いまだに電話が苦手だ
いい歳をして電話が苦手です。
小さな頃から、
「人の目を見て話を聴け」
と育てられたもので、
相手の表情が見えない電話は、
私にとって恐怖しかありません。
特に苦手なのは、
まったく知らない人と
電話で話すことです。
仕事柄、外線をとる機会も
ほとんどなく、
たまに出て対応すると、
「声が暗いぞ」とツッコミが入ります。
逆に顔が見えているなら、
知らない人でも、
割と話すことができます。
特に得意なのは、
その場限りの付き合いの人です。
セミナーでたまたま一緒になったとか、
「もうこの人とは二度と会わないだろう」
と思うようなケースだと、
自分をよく見せる必要もないので、
自然に話すことができます。
一方で、一番難しいのが、
しばらく会っていなかった人と
どこかで居合わせるパターンは苦手です。
前に会った時、
自分がどんな感じで接していたか、
覚えていないことが多いので、
距離感の計り方が、
すごく難しく感じます。
なまじ、過去の自分のことを
相手が知っているというのもあって、
取り繕うのも恥ずかしいですし、
急に人見知りな自分になってしまいます。
極端な話をすると、
毎日のように、
ずっと顔を合わせている人でも、
長期間の休みを挟んで、
会わない日が続くと、
ちょっとだけ話しにくくなってしまうんです。
どんな感じで接していたか、
思い出せないからです。
あんまりこういう人は、
いないかもしれませんね^^;
なので、一番苦手なパターンは、
昔の私を知っていて、
しばらく会っていない人と
電話で話すという組み合わせです。
これに一番当てはまるのが、
親や兄弟からの電話ですね。
電話がくると、
いつもビクビクしてしまいます。
対応もそっけなくなりがちです。
冷たい奴だと思われているかもしれません。
家族の場合は、
顔を合わせれば、
普通に話せるのでまだいいのですけどね。
電話って、声しか伝えられない
ツールなので、
すごく難しいと思います。
極端に電話が苦手な私でも、
仕事ではさすがに、
避けることもできないので、
内線で社内の人とやりとりをすることは、
毎日のようにあるんですよね。
その時に話しやすい人と、
感じの悪い人がいることに気づきました。
内線で話しやすい人は、
声が明るくて、
声を聞くだけでも
笑顔が連想されるような
優しい話し方をします。
逆に感じの悪い人は、
声が暗くて、
こっちが話しても、
あいづちもなく無音です。
言葉に無駄がなく、
機械的な印象を与えます。
一番ひどいのは、
自分の要件だけを
早口でまくしたてて、
ガチャ切りする人です。
そういうことをする人は、
大抵決まっているので、
慣れたものですが、
何回やられても不愉快な行為ですね。
そうやっていろんな人と
内線でやりとりをするうちに、
自分も気をつけるようになりました。
特に新人さんの電話対応は、
すごく勉強になります。
誰に対しても対応が丁寧だからです。
内線をかけるにしても、
「お忙しいところすみません」
と一言添えるだけで、
印象もずいぶんと違うものです。
私も以前は、
相手は内部の人だから、
そんなに気をつかわなくても
いいだろうと思っていました。
でも、この一言があるのと、
ないのとでは、
相手の対応もずいぶん変わってきます。
電話って、本来は、
すごく人の都合を無視したツールです。
なんの前置きもなしに、
かかってくるし、
相手の状況も見えません。
だからこそ、相手を思いやる心を
言葉にして伝える必要が、
顔を合わせて話す時以上に
必要なのかもしれません。
明るい声で話すのは、
電話が普通の声よりも、
特定の周波数がカットされて、
聞き取りづらくなるためです。
理屈はわかっていても、
いまだに私はこれができません。
でも、電話で話すことは、
「普段の会話とは違うシチュエーションである」
と意識するだけでも、
いろいろと気をつけることが
できるのではないでしょうか。
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