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ラストシーンから書いている

ポメラを買って、説明書片手にぽちぽちキーボードを打ち始めた。
今まで書き溜めた原稿用紙は脇に置いているが今のところ写してはいない。
LINEのメモに入力していた文章をメインに、思い浮かんだことをつけ足すようにしながら書いている。
小説の最初から順に書くのでなく、ラストシーンに近いところから書いている。いちばんその時書きたいところから。だんだん遡る形で物語のはじまりを最後に書くことになるかもしれない。順序なんてどうでもいい、あとで並べ換え、組み合わせればいいのだから。

家族にまつわる部分以外はほぼ実話なのだが、創られたような話である。現実っぽくないのだ。これを書くために出会い恋愛したのかとさえ思う。だから破局でなければならなかった。当時の恋愛にまつわる手紙や写真は一切残っていない。何も証拠がないからほんとうにあったことさえ疑わしくなるのだ、体験した自分でさえ。
この話が書けたら、私は死ぬことがちょっと怖くなくなる。ボケてもいいと言える。

数年前、詩人の伊藤比呂美さんによる早稲田大学での創作の講義をTVで観た。伊藤さんは学生たちに言っていた。「あなたのセックスについて書きなさい!親について書きなさい!」(もう一個言っていたが忘れた)

強烈な恋愛(性体験)と思春期の苦しみについて書きたかった。書き始めたら家族や親というテーマが出てきて途方に暮れた。
書くことは苦しいが、書かないことはもっと苦しい。もう一生ピアノが弾けなくても全然構わないが、この話を書かずに人生を終えると考えただけで悔し涙が流れた。

あの体験を心の中に位置づけたい。蹴りをつけたいのだ。
今、ラストシーンが書けた。




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