心の中で叫び倒しとりましたしというか漏れでてましたよ、ええ。

こちらは、赤い屋根の大きな屋根の大きなお家のバルコニーに立つくるみリスの男の子。ただかしいかえんの景色を眺めてるんじゃなくて、誰かを待っているんじゃないかって、思う。


と、早速和みながら園内に入ることができたわけですけれども、今度はちょっぴり、ショッキングな光景。

最初見たときはみんなでぞっとしちゃいました。一瞬何かも理解できず。
それから父が気づいたんですけども、これね、かつてはきっと色とりどりの花で覆われていたんです。花で彩られた動物のオブジェだったんだと思う。それが、おそらく経営難でお花を育てるお金も足りなくなってしまったんだろうな、と。
推測が立ってしまうと、侘しい。この侘しさも、小説や絵画としては映えるとは思うんですけどね。でも、ねえ。後から調べたんですけど、ここは「花の遊園地」を称しているらしくて。そういえば確かに昔はもっと花で鮮やかだったイメージがあったんだけど、かなり緑ばかりになってしまっていた。このカバさんやゾウさんたちだって、寂しいよね。

私もあなたたちの可憐な姿を、ちゃんと覚えておきたかったな。


それから、「森のマーケット」なる(実際にそういった名前のシルバニアの建物もあったはず)シルバニアのグッズショップに向かいました。

これも懐かしかった。こんな、シルバニアの森を見せてくれる展示、確かにあったなって。いいよね、こういうパノラマ集めてつくるのとっても楽しそう。こん中で私が持っていたのは、一番奥にみえる赤い屋根のお家。パン屋さんとくっつけて暮らしとりました。店長はクルミちゃん。
グッズショップや雑貨屋さん巡りって楽しいよね。洒落やしなんか、愛を感じるのがいい。商品や飾りを並べた人の表情が目に浮かぶ。個人的なものって、すごく好きです。旅行の一番の楽しみとさえ言ってもいいかもしれんな。
と、見ることも存分に楽しみましたが、お買い物もしっかりさせていただきましたよ。誕生石のあしらわれたキーホルダーと……

この子。彼女ね、かしいかえんにしかいない子なんです。はなぞのウサギファミリー。素敵なお名前。日本各所に実はご当地ファミリーって点在してるんだけど、彼女たちファミリーが一番可愛いわよ(親バカ地元バカ)。
しかも私のペンネームにも隠れてるウサギさんだし? もうこの子は連れて帰るっきゃないっしょってね。はっきり言って行く前から決めとりました。最近の執筆作業なんかは、彼女をちらちら見つめて「ああかわいい。どうしてそんなにかわいいんだあなた」って話しかけながら行なってたぜ、えへへへへ。


それから蔦のアーチをくぐって(ここもきっと本当なら花で彩られていたんだろうな……!)、アトラクションへ向かいました。

ジェットコースター乗りたい!と妹は母と一緒にゴー。久々遊園地というものに訪れた彼女にはちょうどいいスリル感だったらしく、めっちゃスキップしながら「面白かったー!」って帰ってきました(笑)まあ、私はお化けも絶叫系も全くダメなくそビビりなので乗りませんでしたけれど(二度言わんでよろしい)
代わりに観覧車に父と乗りました。いや遊園地と言えば観覧車っしょ!←でかいガキがなんか言ってる
こちらも、ちっちゃな観覧車です(外装も撮っとくべきだった!忘れてた……)。でもパステルカラーが愛おしい。

めちゃくちゃいい景色というわけではありませんでしたが(これも花があればもっと美しかったのかもしれない)、遊園地と福岡の街を一望できました。やはり福岡はオシャレ。
さっきのグッズショップの展示もそうなんだと思うんですけど、私はパノラマを見るのが好きなんだろうなと眼下に広がる景色を見ながら感じとりました。そこに集まる、小さな物語たちを想像していくのが楽しい。物書きであり、人形遊びとなりきりごっこが大好きだった私の空想世界がいきいきとするんです。


……こうして私は、ちっちゃな懐かしの遊園地をめいっぱい堪能いたしました。
歩いている人を見るのも愛おしかった。やっぱり、ちいちゃな子どもが多くてね。森のマーケットの前にはなぞのウサギちゃんが来ていたんですけど、みんな「ウサギさんだー!」って駆け寄っていくんですよ。なんだこのハッピーな世界は(ちなみに父と妹は「中の人とお話ししてみたいねぇ」などとほざいてたんで、「なに夢ぶち壊してやがんだバカ野郎」と可愛さのカケラもない口調と声音で蹴っときました。こいつらはもうディズニーランドとか絶対行っちゃダメだ)。

しかし他にも、高校生や大学生くらいのお年頃のレディたちも来ているんですよ。私みたく、思い出を探しに帰ってきたのかなぁって。
もしそうなのなら、ちゃんとたくさんの人の思い出として愛されていたんだろうなぁと嬉しくて。そして切ない。


もう離れて二十年ほどになるけれど、福岡のことは今でもとても好きです。山口のこともなんだかんだ嫌いじゃないけどね。福岡はちゃんと都会で、行く度に新しいビルが建っていってどんどん新しくなっていくのを見れ取れるんだけど、それでいて緑や花もずっと大切にしてくれているのも感じられて、あたたかい。
覚えていることは本当に少ないんだけど、それでも第二の故郷としてあの日の散歩道や商店街を呼び続けていたいな。

そしてここもその大切な一つとして、ずっと私の心象風景に留めておくつもりです。

大好きだよ、かしいかえん!

はなぞのウサギの女の子は、ランちゃんと名付けました。らんらん♪と、スキップのラン。耳飾りがとても似ている気がしたから、あの観覧車の、ラン。

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