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視覚を育てるエンタメ10選

先日、こんな記事を書きました。

我ながら、安直な発想ではありますが、「聴覚を育てる」がアリなら「視覚を育てる」もアリだろう、ということで、考えてみました。

独断と偏見で選んだ10選をご覧あれ。

①映画『サイコ』(1960)

20世紀を代表する巨匠の一人、アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作。
バーナード・ハーマンが手掛けた音楽をバックに、踊るようなタイポグラフィーが見られるオープニング(グラフィックデザイナー、ソール・バスが担当)が秀逸である。
そして、一番の見どころは、有名なシャワールームでの殺害シーン。
身体に直接、ナイフが刺さっているカットはないにもかかわらず、絶妙なカット割りでそれを表現しているのがすごい。

②映画『ブレードランナー』(1982)

『エイリアン』(’79)なども手掛けたリドリー・スコット監督の代表作。
21世紀のロサンゼルスを舞台に、レプリカント(人造人間)を追う専任捜査官(ブレードランナー)が主人公の物語になっている。
興行成績は今ひとつだった本作が、カルト的な人気を集めたのは、ビデオソフトになってからのこと。シド・ミードが手掛けた美術デザインにも注目が集まった。とにかく、背景がすごいので、そこを観てほしい。

③映画『赤ちゃん泥棒』(1987)

コーエン兄弟2作目の作品。子どもがいない夫婦が大富豪の赤ちゃんを誘拐するコメディー作品で、ニコラス・ケイジが主演を務めた。
とにかく、目まぐるしいほどのカメラワークが秀逸で、見どころが満載の作品となっている。本作のように、視覚的なおもしろさを前面に出した作品は、なかなかないと思う。

④雑誌『WIRED』(1993~)

視覚的なおもしろさをもっとも表現した紙媒体は「雑誌」、中でも’90年代にアメリカで産声を上げた本誌は、フォトショップなどのソフトの普及も相まって、斬新な表現に溢れた紙面であった。
内容的には、最先端の技術を扱った難しい内容が多いが、見ているだけで楽しめるので、読まずとも眺めるだけでも楽しい雑誌。

⑤テレビ番組『ウゴウゴ・ルーガ』(1992~1994)

’90年代は CG の時代でもあった。そんな中で、平日朝の帯番組として CG のキャラクターを使った本番組は、後にも先にもない画期的な内容だった。
一応、子ども向けの番組ではあったが、シュールで奇抜な内容は、朝帰りの大人たちにも親しまれたのだとか。
CG のデザイン携わったクリエイターは、岩井俊雄氏(『エレクトロプランクトン』)、秋元きつね氏(『せがれいじり』)、田中秀幸氏(『OH!スーパーミルクちゃん』)など。その豪華な顔ぶれは、「CG のときわ荘」といった様相を呈してる。

⑥映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995)

押井守監督の代表作。原作は『ヤングマガジン海賊版』に連載されたマンガ作品である。
アメリカでは、ビデオソフトの売り上げが週間1位を記録し、映画『マトリックス』にも多大な影響を及ぼした。画面の隅々にまで張り巡らされた「世界観」が秀逸。

⑦ゲーム『パラッパラッパー』(1996)

リズムに合わせてボタンを押す「リズムアクション」を一般に広めた、元祖・音ゲーとも言われる作品。音楽はヒップホップのかっこいいビートに、レゲエやファンクを絡めたもので、キャラクターたちのかわいらしいラップも聴きどころが満載である。
キャラクターデザインは、アメリカのイラストレーター、ロドニー・グリーンブラッドによるもので、紙のように動くペラペラなアニメーションが個性的。

⑧ゲーム『ルミネス』(2004)

ゲームクリエイター・水口哲也氏(代表作『スペースチャンネル5』『Rez』など)プロデュースによるパズルゲーム。PSP 本体と同時発売のソフトの一つでもある。
BGM をモンド・グロッソ(大沢伸一)が手掛け、光をイメージしたグラフィックと絶妙なハーモニーを見せてくれる。

⑨雑誌『ケトル』(2011~2020)

惜しまれつつ2020年12月に休刊となった太田出版の雑誌。博報堂ケトルのクリエイティブディレクター・嶋浩一郎氏が編集を務め、毎回、ニッチなテーマで特集が組まれた。
そのマニアックな内容もさることながら、余白(スペース)を意識した紙面デザインも素晴らしかった。

⑩書籍『20世紀エディトリアル・オデッセイ』(2014)

紙メディアでデザインの要素が強いのは「雑誌」である。その雑誌の20世紀の歴史をまとめたのが本書。
スティーブ・ジョブズにも影響を与えた、ヒッピー文化のバイブル『ホール・アース・カタログ』にはじまり、そのフォロワーでもある『宝島』なども紹介されている。各雑誌に合わせた紙面デザインの変化も注目すべき内容。



この記事は、まと。さん主宰の投稿企画「4マスのひらめき」への参加記事です。

以下の9つのキーワードの中から

尺度  知る  五感
入る  時間  着る
育つ  働く  移動

二つを選び、自由に書く企画です。
(今回の記事は
 「五感」=「視覚」
 「育つ」=「育てる」
 「視覚」×「育てる」から着想)

募集期間は、
2022年12月26日(月)23:59まで
となっています。

「おもしろそう」
と思った方は、
ぜひ、ご参加ください。

なお、投稿の際は、

・選んだ2つのキーワードを明記する
・ハッシュタグに「4ますのひらめき」
・「4ますのひらめき」募集ページのリンクを貼る

この3点をお願いします。

▼こちらは以前、私が書いた攻略法です。


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