見出し画像

地域おこし協力隊、3ヶ月ヨーロッパへ行く。

「地域おこし協力隊」としての任期も3年目を迎えた、2023年。

これまでの活動の集大成として、そして、自分の目標をこの地域で実現するために、9/10(日)から3ヶ月間ヨーロッパへいってきます。

まずは自己紹介から

はじめまして。髙羽 開(たかば かい)と言います。

岡山県倉敷市生まれの30歳。地域おこし協力隊として活動している高知県日高村には、2020年12月に移住してきました。

日高村では、村内の自然環境に生息する「野生酵母を使ったビール」をつくる醸造所/ブランドの立ち上げを目指して活動しています。
(「野生酵母のビール」については後ほど説明します)

冒頭にも書いたとおり、この度地域おこし協力隊として3ヶ月間ヨーロッパへ研修に行くことになりました。この『いきつけいなか』では、そんなヨーロッパ研修での取り組みや学び、現地での暮らしについて、週に1回のペースで記録を残していきます。

日高村の地域おこし協力隊のこと

画像引用元:高知県 日高村移住促進プロジェクト

「地域おこし協力隊」について、あまりご存知ない方も読んでくださっているかもしれないので、「ヨーロッパへ行く話」の前に、少しだけ地域おこし協力隊について説明させていただきます。
(以下、略して「協力隊」と書くことがあります)

まず、この制度を管轄する総務省のHPを見てみると…

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年から3年です。

具体的な活動内容や条件、待遇等は各自治体により様々ですが、総務省では、地域おこし協力隊員の活動に要する経費に対して隊員1人あたり480万円を上限として財政措置を行っています。

とのこと。

とってもざっくり言うと、「地域おこし協力隊」=「都市地域から移住してきて、その先の定住を見越しつつ、最長3年間、地域を盛り上げる仕事をする(もしくは仕事をつくる)公務員」のこと。制度自体は国が旗を振って生まれたものですが、協力隊の業務内容(その地域で何ができるのか)や人数は地域によって千差万別です。

僕が暮らす高知県日高村で現在(2023年8月時点で)活動している協力隊は17名。おそらく他の自治体と比べても多い方だと思います。

画像引用元:日高村役場 地域おこし協力隊募集

そんな日高村の協力隊は、活動のスタイルによって「ミッション型」と「フリーミッション型」の2つに分けることができます。

ひとつ目の「ミッション型」は、自治体側が「うちの地域でこの事業を担ってくれる人を募集します!」といった形で、募集の時点で協力隊が取り組む業務の大枠を予め設定しているもの。

「和紙産業の振興」「ゲストハウスの運営」「屋形船を活用した観光事業振興」など、2023年8月時点で11の取り組みに協力隊の募集がなされています。

もうひとつの「フリーミッション型」は、正式には「起業定住にかかる取組」と呼び、村内で起こしたい事業を応募の時点で村に提案し、採用された場合は協力隊として起業に向けた取り組みを行う、というもの。僕はこちら側です。

応募時点では全くの未経験でしたが、「日高村でやりたい」と提案した「ビールの醸造所を立ち上げること」をミッションに採用され、そこから県内の醸造所での研修や、野生酵母の研究事業などを経て、現在3年目となりました。

(本来、協力隊の任期は最長で3年なのですが、「コロナによって協力隊の活動に影響が出た」と認められた場合に限り、任期を延長することができるようになり、僕自身も延長しもう1年協力隊として活動する予定です)

地域おこし協力隊(なのに)、海外研修へ行く

ここまで説明したとおり、協力隊=その地域を盛り上げる業務をする/つくることが仕事であって、協力隊としてまとまった期間海外へ行き仕事をする、というのは全国でも前例がありません。

にも関わらず今回の海外研修が実現したのは、日高村役場の関係者の方々のご理解とご尽力、これまで村内で事業をつくりあげる実績を積んでこられた先輩協力隊のみなさんのおかげでしかないのですが、今回の記事では、「ヨーロッパで何をするのか」についてもう少し書いていければと思います。

ここで冒頭の「野生酵母を使ったビール」が出てきます。

いきなりビールの話にうつりますが、ビールの原料は、大麦、ホップ、水、そして酵母です。「酵母=微生物の一種」なのですが、一般的なビール醸造では、ビールづくりに好ましい性質の酵母のみを人工的に培養させたものを使って発酵をおこないます。

世界の99%の醸造所はそのような形でビールをつくっているのですが、現在日高村で取り組んでいるのは、そうではないビールづくり。自然界に暮らす野生の酵母やその他の微生物群によって発酵させる方法で醸造をおこないます。

このような野生酵母を使ったビールを「ワイルドエール」と呼んだりするのですが、今回欧州で学ぶのがこのスタイルのビールづくり。

画像引用元:CRAFT BEER & BREWING

ドイツの『Kemker Kultuur(ケムカー クルトゥーア)』というワイルドエールをつくる醸造所で2ヶ月間の醸造研修をしてきます。

また、「Kemker Kultuur」での研修前後1ヶ月と、研修がない週末などを使って、ベルギーとオランダで、同じく野生酵母をつかってビールをつくる醸造所いくつかを訪問し、研修をおこなってきます。

具体的な研修内容については、今後の記事で記していければと思いますが、もうひとつ明確にしなければいけないのが、「なぜヨーロッパへ行く必要があるのか?」です。

続けて書きたいところですが、そこそこ長い記事になってきたのと、「ヨーロッパへ行く必要性」をご説明するにはワイルドエールについてももう少し詳しいご紹介があった方がよさそうなので、「なぜヨーロッパか?」については、また次回の記事でしっかりと書いていければと思います。

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

そして、読んだということで「スキ」「ハート」をポチっていただけると嬉しいです。noteのアカウントをお持ちでない方も、匿名でポチれますのでぜひ。

このヨーロッパ研修記では、海外で研修をおこなう地域おこし協力隊の取り組みや学び、現地の暮らしや文化、そしておいしいビールについて記していきます。

また来週もぜひ、ご覧ください。
Cheers!(乾杯!)


── そのほかの記事 ──


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?