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動画レビュー『小山田圭吾氏と出来事の真相』(2021)真相を探るとはこういうこと

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ものすごくモヤモヤしていた

昨年の7月、東京オリンピックの
開会式・閉会式の音楽を
担当する予定だった小山田圭吾氏が、
過去のスキャンダルにより、
辞任しました。

この出来事に私はずっと
モヤモヤしていたのです。

コーネリアスこと、
小山田氏が過去に雑誌の
インタビュー記事で、
いじめの話をしていたのは、
ネットでは有名な話でした。

私自身は、小山田氏の熱烈なファン
というわけでもなく、
その原文を読んだわけでもありません。

それにしても、
「何を今さら」といった感が
否めませんでした。

何より、古い雑誌の
インタビュー記事にどれほどの
信憑性があるのかという話です。

問題となった
『ロッキング・オン・ジャパン』
『クイック・ジャパン』の二誌は、
読んでいたことがあります。

特に『ロッキング・オン』系の
インタビュー記事に関しては、
往々にして盛っている部分があるなぁと、
10代の私でも気づいたくらいです。

ましてや、今回の報道は、
毎日新聞という大手メディアですら、
本人への事実確認はおろか、
原文すら確認せず、

ネットの匿名ブログをソースに
記事を書いたというではありませんか。

結局のところ、マスコミも含め、
メディアってそんなものですよね。

日本人は真面目だからなのか、
馬鹿正直にメディアを
信用し過ぎです。

どんなメディアであれ、
必ず商売が絡んでいます。

さまざまな利権が絡んでいます。

テレビもネットも本も
すべてそうです。

だから、メディアの情報は
話半分で聴くのが、
正しい接し方だと思うんですよね。

異なる立場からのあらゆる意見を
統合しなければ、
物事の真相はわかりません。

短い文章や時間で
簡単に理解できる情報は
大したものではないのです。

そういう情報は、
事実の一部を粗く描いた
解像度の低い幻影に過ぎません。

メディアは疑ってみるもの

今回、取り上げる動画は、
DOMMUNE(ドミューン)という
ライブストリーミングスタジオが
この件について取り上げた番組です。

大晦日の夕方にはじまり、
元旦の朝までライブ配信されました。
(一部、録画もあり)

第一部は、専門家なども交えた
ディスカッションを中心に構成され、

第一部の終盤、および第二部は、
これまでの小山田氏の音楽を
振り返る内容です。
(第二部は DJプレイが中心)

現在は YouTube にアーカイブが
残っているので、
誰でも無料ですべて観ることができます。

15時間にもおよぶ、
非常に長い動画なので、
私自身はまだ、第1部しか(8時間)
観ていません。

しかし、今回の騒動について、
真相を知るには、
第1部を観るだけでも充分です。

まず、多少なりとも
小山田氏のことを
知っている方ならば、

問題となっている
90年代中期の彼の状況から
インタビュー記事の背景が
よくわかるはずです。

彼は’89~’91年まで、
フリッパーズ・ギターという
バンドを組んでいました。

私自身はリアルタイムでは、
このバンドのことを
知らなかったのですが、
非常に尖った音楽性のバンドです。

その尖った姿勢は
音楽性に留まらず、
彼らのタレント的な部分にも
現れていました。

当時の彼らがインタビューなどで
まともな受け答えをしなかった
というエピソードは有名です。

そんなグループにいた彼ですから、
ソロデビューしたばかりの頃も
当然、若気の至りで、
むちゃくちゃなことを言うことも
あったでしょう。

ましてや、掲載されていたのは
『ロッキング・オン・ジャパン』です。

先ほども書きましたが、当時の
『ロッキング・オン』系の雑誌は、
「盛ってなんぼ」でした。
(アーティストをディスったり、
 プロレス的な面が強かった)

ずっと読んでいた読者ならば、
「冗談」が入っているのは、
誰にでもわかることなんです。

もちろん、その内容自体の是非は
ここでは問いません。
(たとえジョークでも不快な人は
 不快に感じるものなので)

半分おふざけの記事が
一部の心無い人の目に留まり、
ネットに引用され続けたのは、
不運なことだったと思います。

例えば、インターネットがなければ、
多くの人から忘れ去られていた
記事だったはずです。
(そもそも雑誌に書かれた情報は
 本来、消費されて消えていくもの)

ネットの引用記事も
私は読んだことがありません。
(これに限らず、匿名で書かれる
 ネガティブな噂話が嫌いなので、
 一切、見ません)

おそらく、悪意のある切り取り方を
していたのでしょう。

そして、匿名で書かれた
誰も責任をとらないような記事を
引用して、大手メディアが
センセーショナルな記事に仕立てた
というのが今回の騒動の発端です。

この新聞記者がやった行為は、
メディアに携わる者が
絶対にやってはいけないことでした。

真相を探るとはこういうこと

この番組では、
小山田氏の同業者である音楽仲間、
あるいは、有志で真相を追っていた
ファンの方が中心となって、
この件の真相を追及しています。

もちろん、
それだけのメンバーならば、
身内として擁護しているだけだと
思われてもしかたありません。

しかし、この番組には、
中立の立場である
ノンフィクション作家、
(騒動後、文春で小山田氏に
 インタビューを掲載した方)

弁護士、
障がい者の問題に詳しい
心療内科の先生
(ご自身も障がいを抱えている)
などもゲストに招き、

きわめて多角的な視点で
この問題について検証しています。

この問題については、
私自身も書きたいことが
山ほどあるのですが、
(何しろずっと口をつぐんできたので
 なおのこと)

長くなってしまうので、
ここまでにしておきます。

長い動画なので全部観るのは、
難しいかもしれません。

でも、一人でも多くの方に
この真実が届いてほしいと思い、
レビューという形で
紹介することにしました。

私個人としては、
こんなことで、
才能のある音楽家の
人生が終わってほしくありません。

一人でも多くの人に真実を
知ってほしいです。

そして、一日でも早く小山田氏が
音楽活動に復帰されることを
願ってやみません。


【作品情報】
2021年12月31日公開(11時間55分)
出演:宇川直宏
   ばるぼら
   吉田豪
チャンネル:dommune
配信:YouTube

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