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見上げればほら、青空が広がっている

どうやって鬱から回復したかって?わたしの場合は、とっても単純だった。

 ある朝、17歳年の離れた弟から、「森に野鳥観察に行こう」と誘われた。3ヶ月も引きこもりをしていた私だったが、重たい心と体を引きずって、出かけることにした。5人兄弟の末っ子で、17歳も年の離れた弟は、長女のわたしにとってはベイビーみたいな存在で、彼の誘いを断れなかったのだ。

北海道の冬の森。クリスマスツリーみたいな、背の高い針葉樹林の間の小道を歩き始める。今年はどっさり雪が積もっている。まだ新しい白い雪の上に、足跡をつける。パウダースノーの上を歩くと、片栗粉みたいに、キュッキュっという音がする。

久しぶりの運動に、息があがっていくのを感じていた。森の匂いを吸い込んだ。冷たくてクリアな空気がわたしの身体中を駆け巡って、身体中を浄化してくれた。

" わたしは生きている... "

 少し進んだところで、弟がこう言った。「姉ちゃん!あそこに鳥がいるよ!」弟の指差した方向に目を向けた。眩しかった。木々の枝の合間に、青空が広がっていた。久しぶりに空を見た。

” そうか、わたしは最近ずっと下を見続けていたんだ。見上げれば、青空はわたしの頭の上に広がっていたんだ。"

急に視野が開けたような気がした。

〜つづく〜


《あなたの上には青空が広がっている》

人生には、予期せぬ辛い出来事が突然訪れたり、人に言えない悩みを抱え、苦しんでもがいたりする時期がありますよね。

私たちが苦しみの中で、明るい光を見出せない時、背中が丸まり、肩を落とし、目線が下向きになりがちです。物事のネガティブなサイドにばかり、気持ちがいってしまい、幸せを感じられない状態が続いてしまいます。

前向きになろうとしても、気持ちを切り替える作業は、大きな変化なので、とても勇気がいることです。では、心へのアプローチを一旦おやすみして、体にアプローチをしてみるのはどうでしょうか。

自然の中に出かけ、空を見上げてみましょう。空を見上げると、胸が開きます。心の窓を開いて、太陽のエネルギーをいっぱいに吸い込みましょう。

人生の暗い面をフォーカスするのも、明るい面をフォーカスするのも、あなたの自由です。

でも、もしもあなたが、今の状況から抜け出したいという気持ちが少しでもあるのなら、見上げてみましょう。あなたの上には、いつも青空が広がっています。そして、あなたを優しく包みこみ、ありのままを受け止めてくれる人たちの存在があることを、思い出してくださいね。




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