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そろそろPのことを書いてみようか。

〜書いてみよう!"Caravan"の仲間のこと3〜

今回はネタ山盛りの「P」で始まるワイン屋さんの話でだけでスペースを使い切ることになりそうなのでタイトルちょっと変えています。(サブタイトルに追加して、前回、前々回の続きを匂わせて(?)おります。)

まず、これは言っておきたい!「Plaga Wine」は美味しい!

*Plaga Wineはインドワイン、というお酒の輸入をしている会社のオリジナルブランドで、オーストラリアからブドウを入れ、バリ島のPlaga村で作られている国内ワインです。

世界最大のムスリム人口を有する国 インドネシアでは「お酒事情」は本当に厳しい。 その中ではバリ島は「世界有数の観光地」ということもあり、とても手に入れやすい環境。以前はコンビニでも買えたものであーる。(2015年頃に事情が変わりました) しかしヒンドゥー教徒がメインのバリ島を一歩出るとやはりイスラム色が強い土地がほとんどで、(私もいろいろな所に行った訳ではありませんが)普段そんなにお酒を実は飲まない私は困らないのですが、お酒が好きな方は大層困るそうな。 ビールはその中で比較的買いやすい。(バリ島はスーパーであればどこでも普通に買えますよ!)ま、そんな事情のこの土地で、お値段もお手頃で普通に美味しいワインは本当に貴重なのです。

私のブログを以前から読んで下さっている方はご存知の通り、2013年頃から"Caravan"という催事ツアーをお隣の本島ジャワ島のジャカルタや近郊の工業地帯チカラン、そしてスラバヤなどで行なっています。 そこで「バリより大変なアルコール事情」を垣間みた私でした。ビールなどお酒が普通に置かれているのは日系や中華系のお店であり、インドネシア人経営のほとんどのお店には置かれていないことが結構普通。

更に酒税がものすごく高いインドネシア。輸入のお酒はビックリする程高価!なので、海外に行って(主に日本)戻って来る在住日本人は「どうやってお酒を安全にたくさん持って帰って来るか」ということが度々話題に上がる程です。(皆さん秘策を色々お持ち)

*こういうスーパーで980円ぐらいで売ってるお酒は7000円ぐらいになってたりします。先日こういう箱入り量販梅酒が8500円ぐらいで売ってたのを見て3度見した。さ〜らりとした〜♪う〜め〜しゅぅ〜

それにつけても日本人のアルコールが好きなことよ!日本は「心配」になるほどに簡単に安くアルコールが買える国である、ということを皆さん是非自覚して下さい。そして、それは幸せであると同時に「危険」でもあるんだろうなぁ、と思う訳です。

さてさて、いつまで経っても話が「P」と出会う所に行かないので先へ参りましょう。

日頃から"Caravan"に新しい強力な出店者さんを、と考えている私は去年の夏の終わり頃、「絶対ジャカルタで需要がある筈だ」と尚美の野生の勘とリサーチによりPlaga Wineに接触致しました。(Pと省略) この時点では、単に「一消費者」である私(主に夫がボックスの赤ワインを買って家に置いて飲んでいる)が、如何に怪しく無く、Pさんに納得してもらってお互い楽しく"Caravan"に参加してもらえるのか。

ちなみに"Caravan"は私が主催をしていまして、素敵なモノを作っていらっしゃる、紹介している、楽しく出来る「素敵な方」に出店していただき、一緒にイベントを盛り上げたい、という強い思いがあります。その楽しい空気を、商品を、ご来場下さる方にご紹介して、共有出来たら、と思っているのです!

さて、まずは うちのジャカルタ人「チビメガネ」がPに電話。私が「怪しまれないように」と必要以上に回りくどく、メンドクサク、ネイティブでも無いインドネシア語で説明し、相手が混乱するのを避けるため、ドライで賢いこの人に最初は連絡してもらうようになっています。

もちろん、そんな「チビメガネ」であっても、ある程度の説明は相手にします。「こちらウブドのバッグのお店"sisi"と申します。私たち年に何度かジャカルタでバザーを行なっているんですが、そこへのお誘いです。興味があればお会いしませんか? そのバザーというのはですねぇ...」と詳細を話そうとした時、Pさんは

「はぁ...ジャカルタ〜?バザー?日本の??あー、なんか分かんないけど、話しましょっかー、良いっすよ。面白そー」

と、軽い、とても軽い、そして「良い」?お返事を頂きました。

日本でも同じだと思うのですが、会社だけに限らずですが、大きく分けて4つのパターンがあると思います。

「人は悪いが良い仕事をしている」

「人は良いが良い仕事はできない」

「人は良くて良い仕事をしている」

「人は悪くて仕事も悪い」

もちろんベストは「人は良くて良い仕事をしている」です。

早速数日後、サヌールの(お互いの会社の間を取って、ここ)おしゃれカフェで待ち合わせ。

待ち合わせ時間の10分程前に「30分程遅れまぁ〜す。ふふふ♥️」とPのマーケティングスタッフMさんからお電話が入る。 ま、電話が入るぐらいなんだから、バリでは奇跡の部類に入って良いと思うんだけれど、几帳面で先にまわって仕事をする「チビメガネ」眉間に軽くシワが入る...「怪しいなぁ」と。

待ち合わせの場所にちょっと遅めに私たちも到着して新しい約束の時間に。

もちろん...来ないMさん。電話も無い...

「ほ〜ら、私は知らないよぉ〜」という顔をしているチビメガネ。

結局15分程遅れてPのMさん、颯爽と登場!

*Plaga wineのサイトより引用

「うふふふっ!皆さん、お待たせぇ〜〜〜♥️」とにこやかな彼女はオランダとインドネシアの両親を持つそう。

天を仰ぐ「チビメガーネ」(何故かイタリア語風に)

ただ、ひたすら柔やかにご機嫌の彼女は、まるで「あぁ、オフィスを抜け出す良いキッカケになったわ〜〜」という感じ。1年彼女とお付き合いして一貫した印象は、この方はゴージャスで華やかで、そしてお祭り大好き!(あ、自分のことも。でも、これ大切)華やかに派手に売って行きたいPのコンセプトと合っているのだと思います。仕事遅いけど...

ミーティングに来てくれて、私たちの話を興味深く聞いてはくれているのだが、「そもそも、これ、なんの会だったっけ?」という表情に私ドギマギ。よし、最初から話しましょう、と 土俵までは出て来てくれたんだから、直接話するのは得意!の私。それもインドネシア語だし!

sisiがどういった会社で、いつからジャカルタに行き始めてて、イベントをしてて、たくさんのジャカルタに住んでいる方が会場に来て下さって。現在、ジャカルタではPの認知度が低いけど(というか、ほとんどゼロ)美味しいし絶対支持される、一緒にイベントしましょうよ!という内容に、最後の最後まで笑みをたたえながらもMさんは「???」と15度ぐらい顔が傾いていました。

ウブドに住む?日本人のあなた?バッグのお店でしょ? で、ジャカルタで?ワインを売る?それを日本人が買いに来る? あなたがなんでそんなことをしたいの?何故出来るの? なに?なぜ?なんなの???

ノリノリで話す私(口からなんか出てるし)の前で「ほとんど意味が分かってない」Mさん。

でも、彼女の、というか、この会社Pのすごいところは「よく分かんないけど、やってみよかっか♪」とその場で決めちゃったこと。

そして、更に何を思ったか、私の「存在」「立ち位置」がイマイチ分からない初対面の人間なのに、同じインドネシア人であるチビメガネに「NaomiさんはSNSとかアクティブにしてるのかしら?影響力のある人なのかしら?」と別件でこそこそ聞いている。

私は「う〜ん、怪しまれてるのかなぁ。やりましょ、ってなったけど、絶対腑に落ちてないみたいだなぁ、それで良いのかなぁ、、、」とパソコンでイベントの写真を見せてみたり過去の実績を伝えたりしているのに聞いていない。 そうしてるうちに突然チビメガネが「WOW!それ、絶対良いと思う。イブ、(メガネは私のことをそう呼ぶ)YES、って言いなさい!YESって!」と突然肩をつかんで揺すられることに。 

なに、なに、なにがYES?? Pは意味が分からなくてもYESって言うけど、私は言わないよ、NO!と言える日本人だよー

「アンバサダーになりませんか?って言われてるの。日本人のアンバサダー!イエス、って言うの!」と。

「アンバサダー」と聞いて思いつくのはインドのこのイカした車。

* http://www.pinesclub.co.jp/india-goods/car/abd.html こちらの素敵な雑貨屋さんでご紹介されています。

「影響力あるでしょ!」と言われ「近年そんなに無いと思う」と素直に言う私に「バカ!ジャカルタに暮らす日本人女性はあなたのSNS比較的見てくれてるでしょ?だから、良いの! SAY YES!(チャゲアス?)」とすごい迫力でチビメガネと、その時一緒に来ていた彼女の同じくジャカルタ人の友達の「のっぽメガネ」が言うから「あ、はい、はい、私はアクティブです」と訳の分からないまま SAY YES」(NO、言えるんちゃうかったのか、私)

ウブドに帰って教えてもらったことだけれど、「アンバサダー」というのは平たく言えば「宣伝大使」? いろんな場面でPのワインを紹介してね♥️ということだそうです。

お酒は毎日飲む習慣はありませんが、ワインは好き。更にバリで一番飲んでるのは 元々Plaga Wineだったもので、あちらの「影響力がある人」という読みが当たってるのか外れてるのかはともかく、私は非常に嬉しい♪

「でも、私で良いんだろうか?」と言ってたら「いつもそんなことばっかり言ってるからダメなんだっ!」と夫とチビメガネに怒られた。

*こういう↑写真を撮ってSNSやブログでご紹介。実際、お友達やお客さまに味見して知って頂く活動も。

しかし、どうもこの話とジャカルタのイベントは全く別物だったらしく、「なんか、せっかくだし、うちはジャカルタにもオフィスあるし、一応 イベント一緒に出してみるけどさ、日本人に買ってもらうってどうすんのー?ま、ネタになるし、とにかくやってみっか!」というスタンスの彼ら。

いやいや、本気本気、伝説を作りたい!ぐらいの気合いの私。

この「やる気」のバロメーターは「mg」と「トン」、の差ぐらいありました。もう、その後、噛み合ない噛み合ない! 今となってはP会社のスタンスというか、「あぁ、やっぱりそこ」というのが分かったから私が全部決めて「はい、登場!華やかに〜〜🌸🌸🌸」としたら良いのだ、と分かりましたが、元はお酒の輸入の会社、きっとしっかりして、大きな会社なのだろう、と遠慮?していたのが災いしました。

 連絡を待っていたら来ないし、決めて、とお願いしたら「何が?」と。私も18年やって来ましたが、これだけ「立派そうに見えて、中は屋台と同じぐらいの緩さ」(屋台でしっかりやってるお店には負けてる)という差があるところも珍しい。勉強になりました!

 最初のイベントはいつものsisiが行なっている平日午前中の主婦の方を対象にしたBAZAAR(広い場所を借り、たくさんの出店者さんが参加して行なう催事)に参加、そして更にもうひとつ働く人、男性陣を対象にした週末夕方からのもの、と2つ予定していたのに、見事に後者が不発...で「とにかくいつものバザーに参加はして!」となりました。 「会場は私たちが決めるわ!お任せっ」なんて言ってていつまでも決まらなかった。日本人は「来週イベントあるから来てね」では困るんです、と何度も言ったけれど、あちらは「何故そんなに早く決めなくちゃならないか意味ワカンナーイ」だったよう。

「いつもド派手なイベントやってるけれど(CLUBやホテルのプールサイド、音楽イベントなどなど)、それで売れるワインは何本ぐらい?」と聞いた所「え〜、その時にも寄るわよね〜〜、ふふふ。ま、でも、平均して100-150本ぐらいかしら〜〜。あなたのイベントどんぐらい?」とP。

日本の方はやっぱり「ワインが大好き!」
購入しづらい、そしてワインが高いこのジャカルタで予想通り「圧倒的な需要」がありました。今まで「国内ワイン=HATTEN」(老舗のバリ産ワイン)のみだったジャカルタ在住の日本の皆さんにPlaga Wineというチョイスを知って頂く大きな一歩だったと思います。
それも普段ジャカルタではカルフールなど大きいスーパーで数種のみRp.26万から27万販売されているPワイン。"Caravan"での直売会ではそれがRp.19万弱で売られたのですから!

18年もバリに居て、誤算だったPさんの動きに翻弄され、どうなることやと思いましたが、やはり私も伊達に18年間バリに居ない! 販売数の予想を立てる為に「ご予約」を前もって頂くようにしたのが本当に良かった。
トータル100-150本、と言われた時に「いや、"Caravan"には通常250名ぐらいの方々が来て下さる。皆さんが購入されるとは思わないけれど、おひとり1本、ということも無いと思うから、250は固い筈。300ぐらい売れるんじゃ無い?」と言った私。

それが340本ほどのご予約を頂き 更に当日販売用のストックは「倍は必要な筈だ」と大慌て...の筈が。Bazaarは基本「前日搬入」。*ジャカルタの交通事情は本当に悪く、渋滞が酷い!歩いて15分、車で1時間なんて事はざらに起こる街。特に朝は通勤ラッシュで時間が読めない。

商品が小さい、数がそんなにない店舗さんは当日でも良いよ、というスタンスなのですが、数が多くかさばるPはもちろん絶対絶対に前日搬入せねばならないのに「大丈夫大丈夫」と余裕に余裕をこいたP。開場が8:30で、当日搬入のお店さんが7:30ぐらいから来るにも関わらず8:15に既にお客さまが並び始めて下さってる横

あれだけ「前日搬入!」と言った私に「遅れる訳が無い、早朝に着く!」と言っていたPチームが焦って走る...いや、最初は走っていなかった。ちなみに、このカートを8往復ぐらいした訳で...会場と車がある場所は150m程離れていて...積んで下ろして積んで下ろして。 当然のことなら開場には間に合わず。

とにかく開場して2時間がBAZAARの勝負である!と言っていたのですが、結局最終的に650程のアイテムが(予約含む)売れ、大喜びのPさん。(あの時ご迷惑おかけしました、そしてご購入下さったお客さま、本当にありがとうございました。)

最後はニッコリ「大成功でした😀と。

いやいやいや... 大反省会が待っている、と思って下さい、と私。とは言え、ジャカルタで日本のお客さまからそんなに需要あるの〜〜?と半信半疑だったP。 田舎のウブドの日本人のカバン屋が行なうイベント、ってそんなにお客さまいらっしゃるの?と思って「面白半分」参加したイベントでそんな結果が待っていると誰が想像したでしょう? 私も腰が抜けそうでした。

そこから私への対応も「ふ〜ん」ってモノだったのが「次のイベントは?アンバサダー尚美!期待してるよ!」と前のめりに言って来られるようになりました。しかし、会社の、というかスタッフの能力というものが飛躍的に変わるものではなく、「いやー、尚美さん、まじビックリね、あんなイベントやってるのね!やるじゃ〜〜ん」という感じです。

あの後何度と無く(6-7回)行なった"Caravan"バザーにPさんをお呼びしておりますが、全く問題無く受注、搬入、販売、となったのは たったの1回(小さい会場の小さいイベント)のみ。驚愕の確率で同じ過ちを繰り返しております。「今回はスパークリングワインが目玉!」といった時に寸前に「スパークリングワインの在庫12本でした!てへ♥️」と言ったとき、グーで叩いてやろうか、と思ったのですが、その寸後に欧米の大学を出て、素晴らしい英語を話す横分け開襟シャツのPのマーケティングの上の方の人が「ごめんごめん、尚美怒ってる?怒らないで〜〜。えへへ〜」と笑っていたので力が抜けました。

*え?なに?白ワイン冷やす?良いよ。 (良いよ、ってなんだよ)え?氷?無いよ、ここのレストランでもらえる?ダメ?と横分け開衿のGさんはもちろんPの人。「インドネシア語が苦手だから英語で話してくれる?」と最初に言って来たのはこの人です。そして散々また私にダメ出しされた後「いやぁ、皆さん、日本の女性は本当に美しい人ばっかりで楽しいなぁ〜。また誘ってね!」とニヤニヤしながら上手な英語でそれだけはハッキリ言った。

私、もうあなたたちに本気で怒るのは止めるよ。

うちの子供たちに言うように「無理しないで頑張って、出来る範囲でやろうね♥️」と。 良いワイン、無邪気に失敗し続けるスタッフ、そしてそれを許して下さる優しいお客さまに見守られ、Pは楽しくやって行くのでしょう。

直近の"Caravan"バザーにも、もちろん出遅れて来たPチーム。開場前から並んで下さっているお客さま50名程に私が「すいません〜!いつもの通りPが準備まだ出来ておりませんので、P以外のお店さんから先に見て頂けますか〜〜〜!」と声かけしていると、数名のお客さまが苦笑では無く、優しい笑みで「いつもの、ですか?sisiさん、大変。ふふふ」と声をかけて下さいました。 もう、ジャカルタでは認知されているPの「おとぼけ具合」、きっと日本では受け入れてもらえないのだろうな...
ダメな弟を見ているようで「ダメはダメなんだけど、今回も許してやって下さいね」と思ってしまう、もしかしたら本来私もインドネシア以外では「ダメ」な部類の人間なのかもしれません。

*前日搬入に来たものの、箱だけ置いていつの間にか居なくなったPスタッフ。当日、やはり遅れて来たのだった... アメージング!

長い長い「P」の話に最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございます。私が今回のブログで伝えたかったのは「分からない人・知らない人」(その感覚、世界を知らないという意味)に伝えるプロセス(ほとんど失敗していますが)、懲りない「タフさ」、そして それを受け入れる世界がある(インドネシア)ということです。

結局「P」、バカじゃないの?で是非終わって欲しく無い、そんなちょっとした夢のある「現代のお伽話」?のような不思議な現在進行形のお話です。

「はぁ、、、そんなもんなんだぁ」と思って頂けたら幸いです。


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