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パリのヴェルサイユ宮殿【フランス】



1.概要

・ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)の概要
ヴェルサイユ宮殿は、フランスのルイ14世の命令により建設された壮大な宮殿であり、フランスの絶対王政の象徴として知られています。この記事では、ヴェルサイユ宮殿の歴史、建築、見どころ、そして現代における役割について詳しく紹介します。

2.歴史背景

・宮殿の建設の経緯
1661年、ルイ14世がヴェルサイユ宮殿の拡張を命じました。宮殿はもともとルイ13世の狩猟用の離宮でしたが、ルイ14世はそれを壮大な宮殿へと変貌させ、政治と文化の中心地としました。ヴェルサイユ宮殿は、フランスの絶対王政の象徴であり、宮殿の建設とその歴史を通じて、王の権力と威厳を示すことが意図されていました。

3.建築とデザイン

宮殿の建築スタイルと主要な建築家
ヴェルサイユ宮殿は、バロック様式を取り入れた壮大な建築物であり、建築家ルイ・ル・ヴォーとジュール・アルドゥアン=マンサールによって設計されました。庭園のデザインは、アンドレ・ル・ノートルによって手がけられ、対称性と広がりのある美しいデザインが特徴です。宮殿内部には、豪華な装飾が施され、数々の芸術作品が展示されています。

4.主要な場所と見どころ

鏡の間(La Galerie des Glaces)
→ヴェルサイユ宮殿最大の見どころである鏡の間は、1678年から1884年にかけて建設されました。ジュール・アルドゥアン・マンサールが設計し、シャルル・ル・ブランが装飾を担当。全長73m、幅10.5m、高さ12.3mの鏡の間には、当時非常に高価だった鏡が357枚も使われています。鏡の間は、バロック建築の第一人者マンサールの建築と室内装飾家ル・ブランの装飾が一体化した総合芸術の傑作と言えるでしょう。。

王室の寝室(La Chambre de la Reine)
ルイ14世が王妃マリー・テレーズのために作った部屋で、その後ルイ15世の王妃マリー・レクザンスカ、1770年から1789年までルイ16世の王妃マリー・アントワネットの寝室でした。王妃の私生活は起床から就寝まで公開され、公開出産もこの場所で行われました。この部屋で19人の王子と王女が誕生しています。
王妃の寝室には隠し扉があり、1789 年 10 月 6 日に暴徒たちが宮殿内に侵入したとき、マリー・アントワネットはこの隠し扉を使って王の部屋まで逃げました。

王室礼拝堂(La Chapelle royale)
王室礼拝堂は王家の祖先で守護聖人でもある聖ルイに捧げられた礼拝堂で、建築家ジュール・アルドゥアン・マンサールによって1698年から1710年にかけて建てられました。三位一体をテーマにした天井画とロベール・クリコ作のパイプオルガンが目を引きます。王室礼拝堂は上下2層で構成されており、上階は王族・宮廷要人の礼拝堂で、下階はそれ以外の信者を受け入れました。1770年にルイ・オーギュスト(のちのルイ16世)とオーストリア大公マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットの結婚式がここで行われました。これにより長年対立していたフランスのブルボン家とオーストリアのハプスブルク家が姻戚関係を結んだのです。

ヘラクレスの間(Le Salon d’Hercule)
もとは礼拝堂でしたが、ヴェネツィア共和国からルイ14世に贈られたパオロ・ヴェロネーゼの巨大絵画《パリサイ人シモン家の宴》を飾るために改装されました。フランソワ・ルモワンヌによって描かれた天井のフレスコ画《ヘラクレスの神格化》が広間の名前の由来になっています。

庭園
→フランス式庭園の最高傑作と称されるヴェルサイユ宮殿の庭園を設計したのは、ヴォ―・ル・ヴィコント城の庭園やパリのチュイルリー公園を手がけた造園家アンドレ・ル・ノートルです。フランス式庭園とは、17世紀から18世紀にかけてフランスで発達した庭園様式で、左右対称の幾何学的な構成を特徴とします。美しく剪定された木々や花壇、噴水など造形的な美しさは、フランス国内のみならず、世界中の造園に大きな影響を与えました。ルイ14世は庭園にも強いこだわりを持ち、その中でも特にこだわったのが噴水でした。庭園内には55ヶ所に泉水がありますが、荒野だったヴェルサイユには水源がなく、大きな課題となりました。しかし当時の職人たちの技術とノウハウにより、「マルリーの機械」と呼ばれる巨大揚水装置が設置され、10㎞離れたセーヌ川から水を引くことに成功しました。ルイ14世は庭園を一般市民にも公開し、自然をも征服する王の偉大さを見せつけたのです。

5.歴史的イベントと重要な出来事

・ヴェルサイユ条約の締結
ヴェルサイユ宮殿は、1919年に第一次世界大戦を終結させたヴェルサイユ条約が締結された場所です。また、フランス革命の際には、宮殿は革命軍によって占拠され、王政の終焉を象徴する出来事が数多く起こりました。

6.現代のヴェルサイユ宮殿

観光地としての宮殿
現在、ヴェルサイユ宮殿はフランスの主要な観光地の一つであり、年間数百万人の観光客が訪れます。また、様々な展示会や文化イベントが開催され、宮殿の維持と修復活動が継続的に行われています。

7.見学方法

★公式サイトから事前予約 or チケット窓口で購入

公式サイトから事前予約
ヴェルサイユ宮殿のチケットは公式サイトで事前購入できます。オンラインで事前購入をしておくと、当日チケットの列に並ぶ必要はなく、スムーズに入場ができます!

手順は以下のとおりです
1.公式サイトにアクセスする
2.「チケットを選択」を選択する
3.訪園日・見学時間を選択する
4.チケットの枚数を選択する
5.会員登録をする
6.支払い情報の入力する
7.予約完了メールを確認する

チケット窓口で購入
1.ヴェルサイユ宮殿の正門に向かって右側の建物(チケットセンター)に行く
2.空きの入場枠の中から希望する日時を指定してチケットを購入する
3.現金、またはクレジットカードでお支払い

8.チケット料金

ヴェルサイユ宮殿のチケットは、さまざまな種類があります。どのチケットを購入したら良いのか迷ってしまいますが、まずはどのエリアを見学したいのかを確認しましょう。

見学エリアは大きく分けて宮殿・離宮・庭園・公園の4つあります。チケット料金はどのエリアを見学するかによって変わってきます。またヴェルサイユ宮殿では、年間を通してさまざまなイベントが行われます。イベントのある期間中は、料金に変更がありますのでご注意ください。

主なチケットの種類と料金は以下の通りです。

【1日パスポート】
宮殿、離宮、企画展、馬車ギャラリー、彫刻と鋳造のギャラリー、庭園、公園への入場可
大人32€
18歳未満無料
26歳未満のEU圏居住者 無料

【1日パスポート+プチ・トランの往復】
宮殿、離宮、企画展、馬車ギャラリー、彫刻と鋳造のギャラリー、庭園、公園への入場可
大人39€
18歳未満無料
26歳未満のEU圏居住者 無料

【1日パスポート+馬のショー】
宮殿、企画展、馬車ギャラリー、彫刻と鋳造のギャラリー、庭園(庭園イベント期間外)、公園、ヴェルサイユ馬術アカデミーのスペクタクルへの入場可
大人56€
18歳未満無料
26歳未満のEU圏居住者 無料
※馬術アカデミーのスペクタクルは有料(学生(12〜18歳)22€/12歳未満16€)

【ヴェルサイユ宮殿のみ】
宮殿、企画展、馬車ギャラリー、彫刻と鋳造のギャラリー、庭園、公園への入場可
大人21€
18歳未満無料
26歳未満のEU圏居住者 無料

【離宮(トリアノンゾーン)】
離宮(グラン・トリアノン、プチ・トリアノン、王妃の村里)
企画展、馬車ギャラリー、彫刻と鋳造のギャラリー、公園への入場可
大人12€
18歳未満無料
26歳未満のEU圏居住者 無料

庭園イベント【Grandes Eaux Musicales】
2024年3月30日から2024年10月27日までの期間限定の噴水ショー&庭園ミュージカル
大人10.50€
子供(6〜17歳)9ユーロ

庭園イベント【Jardins Musicaux】
2024年4月2日から2024年10月31日までの期間限定の庭園ミュージカル
大人10€
子供(6〜17歳)9ユーロ

庭園イベント【Grandes Eaux Nocturnes】
2024年6月8日から2024年9月21日までの期間限定の噴水ナイトショー
大人32€
子供(6〜17歳)28ユーロ

9.アクセス方法

★ 電車 or 車

★電車
パリ市内からヴェルサイユ宮殿へはRER(イル・ド・フランス地域圏急行)やTransilien(フランス国鉄SNCFのパリ近郊列車)があります。

RER(イル・ド・フランス地域圏急行)で行く場合
RER C線パリ市内の最寄り駅からVersailles Château Rive Gauche(ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ)駅下車
乗車時間約30分
ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅からヴェルサイユ宮殿まで徒歩約10分

Transilien(フランス国鉄SNCFのパリ近郊列車)で行く場合
Transilien N線 Montparnasse(モンパルナス)駅からVersailles Chantiers(ヴェルサイユ・シャンティエ)駅下車
乗車時間約20分
ヴェルサイユ・シャンティエ駅からヴェルサイユ宮殿まで徒歩約25分

Transilien L線 Saint Lazare(サン・ラザール)駅からVersailles Rive Droite(ヴェルサイユ・リヴ・ドロワ)駅下車
乗車時間約35分
ヴェルサイユ・リヴ・ドロワ駅からヴェルサイユ宮殿まで徒歩約20分

★車
パリから車で行く場合、
A13号線に入り、D182 →D185の順に進む
所要時間約30分

10.基本情報

ヴェルサイユ宮殿(Palace of Versailles)の基本情報
住所:Place d'Armes, 78000 Versailles, France
電話番号:+ 33 130837800
営業時間:9:00~17:30(宮殿)、12:00~17:30(トリアノン宮殿)、8:00~18:00(庭園)
休業日:月曜、1月1日、5月1日、12月25日は休館
アクセス:パリ市内から電車と徒歩で約35分〜50分
料金:チケットにより異なる
公式サイト:https://en.chateauversailles.fr/

11.まとめ

読者の方へのメッセージ
ヴェルサイユ宮殿は、フランスの歴史と文化を象徴する重要な遺産です。その壮大な建築と美しい庭園、そして歴史的な出来事により、訪れる人々に感動を与え続けています。ぜひ一度訪れて、その素晴らしさを体感してみてください。

12.写真

正門(王の門)
『王室礼拝堂』
『鏡の回廊』の入口
『鏡の回廊』
『鏡の回廊』
『鏡の回廊』
『平和の間』
フランソワ・ルモワンヌ作『ヘラクトスの神格化』

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